アパート経営にも利用できる土地の固定資産税・都市計画税を下げる5つの方法

不動産の税金

土地は持っているだけで、毎年、固定資産税・都市計画税を課税される資産です。

土地を寝かしておくだけでは、税金というコストだけが支出されていく、まさに金食い虫のような存在になってしまいます。

この記事では、アパート経営に活用できる、土地の固定資産税を減らす方法について解説します。

固定資産税とは

固定資産税とは、土地や家や償却資産などの固定資産に課せられる税金です。

[土地]
田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)

[家屋]
住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物

[償却資産]
構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く

東京都主税局

対象となるのは、その年の1月1日時点の所有者(市区町村の固定資産課税台帳に登録されている人)で、その固定資産を持っている間、毎年納めなくてはいけません。

税額は、固定資産税評価額に1.4%をかけて求めます(税率は市区町村によって異なる場合あり)。

・固定資産税:固定資産税評価額×1.4%

固定資産税評価額は、実税価格のおおよそ7割といわれていて、3年毎に見直すことになっています。

都市計画税とは

都市計画税は、「市街化区域内」に土地や家屋を持っている人に課せられる税金です。

固定資産税と同じく、1月1日時点の所有者に市区町村から課税されます。

税額は、固定資産税評価額の最大0.3%です(税率は市区町村によって異なる場合あり)。

固定資産税を下げる5つの方法

土地という固定資産を持っている限り、1.4%の固定資産税、市街化区域内であれば0.3%の都市計画税が課税され続けます。

このコストを下げるには、次にご紹介する5つの方法があります。

1.土地の面積を実測する

土地の固定資産税評価額は、登記簿謄本に記載されている面積をもとに計算されます。

相続で引き継いできた土地や、他の親族が相続して分筆を繰り返してきた土地などは、実際の面積と異なっている場合があります。

この場合、誤りがあったとしても、自ら土地の面積の違いを修正しない限りは、誤った数値をもとに固定資産税が計算されてしまいます。

そのため、所有している土地の実測面積が登記簿謄本に記載されている面積より小さいと、固定資産税を多く課税されてしま事態が起こります。

その反対に、実際の測量をしたら、登記簿謄本の面積の方が小さかった場合は、固定資産税が上がってしまうこともありますので注意しましょう。

ただし、土地の境界を確定するときは、利害関係者(隣接する所有者)の立会いの下、合意が必要になることは忘れないでおきましょう。

2.住宅用地に係る課税標準額の特例を利用する

固定資産税と都市計画税は、住宅用地になると「住宅用地に係る課税標準額の特例」が適用されます。

これにより、軽減措置が受けられ、税金が安くなります。

小規模住宅用地になると、住宅用の土地は1戸あたり200㎡まで、固定資産評価額が6分の1に軽減されます。

200㎡を超える部分も、一般住宅用地として固定資産評価額が3分の1になります。

都市計画税も、小規模住宅用地になると200㎡の部分は3分の1、それを超える用地は一般住宅用地となって3分の2に軽減されます。

区分住宅用地特例率
固定資産税都市計画税
小規模住宅用地
(1戸につき200㎡まで)
1/61/3
一般住宅用地1/32/3

賃貸物件を建てると固定資産税対策になる理由

小規模住宅用地の適用は、あくまで「1戸につき」200㎡となるので、これを利用すると、次のような不動産賃貸物件で節税対策を行えます。

たとえば、3,000㎡の土地に、1戸200㎡の部屋を10戸持つアパートを建てると、2000㎡(10戸×200㎡)までの部分については、固定資産税は1/6、都市計画税も1/3に軽減できます。

残りの1,000㎡は、固定資産税は1/3、都市計画税も2/3に下げれます。

固定資産税
  • 2,000㎡(10個×200㎡)までは1/6
  • 残り1,000㎡(3,000㎡-2,000㎡)は1/3
都市計画税
  • 2,000㎡(10個×200㎡)までは1/3
  • 残り1,000㎡(3,000㎡-2,000㎡)は2/3

土地全体の固定資産税の評価を1/6にする方法

さらに、賃貸物件と自宅の組み合わせでも、小規模住宅用地の特例を利用できます。

先述したように、この特例は1戸につき200㎡まで、固定資産税評価額が1/6に減額されます。

したがって、たとえば、土地全体が1,000㎡でも、200㎡を自宅、残り800㎡をアパートにして分筆すれば、敷地全体に「小規模住宅用地の特例」が適用されることになります。

このように、更地の上に住宅や賃貸物件を建てると、固定資産税と都市計画税を大幅に軽減することができます。

空き家で固定資産税が2倍から4倍に増える事態に?!

ちなみに、「小規模住宅用地の特例」は、土地が居住用に利用されている場合の特例です。

土地の上の建物を取壊してしまうと、この特例を受けることができなくなり、固定資産税と都市計画税は2倍~4倍に上がることになります。

これは「空き家」になった場合も同じで(市区町村から空き家と認定されたとき)、相続などで、誰も住まないくなった家を引き継ぐときは注意が必要です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください↓

3.土地を分筆する

一筆の土地の中で用途の違うものがある場合、その土地を用途ごとに分筆すると、土地の評価額が下がるケースがあります。

たとえば、一筆の土地の中にアパートと駐車場がある場合、この土地の評価は「路線価 坪60万円」が基準になります。

そこで、この土地をアパート部分と駐車場部分で分筆します。

すると、駐車場部分は土地は、「路線価 坪20万円」の道路のみに接することになり、一体で評価されるより固定資産税評価額を下げることができるのです。

4.セットバック部分を作る

セットバックが必要な土地の場合、セットバック部分の土地を分筆することで、その部分の評価0になります。

ただし、「公共の用に供する道路」になっていることが条件となります。

セットバックとは、「建物を前面道路から後退(セットバック)して建築すること」です。

建築基準法では、家を建てるための土地には接道義務があり、4m幅以上(地域によっては6m幅以上)の道路に2m以上接していなくてはいけません。

ただ実際には、道路幅が2mや3mしかない場所もあります。

だからといって、すぐに建物と取壊せというわけにもいきません。

そこで、建物を再建築するときに、道幅を確保するために後退することが決められているのです。

これがセットバックです。

このセットバック部分を分筆することで、固定資産税の評価を0にできます。

※分筆しなくても、「公共の用に供する道路」と確認できる場合は、非課税になる自治体もあるようです。詳しくは市町村に確認してください。

ただし、セットバックした土地は、消防の観点から消防車が通行できることが求められますので、通行の邪魔になるような門扉・フェンス・塀、花壇などの設置はできません。

門扉やフェンス以外にも、下記のような状態になると、非課税にならなくなります。

  • 敷地部分と道路部分が明確に区分されていない場合
  • 占有物(車止めや鉢など)を置いている場合や花木を植えている場合
  • 線を引いて駐車場・駐輪場として使用されている場合
  • 関係者以外の通行を禁止する旨の表記がなされている場合

詳しくは土地のある自治体に確認してください。

自宅だと、再建築もしないのにわざわざセットバックをする人はいないでしょうが、アパートなどの場合なら、前面道路が広くなって、駐車場を使いやすくなるといったメリットがあります。

アパートが使いやすくなれば、入居率や継続率にも影響してきます。

また、分筆でなく寄付をすれば、道路の舗装を負担してくれる自治体もあり、セットバックが必要な土地なら検討してみるのも方法です。

ちなみに、相続時のセットバック部分の宅地の評価は、分筆しないと70%の評価減(30%の評価)となり、分筆して不特定多数の人が通行していると評価は0になります。

5.私道を作る

私道であっても、「公共の用に供する道路」であると、固定資産税は非課税となります。

たとえば、アパートの横に私道を作ることで、その土地は固定資産税を課税されません。

私道を作ると、自分で利用できる土地が減ることになりますが、それによって、住人の利便性が高まるのであれば、入居率や継続率に影響してきます。

土地があっても収益を生まなければ、固定資産税というコストは発生し続けます。

それをどう捉えるかは、経営者の考え次第です。

「行き止まり」は非課税にならない

ここで注意が必要なのが、「公共の用に供する道路」とは、「不特定多数が利用できる」状態をいうことです。

つまり、特定の人しか利用でない私道は、「公共の用に供する道路」にならないということです。

そのため、そこに住む人しか利用できない「行き止まり」の私道は、公共の道路にはならず、課税対象となりますので気をつけましょう。

まとめ

固定資産税・都市計画税を下げる方法について解説してきました。

土地はあるだけで税金というコストを発生させる資産です。

アパート経営はそれをまかなう一つの手段ですが、やり方によってはまだ下げることができます。

固定資産税・都市計画税対策を行い、減らせる節税金はしっかり減らしておきましょう。

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