宗教と強い会社組織の5つの共通点

組織論

宗教と強い会社組織には驚くほど共通点があります。

異にすることといえば、信仰の対象で、宗教は教義を、会社組織は経営理念を信じるかくらいです。

それに、一体感を持っている組織ほど、宗教染みたものを感じたことがないでしょうか?

企業が、一つにまとまる強い組織を作りたいなら、宗教からエッセンスを大いに取り入れるべきです。

宗教と組織の5つの共通点

宗教と組織には次の5つの共通点があります。

1.指導的リーダーの存在

組織を導くリーダーが存在し、そのリーダーがビジョンや目的を人々に提示して、その方向へと先導していくという基本構造があります。

宗教には、教祖や聖職者が、会社組織には、経営者いうリーダーが存在します。

宗教のリーダーは、啓蒙や救済という教えから信者にビジョンや使命感を与え、組織の結束力を高めていきます。

会社組織のリーダーは、経営理念やパーパスを通じて、会社の存在意義を従業員に示し、組織を目標に向けて団結させていきます。

2.価値観を共有するためのルール

価値観を共有するルールとは、宗教では、戒律や教えで、会社組織では、経営理念や就業規則や内規がこれに当たります。

信者は戒律や教えによって、道徳的な行いや日々の行動の指針にし、従業員は、経営理念や社内ルールで、社内の規律を守って行動基準を身につけます。

これら規範や規則を、宗教では儀式や祈りや聖典で、組織では朝礼やミーティングや研修、パーティーや表彰式で、繰り返し繰り返しインプットされていきます。

3.帰属意識の構築

宗教における帰属意識を高める一つの手段として、教会や寺院などがあります。

これら宗教施設は、単なる礼拝の場ではなく、人々が助け合い、励まし合うという、信者の結びつきを強める場としての役目を持っています。

また、礼拝、お祭り、記念日等のイベントにより、信者同士が体験を共有することでコミュニケーションを深めていきます。

これらの場が、信者の帰属意識を高めていきます。

会社組織においても、総会、定例ミーティング、全社会議、朝礼といったことで、問題意識や目標達成への目的意識などを共有し、組織への帰属意識を高めています。

また、飲み会やイベント等で、従業員同士が悩みを相談したり、同じ体験をすることで、コミュニケーションが深まります。

会社の場合はそれ以外にも、研修や人事評価制度で、従業員のキャリアアップや収入アップを実現するといった、宗教とは違うアプローチで、会社への帰属意識を高められます。

宗教も組織も、一緒に過ごせる場、体験を共有できる場を持っていて、それが帰属意識を高める効果を発揮します。

4.人材育成の仕組み

宗教も会社組織も、人材育成の仕組みを持っています。

宗教は信者獲得が生命線なので、人を教化して布教活動をしてくれる信者を育てなくてはいけません。

そのために、定期的な説法や教義の再教育プログラム、コミュニティへの参加を通じて、信者がより深く信仰するような教育制度を持っています。

一方で組織は、事業規模による適正人数がありますので、やみ雲に採用を進めて拡大していけばいいというものではありません。

しかし、事業の成長エンジンとなる人ですから、採用した人が活躍できるよう人材育成機能は、宗教同様に持っています。

それに、従業員は自社のすばらしさ(経営理念やプロダクトやサービス)を伝えるエバンジェリスト(伝道師)でもあります。

これは、形を変えた布教活動と同じといえるでしょう。

そのために企業は、メンター制度やオンボーディングプログラム、各種研修を行い、採用された従業員が組織カルチャーに馴染むような制度を取り入れいます。

また、スキルアップやキャリア開発のプログラムを提供することで、従業員が事業の成長を担えるようにすることも必要です。

その人材を育成するための制度を持ち、仕組みとして動かしています。

5.信仰・伝統の維持と変化のバランス感覚

宗教も会社組織も、経典や教義、経営理念やブランド価値といった、組織の核となる信仰や伝統は簡単に変わることはありません。

その一方で、社会の変化に合わせて、新技術や新モデルを導入、運営方法の見直しなど、伝統とのバランスを取りながら時代に適合させて生き残っていきます。

組織作りは宗教に学べ

ここまで宗教と会社組織の共通点について述べてきました。

宗教と聞くと、一気に怪しくなりますが、会社組織との共通点は多いのが現実です。

よくよく考えれば、宗教には数千年の歴史があり、会社組織より人の心を掌握するノウハウに長けているといえるでしょう。

良い意味で宗教化した組織は、強い団結力を持つことができるはずです。

強い組織を作るなら、宗教からエッセンスを学ぶべきです。

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