人材採用難の時代ですが、せっかく採用できた従業員が、すぐに辞めてしまうことがあります。
その理由の一つに、「聞いていた話と違う」ということが挙げられます。
面接のときに聞いていた話と、実際に就職した後で、業務内容や求められるスキルが異なっており、それが不満となって早期離職を招くパターンです。
このような雇用のミスマッチが起こる一因は、求める人材像や細かな労働条件などを「言語化」してないことにあります。
早期離職を防ぐキーワードは、「言語化」にあります。
認識が一致しないから雇用のミスマッチは起こる
やっとの思いで採用した従業員が、定着前に離職してしまえば、そのダメージは小さくありません。
採用費用や支払った給与、指導の工数などなど、掛けた時間まで含めれば、すぐに辞められてしまう会社側の損失は、支出した金額以上のものとなります。
「いったい何が悪かったのか・・・」考えれば考えるほど、モヤモヤは深まるばかりです。
しかし、このような雇用のミスマッチが起こるパターンは、情報の共有化がされてないことが挙げられます。
情報の共有化とは、
- 自社では、どういう能力が求められるか?
- 給与はいくらか?
- 何をすれば、給与や評価が上がるのか?
- 誰の指示に従へばよいのか?
- どのような業務を任せられるか?
- どのようなキャリを望めるのか?
- ハラスメントに対する対策はどうしているか?
- 飲み会などの会社のイベントには強制参加かどうか?
- 細かな労働条件
などなど。
これらを、会社側と労働者側で認識を一致させることです。
認識が一致すれば、「話が違う」というすれ違いにはなりませんし、会社側も労働者側も、後出しジャンケンで条件を変更されたなら、堂々と契約違反を問えます。
それに何より、提示された条件が嫌なら、会社側も求職者側も断れば良いのであって、雇用のミスマッチが起こる可能性がぐんと低くなります。
たとえば、
「弊社は積極性を重視します。そのため、与えられた仕事を待つだけの人は必要とせず、月1回のミーテイングに参加し、業務の改善案を少なくとも一つは提案することを義務付けております」
と最初にいえば、認識のズレは修正され、条件が嫌な人は採用を断りますが、「それでもやりたい」思う人は残ることになるでしょう。
雇用のミスマッチは、言語化されないことでの「お互いの認識のズレ」が原因でもあります。
会社と求職者のお互いが幸せになるために
会社と求職者で認識を一致させることは、お互いが不幸にならないためにも重要です。
求職者側にとってみれば、カルチャーに合わない会社で働くのは自身のパフォーマンスを落とす原因になり、就職後も評価が上がらず、自分が苦しむことになります。
一方の会社側は、パフォーマンスもさることながら、カルチャーに合わない従業員を雇うことは、組織力の低下を招く原因となり、そもそもとして雇用のメリットはありません。
能力を発揮できず、辞めざるを得ない運命なら、それこそ、時間もお金も無駄でしょう。
だから、お互いがWin-Winとなるためには、最初から条件を言語にして認識を一致させることが必要となります。
定着率を上げる「人事ポリシー」とは
お互いの認識を一致させるためには、会社が従業員へ求める条件や、給与などの働く条件を「言語化」しなくてはいけません。
言語化は、就業規則などの規則や労働条件はもちろん、下記のような人事ポリシーとよばれる自社の人に対する考え方まであります。
- 求める人材像
- 人材育成の方針
- 何を評価評価するのか(能力、成果、行動、職務、年齢、年功、勤続)
- 何に対して給与・賞与を支払うのか
- 人材への考え方
- 長く働くことを求めるのか、短いスパンでの代謝を優先するのか
- 採用の方向性
とりわけこの中でも重要なのは、自社の「求める人材像」です。
求める人材像が、その後の定着率を決めるといっても過言ではありません。
雇用のミスマッチを防ぎ、定着率を上げたいなら、さまざまなことを「言語化」しておきましょう。
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