生命保険は非常に使える金融商品です。

お金を残したいなら、保険を有効活用しましょう。

生命保険は必要か?

「生命保険は本当に必要?データから考える」という記事がありました。

生命保険は本当に必要?データから考える

この記事では、平成30年簡易生命表(厚生労働省)の死亡率データから、ある年齢での10万人あたりの死亡者数を割り出し、本当に死亡保障が必要かを検証しています。

記事によると、男性で30歳~35歳までにお亡くなりになる人は、10万人あたり54人~67人、55歳で338人。

その後、年齢が上がるにつれ死亡する人も増えますが、65歳時点でお亡くなりになる人は、それでも937人です。

女性になると、男性より死亡率は下がり、30歳~35歳までで28人~38人、55歳で204人、65歳になると男性の半分以下、401人となります。

つまり、死亡保障のメインとなる、子が独立するまでの保障(妻の生活費や子の学費)に関しては、ほとんどの人は存命で、実は死亡保険は払い損になっている可能性が高いということです。

もっともこの記事では、だからといって死亡保障が必要ないわけでなく、死亡リスクが0でない以上、万が一に備えて死亡保険には加入しておきましょう、ただし、掛け捨てになる可能性が高いのだから、保険料は必要最低限のものにしておきましょう、と締められています。

生命保険ほど便利な金融商品はない

わたしもこの意見に反論はありません。

もっといえば、人の寿命は長くなっている以上、高齢になってから介護や医療が必要になる、老後リスクの方に備えなくてはいけないでしょう。

そのことは別の機会に触れるとして、上記のような記事を読むと、

「掛け捨てになってもったいない」

「保険って加入する意味あるの?」

と思われるかもしれません。

しかし、生命保険という商品は、

  • 売り買いできる
  • 死亡保険金の受取人を変更できる
  • 保険商品を相続させることができる
  • 税制上の優遇を受けることができる

など、ほかの金融商品にはないメリットがあります。

このメリットを活かすことで、たとえ保険商品自体の運用利回りが低くても、税務上の優遇を受け、結果として手残りを多くすることが可能になります。

相続税の非課税枠

たとえば、生命保険の死亡保険金には次の非課税枠が設けられています。

・500万円×法廷相続人の数

法定相続人の数には相続放棄した人も含めます。

養子は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人まで法定相続人に含めることができます。

仮に相続人が妻と子2人の合計3人なら、非課税枠は1500万円となります。

もし、相続税を納めなくていけない財産がある場合、この1500万円の非課税枠は大きいでしょう。

残されたご家族は、金銭的にずい分楽になります。

非課税枠を2倍にする

ちなみに、会社が支払う死亡退職金にも、「500万円×法廷相続人の数」の非課税枠があります。

会社経営をしていて、債務が多い場合や会社の株価が高く多額な相続税が発生しそうな場合など、会社からは死亡退職金の非課税枠、個人では死亡保険金の非課税枠と2つ使えば、非課税枠を2倍利用することができます。

法廷相続人が3人なら、死亡退職金と死亡保険金で、非課税枠は3000万円になります(もっとも保険料を支払える金銭的余裕が必要になりますが)。

一時所得で税額が半額

さらに、死亡保険金は契約形態によって、「一時所得」に税区分が変更されます。

一時所得課税される契約形態は次の通りです。

  • 契約者:A
  • 被保険者:B
  • 死亡保険金受取人:A

いわゆるABA契約とも呼ばれますが、この契約形態で入ってくる死亡保険金は「一時所得」に区分され、課税は「一時所得課税」されます。

一時所得の課税金額は次の計算式で求められます。

  1. 総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
  2. 一時所得の金額×1/2=一時所得の課税金額

この計算式で算出した数字を、その年の所得税率で所得税を求めます。

計算式のむずかしい話はさておき、一時所得のおいしいところは、特別控除の50万円があることもそうですが、課税金額を半額にしてもらえることろです。

課税価格を半分にしてもらえる優遇措置などそうありません。

一時所得課税は、納税者にとってかなり有利な制度です。

名義変更しただけでは一時所得にはならない

ちなみに一時所得課税は、名義変更しただけでは一時所得にはならないので注意が必要です。

仮に次のような契約形態だった場合で

  • 契約者:父親
  • 被保険者:父親
  • 死亡保険金受取人:息子

契約者の父親が保険料を支払っていたとします。

この保険を

  • 契約者:父親⇒息子
  • 被保険者:父親
  • 死亡保険金受取人:息子

と名義変更しただけでは、一時所得とはなりません。

この場合、名義変更時点まで父親が保険料を負担していますので、死亡保険金は相続税の対象となります。

一時所得にするためには、息子が名義変更時に父親から保険を買い取る必要があります。

名義変更後に息子が支払う保険料分は、一時所得になります。

買い取り金額は、解約返戻金相当額です。

逆にいえば、保険はこのように売買ができますので、課税区分を自分にとって有利な方にすることもできるのです。

相続財産を圧縮

保険商品は不動産のように、商品そのものを相続させることができます。

たとえば、次の契約形態の保険商品の場合、一時所得課税となります。

  • 契約者:父
  • 被保険者:子
  • 死亡保険金受取人:父

しかし、父が先に死亡した場合、契約者が父から子に引き継がれます。

つまり、契約者という立場が父から子へと継承され、保険の権利関係が子に引き継がれるのです。

  • 契約者:
  • 被保険者:子
  • 死亡保険金受取人:子

まさに、父親が所有していた不動産を、子が相続で引き継ぐのと同じです。

この引き継いだ保険は、相続財産として申告しなくてはいけません。

その際の評価額は、「解約返戻金相当額」で申告することになります。

No.4660 生命保険契約に関する権利の評価

「だから何だ?」ということですが、仮に父親が保険に5000万円投資していたとしても、相続時に解約返戻金が「0円」なら、相続財産としての評価も「0円」となってしまうのです。

たとえば、低解約返戻金型の保険商品で、解約返戻金が低い期間に相続が起こった場合、息子は低い相続税評価額で保険を引き継ぐことができます。

しかしその数年後には解約返戻金はグンと高くなりますので、相続財産を圧縮して財産を渡すことも可能になるのです(もっとも、相続時期をコントロールすることはできませんが。できたらできたでそれは犯罪になってしまいます)。

まとめ

生命保険と聞くと毛嫌いする人は多いですが、保険は非常に便利な商品です。

お金を残したいなら、活用しないともったいないです、というか利用しないとお金の残り方も半減してしまいます。

生命保険は本当に必要?と聞かれれば、わたしは「必要です」と答えます。

ただし、一般的な保険の利用方法でなく、保険の使い方を熟知した場合に限りますがね。


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