非常勤役員は常勤役員と違い社会保険料の対象になりません。

この「非常勤役員は社会保険料の対象にならない」という決まりによって、国民健康保険料削減スキームと同じような社会保険用削減スキームを構築することができます。

社長の社会保険料を直接削減するわけではないですが、親族を非常勤役員にする場合に社会保険料の削減に利用できます。

非常勤役員を利用した社会保険料削減スキーム①

非常勤役員は社会保険料の対象となりません。

年収130万円以下なら社長の扶養にすることもできます。

この条件を利用すれば、社長の親族を非常勤役員にして、親族分の社会保険料を削減することができます。

この方法がまず1点です。

非常勤役員を利用した社会保険料削減スキーム②

次に「非常勤役員は社会保険料の対象にならない」という部分に着目します。

非常勤役員の場合、そのほかの仕事と兼務することができます。

ただし、独禁法によって、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、他社の役員を兼ねることができない場合もありますので注意しましょう。

たとえば社長のグループ会社内では、

・A社で非常勤役員、B社で常勤役員または正社員

というケースが考えられます。

あるいは社外なら、

・社長の会社C社で非常勤役員、社外の会社D社で常勤役員または正社員

・社長の会社E社で常勤役員または正社員、社外の会社F社で非常勤役員

というケースになります。

この場合、常勤役員・正社員は社会保険料の対象です。

で、非常勤役員は社会保険料の対象外です。

つまり、社会保険の対象となるのは、常勤役員または正社員の給与のみで、非常勤の給料は対象外となるのです。

常勤役員・正社員は社会保険料のみの支払いになる理由

そして日本の保険制度は皆保険制度で、自営業者などの第1号被保険者は国民健康保険・国民年金にセットで加入します。

役員や従業員なのど第2号被保険者は、健康保険・厚生年金の社会保険にセットで加入することになります。

知っておきたい年金のはなし

いい換えれば、第1号被保険者になった時点で、健康保険・厚生年金に加入することはできなくなります。

反対に第2号被保険者になると、国民健康保険・国民年金を脱退することになります。

年金についていえば、国民年金は厚生年金の1階部分にあたるため、制度上両方加入することはできません。

同時に加入すれば、それはダブって加入していることになります。

また国民年金と国民健康保険はセットで加入、同じく健康保険と厚生年金もセット加入です。

「国民健康保険+厚生年金」というふうに選ぶことはできません。

したがって、常勤役員・正社員は「第2号被保険者」となりますので、その給与の額で社会保険料が決まります。

常勤または正社員で別の会社から給与が発生する場合は、非常勤役員の報酬については、社会保険も国保・国民年金も対象外となるのです。

年間240648円の社会保険料を削減

たとえば常勤役員の給料が150万円で、非常勤役員の給与が150万のケースを考えてみます。※40歳以上で計算

常勤役員の部分についての社会保険料

  • 健康保険料:7326円
  • 厚生年金保険料:11529円
  • 合計:18855円

非常勤役員の部分についての社会保険料

・0円

仮に、A社とB社で常勤役員が2か所から給料をもらう場合、社会保険料は合算されて計算されます。

たとえばA社とB社で常勤役員が150万円ずつ給料をもらう場合は

  • 健康保険料:15119円
  • 厚生年金保険料:23790円
  • 合計:38909円

となります。

しかし一方が非常勤役員だと、社会保険の対象から外れますので、20054円の社会保険料の削減につながるというわけです。

年間では240648円の削減です。

逆にいえば同じ年収でも、常勤・正社員の給料を下げれば、それだけ社会保険料を安くすませることができるのです。

仮に常勤役員の給与を120万円、非常勤役員の給与が180万円なら

  • 健康保険料:5698円
  • 厚生年金保険料:8967円
  • 合計:14665円

となって、同じ年収300万円のときに比べても月4190円、年間で50280円社会保険料を削減できます。

社外の会社なら親族の給料をコントルールすることはできませんが、グループ会社内ならコントロールできます。


スキームの注意点

注意点1・役員の実態で判定される

常勤か非常勤かの判定は実態で見られます。

非常勤であっても実態が常勤であれば常勤役員と判定されます。

非常勤役員であることの基準を満たす必要があります。

たとえば社長が名目上非常勤役員にしても、それは常勤役員となり、社会保険の対象になります。

基準は下記記事をご覧下さい。

注意2・役員報酬が高いと税務上のリスクが生じる

非常勤役員の年収を180万円以上にすると税務上のリスクが生じます。

非常勤役員に180万以上の役員報酬だと、高すぎるとして否認される怖れがあるのです。

非常勤役員に支払う給与は180万円程度に収めるのが無難です。

注意3・勤務実態も必要

名ばかりの非常勤役員でも税務調査で否認される可能性があります。

月に数回程度でも出社している証拠を残しておきましょう。

まとめ

非常勤役員を利用した社会保険料削減スキームについて解説しました。

グループ会社内で調整する以外にも、社長の会社以外に奥様が働きに出かけられるケースもあると思います。

しかしそのとき勤め先の雇用形態が社会保険料の対象となれば、そこは負担を避けたいという場合もあるでしょう。

そんなときは非常勤役員を利用すれば、社保の負担を避けつつ収入を増やせます。

参考になれば幸いです。


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