1.判例を踏まえた就業規則に見直し

労使トラブルを防ぐ就業規則作り

従業員を解雇したら訴えられた!? そのとき会社は…

ある日、問題社員を解雇したら、その従業員から訴えられた…。 「法律を守っていたはずなのに、なぜ負けるのか?」 そんなケースが実際に数多く起こっています。

就業規則は、労働時間、賃金、服務規程などを定めた会社のルールですが、 法律を守って作成しただけでは、裁判では会社が不利になる可能性があります。

その理由は、裁判所の判断が法律よりも労働者を保護する傾向にあるためです。

法律を守っているのに負ける理由

例えば、「解雇」に関する法律は以下のように定められています。

  • 労働基準法第20条:「解雇する場合、30日前の予告または30日分の賃金を支払うこと」
  • 労働契約法第16条:「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は無効」

ここでよくある誤解が、「30日前に予告すれば解雇できる」というものです。

しかし、裁判では「客観的に合理的な理由があるか?」が問われます。

「何が合理的な理由か?」は法律には明記されておらず、裁判所の判断(判例)によります。

つまり、就業規則を法律だけを基に作ると、裁判になったときに負けるリスクがあるのです。

判例を踏まえた就業規則だから労使トラブル対策になる

判例を活用した就業規則だから安心

では、労使トラブルを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

答えは「判例を踏まえた就業規則を作ること」です。

裁判で会社側が勝った事例を分析し、それを基にルールを作れば、 いざ労働紛争が起こった際にも有利に戦えます。

例えば、解雇に関する判例では、

  • 勤務態度の著しい不良(繰り返しの遅刻・無断欠勤など)
  • 業務命令の拒否や職場の秩序を乱す行為
  • 合理的な業績不振による整理解雇の条件(必要性、手続きの適正さなど)

といった基準が裁判所に認められています。

こうした判例をもとに、

  • 解雇要件を具体的に明記
  • 改善指導プロセスを就業規則に組み込む
  • 適切な証拠(注意指導記録・勤務態度の記録など)を残すルールを設ける

といった対策を行えば、いざという時に会社を守ることができます。

労使トラブルを防ぐ就業規則の見直しを

「うちは問題ない」と思っていても、いざ裁判になれば、想定外のリスクがあるかもしれません。

労働者との無用なトラブルを防ぎ、経営を安定させるためにも、 判例を踏まえた就業規則を整備することが重要です。

「判例に基づいた就業規則に見直したい」

そう思われた方は、一度現在の就業規則をチェックしてみませんか?

適切なルールが会社と従業員を守り、企業の成長につながります。