「100年先でも自分の意思で会社を動かせる」と聞けば、どう思われるでしょう?
「何をいってんだ」が正直な感想かもしれません。
しかし、法人(会社)には、永遠の命があることを忘れてはいけません。
その法人に経営者自身の「意志」を吹き込めば、その意志に従って、100年先でも会社(法人)を動かすことができます。
法人は永遠に生き続ける
法人とは、法律によって権利能力が認められた組織や団体のことです。
法人には株式会社や合同会社(営利法人)、一般社団法人(非営利法人)などがあります。
その法人は、代表者がお亡くなりになったとしても、そこで会社が解散や清算となるわけではありません。
その会社を承継する者がいれば、会社はそのまま続けていくことができます。
人の命には寿命がありますが、法人の命に寿命がないということです。
もちろん、法人の活動エネルギーである事業が止まれば、法人の命もそこで止まります。
廃業や倒産が法人にとっての死です。
しかし、事業から生まれる利益からキャッシュが回り続け、その事業を受け継ぐ人がいれば、法人は延々と生きていくことができます。
それはまさに法人には、永遠の命があることと同じでしょう。
そして、永遠の命を得た法人は、現経営者がお亡くなりになった後でも、社会の課題を解決するべく、商品やサービスを作り、社会の役に立ち続けます。
こんなインパクトのある社会貢献を、実は法人を持つことで行うことができるのです。
経営理念が会社に命を与える
とはいえ、法人が2代3代と継承されていくだけでは、現経営者の意思で会社を動かしているとはいえないでしょう。
現経営者の意思で100年先も会社を動かすには、法人に意志を持たせなくてはいけません。
では、何をもって現経営者の意思というのか?
それは、「経営理念」です。
経営理念は、経営者の価値観や考え方が反映された、会社の意思決定や行動の基準となる考え方です。
いわば、現経営者の思想・信条が色濃く映し出された指針です。
逆にいえば、経営者の人格を現した考え方を法人の指針とすることで、会社という器に経営者の人格が乗り移るということです。
それによって、経営者の意思を持った法人(会社)が出来上がります。
100年先でも自分の意思で会社を動かせるとは、つまりはこういうことです。
経営理念を信望する組織と組織を作る仕組み作り
ただ、経営理念を定めただけでは、会社は動きません。
現経営者の定めた経営理念を忠実に守り、その意志に沿って会社を動かす「組織」が必要です。
「ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則」によれば、あのウォルト・ディズニーも、経営理念を守って動く組織にするために、さまざまな方法で教化を行ったとされています。
その経営理念の教化によって、ウォルト・ディズニーの死後も、経営理念を信望する組織が、ディズニー社のブランドイメージを守り、今も大人から子どもまで楽しめるエンターテイメントを提供しています。
つまり、100年後も経営者の意思で動く会社を作るには、
第一に、経営理念を持つこと。
第二に、経営理念を信望する組織作りをすること。
第三に、経営者の死後も、組織内の人が変わっても、経営理念を熱心に信じて、それを忠実に守る組織にするための仕組み作りをすること
の3つがマストになるということです。
経営理念を持つだけでは足らず、その経営理念に沿って動く組織が必要で、さらに、その組織は、現経営者がお亡くなりになっても、組織内の人が入れ替わっても、経営理念を信望する組織でなくてはなりません。
そのためには、教化の仕組み化が必要になる、ということです。
経営者の意思と共に会社は生き続ける
人の肉体は滅んでも、意思は残すことができます。
意志とは、個人の家なら家訓で、法人なら経営理念です。
輪廻転生ではありませんが、法人に経営者の意志を残せば、経営者の死後もなお、経営理念が法人に人格(法的な意味での人格ではなく)を与え、経営者の生き写しとなって共に生き続けることができます。
そのスタートが、経営理念と組織、経営理念を教化し続ける仕組みにあります。
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