あなたは従業員に支払う福利厚生費は、すべて全額経費扱いになると勘違いされていませんか?

福利厚生費といえど全部経費にできるわけではありません。

福利厚生費には、課税対象になるものと課税対象になるものがあります。

福利厚生費とつけば何でも経費になるわけではない

福利厚生費とは、役員を含むすべての従業員に公平に支給される給与以外のお金のことです。

給与とは性質が違うため、福利厚生費を経費として計上するためには、

  1. 従業員全員が使えるものであること
  2. 常識的な範囲のものであること

が大前提の条件になります。

福利厚生費の名のもと、役員だけスポーツジムに通える特権を与えたり、一般常識に比べ高額な慶弔見舞金を従業員に支給したりすると、賞与や給与とみなされ課税されます。

なお福利厚生費は税務署からも目をつけられやすい支出です。

そこで、あらかじめ就業規則等の社内規程を作成して福利厚生費として支出する項目を記載し、明文をもってルール化しておけば、税務署から経費否認される可能性は低くなります(低くなるとはいえ、従業員全員が使えるものであること、常識的な範囲のものであることは守らなくてがいけません)。

福利厚生費は2種類ある

福利厚生費は、「法定福利費」と「法定外福利費」に分かれています。

「法定福利費」は法律で定められた福利のために使用する費用のことです。

具体的には、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料などの社会保険料と、雇用保険料および労働者災害補償保険料(いわゆる労災保険)からなる労働保険料を指します。

「法定外福利費」は、企業が任意で提供する福利厚生サービスのことです。

社宅の提供や住宅費の補助、育児支援、レクリエーション費、特別休暇など企業によって提供されるサービスはさまざまです。

福利厚生費にならないもの

名目は福利厚生費で支給しても、課税対象になるものは、

  1. 従業員全員が使えるものであること
  2. 常識的な範囲のものであること

という条件を満たさないものです。

これらは給与扱いになります。

具体的には次のものです。

過度な通勤手当

通勤手当は非課税ですが、非課税の限度額は決めれています。

その上限を超えると、超えた部分が全額給与扱いとなります。

No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

通勤手当として認められるのは、以下の交通手段で通っている従業員です。

  • 交通機関で通勤する人
  • 車両や自転車などの交通用具で通勤する人
  • 定期乗車券で通勤する人
  • 交通機関+交通用具を利用する人

従業員に手渡した健康診断のお金

健康診断を福利厚生としても認めてもらうには、全従業員が対象、著しく高額でないものという条件以外に、企業が診療機関に直接支払うこと、という条件が加わります。

そのため、従業員に健康診断費用を会社が支給して、そのお金で従業員が診療機関に直接支払ったら、それは従業員への給与とみなされます。

これと似たものに従業員が自由に選べる研修があります。

会社から指定されて受ける研修(業務に関係のある研修)なら経費にできますが、従業員が好きな研修を選べるのあれば注意が必要です。

好きな研修を選べるとはお金を上げたと同じなので、給与として課税されます。

社宅を従業員・役員へ超割安で住まわす場合

借り上げ社宅という制度を使えば、通常より安い賃料で社宅に住むことができます。

企業が不動産事業主や不動産業者から賃貸住居を借り、社員・役員に貸し出す住居のことです。

社員・役員は社宅家賃として、会社に対して賃料を支払います。

この家賃が一般の賃貸アパートに比べ、約10分の1程度に設定することができるのです。

この家賃の設定はギリギリを攻める場合、相場賃料の社員は5%、役員は10%です。

もしそれ以下の家賃設定をして、社員・役員に社宅として住まわすと、賃料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。

無償で貸している場合にも、賃貸料相当額が給与として課税されます。

また、現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められす、給与として課税されます。

No.2600 役員に社宅などを貸したとき

従業員の社員旅行

従業員の社員旅行を福利厚生費として計上するためには、次の3つの要件を満たさなくてはいけません。

  1. 旅行期間が4泊5日以内(海外の場合は目的地での滞在日数)
  2. 全従業員の50%以上が参加すること
  3. 会社負担が高額でないこと

全従業員とは、役員・正社員だけでなく、パート社員・契約社員・アルバイトまで、会社と直接雇用関係を結んでいる人はすべて対象となります。

社員旅行に不参加の人に、会社負担分旅費相当額を支払った場合は、参加者を含め「全員」への給与となります。

不参加の人だけでなく、参加者した人の会社負担分も福利厚生費とならないことに注意が必要です。

また会社負担が高額でない金額とは、おおむね一人あたり10万円が目安となります。

この場合、問題となるのは「会社負担が負担する費用」です。

旅行の金額でないことに注意しましょう。

まとめ

上記にあげたのはあくまで例であり、それ以外の福利厚生費でも、

  1. 従業員全員が使えるものであること
  2. 常識的な範囲のものであること

の2つを満たさないものは給与課税されます。

この点を忘れないで、従業員に福利厚生費を支払えば、それは経費に計上できます。

人手不足が進む現在は、いかに福利厚生が手厚いかも、求人で選ばれる条件となります。

福利厚生の課税されないポイントを押さえて、従業員の定着や採用に役立てましょう。


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