妻や家族を役員にするデメリット

社長の手取りを増やす方法

妻や家族を役員にして所得分散を考えるオーナー社長は多いかと思います。

社長一人で役員報酬を受け取るより、奥様と二人で分けた方が、給与所得控除を2人分受けられる、所得税率が下がるといったメリットがあり、節税効果が生まれます。

では妻や家族を役員にすることでのデメリットはないでしょうか?

この記事では妻や家族を役員にすることでのデメリットについて解説しす。

妻や家族を役員にするデメリット

デメリット1・役員報酬を期の途中で簡単に下げられない

妻や家族を役員にするこのメリットの一つに、従業員より多く報酬を渡せるということが挙げられますが、これが逆にデメリットになることがあります。

妻や家族に高い報酬を渡せる理由

役員は雇用契約でなく、委任契約です。

雇用契約の場合は、基本時間で拘束され、その上に本人の能力などを考慮して給与が決まります。

しかし委任契約の場合は、時間に拘束されず、役員の報酬は業績の貢献度によって決められます。

そのため従業員より多く報酬を支払っても、問題にならないのです。

社長が狙う節税効果もこれで、大義名分を得て妻に報酬を多く渡すことができるというわけです。

逆にいえば、妻が従業員なのに一般の従業員に比べ3倍も給与をもらっていれば、税務調査で否認される可能性が高くなります。

定期同額給与という縛りが足かせに

ただし、この高給が業績悪化時や、売上の見通しが立ってない創業時には、逆に足かせとなってしまいます。

役員報酬を経費にするためには、「定期同額給与」といって、一定期間(月1回など)に同じ金額を支払うことが条件になります。

したがって、業績が悪くなったからといって役員報酬を期の途中で下げてしまうと、定期同額給与の条件を満たさなくなり、損金に計上できなくなってしまうのです。

定期同額給与とみなされない部分は、賞与になりますので、業績が悪化しているところに、法人税の支払いまで増えてしまうというダブルパンチを喰らってしまいます。

これが妻や家族が従業員の立場であれば、就業時間の調整などして給与を減らすことができます。

妻や家族を役員にすることで、役員報酬を下げたくても下げれなくなるというジレンマに陥る、これがデメリットの1つです。

業績悪化時に定期同額給与を守るには

ちなみに、業績悪化時に定期同額給与を守るためには、とりあえず役員へ決まった給与を支払います。

その後、役員から会社に貸し付ける(役員借入金)ことで、定期同額給与を守って、賞与にあれることを防げます。

ただし、役員借入金は金額が大きくなってくると、そのリスクも大きくなりますので、どこかで処理しなくてはいけない問題となります。

デメリット2・社会保険料が負担になる

高額な役員報酬を支払えば、それに比例して社会保険料の負担も大きくなります。

社会保険料は労使合わせて30%の負担です。

仮に50万円の役員報酬を支払えば、会社の負担する社会保険料は7万5000円になります。

・50万円×30%×1/2=7万5000円

年間にすると90万円の負担です。

起業時や業績悪化時は、社会保険料が大きな負担になります。

非常勤役員を活用する

同じ役員でも「非常勤役員」を使えば、税金や社会保険料の負担をなくすことができます。

非常勤役員は社会保険の対象でありませんので、報酬を103万円以下に設定すれば、税金も社会保険料(社会保険は扶養に入れる)も必要なくなります。

業績悪化時や創業期には、非常勤役員の活用も考えてみましょう。

非常勤役員の場合は、違う会社に働きに出ることもできますので、自由度があります。

また非常勤役員を活用すれば、家族全体の手取り収入を増やすことにも役立てられます。

まとめ

妻や家族を役員にするデメリットは、売上が減ってきたとき、あるいは創業時のように売上の見込みが立たないときに役員にすることで起こります。

そんなときは、役員よりも従業員の方がメリットが大きいといえます。

逆に業績が好調なときや、売上が安定しているときは、妻や家族を役員にする方がメリットが大きくなります。

会社の状態に合わせてベストな選択を行いましょう。

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