売上が増えることと資金繰りが楽になることは、極端にいえば別物です。

売上が増えても資金繰りは楽にならないこともありますし、その逆に売上が減っても資金繰りが改善されることはあります。

それより注目しなくてはいけないのは粗利益の額です。

売上の多寡より粗利益の多寡の方が、資金繰りに大きく影響します。

粗利益はいくらか?

売上より資金繰りと関係しているのは粗利益です。

粗利益とは、売上から仕入れ(売上原価)を引いて残る金額のことです。

別名、売上総利益ともいいます。

売上1000万円で売上原価が700万円なら、粗利益は300万円になります。

・1000万円-700万円=300万円

この300万円の中から、人件費や家賃や経費、税金を支払うことになります。

したがって粗利益が多いほどキャッシュは潤沢に残ることになります(下手な節税をしないことが条件ですが)。

こんなことは釈迦に説法ですが、粗利益の大きければ資金繰りは楽になり、反対に粗利益小さければ資金繰りは苦しくなります。

ですから、売上の多寡より、粗利益の方が資金繰りには大きく影響します。

上記の例では粗利益率30%です。

運転資金分は手元キャッシュが減る

その一方で、売上を作るためには、運転資金が必要になります。

運転資金は「売掛+在庫-買掛」の算式で求められます。

運転資金は、お金の一部が売掛や在庫に回ってしまいますので、手元にお金が入ってくるわけではありません。

つまり、運転資金の分は手元資金が不足するというわけです。

ではどれくらい運転資金に回ってしまうかといいますと、「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)」を使って計算することができます。

CCCを求める

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)とは、企業が原材料や商品仕入などへ現金を投入してから最終的に現金化されるまでの日数を示し、資金効率を見るための指標です。

この数値を出すためには、

  1. 売上債権回転期間
  2. 棚卸資産回転期間
  3. 仕入れ債務回転期間

を求めます。

1・売上債権回転期間

売上債権回転期間とは、商品を販売してから売上債権を回収するまでにかかる期間を月数または日数で示した指標です。

・売上債権÷年間売上高×365日

※売上債権=受取手形+売掛金+割引手形―前受け金

2・棚卸資産回転期間

棚卸資産回転期間は、商品を仕入れてどのくらいの月数または日数で販売できているかをみる指標です。

・棚卸資産÷年間売上原価×365日

3・仕入れ債務回転期間

仕入れ債務とは買掛金や支払手形のことで、買入債務回転率とは買入債務が年に何回転しているかを見る指標です。

・買入れ金÷年間売上原価×365日

※買入債務=支払手形+買掛金―前払い金

たとえば、売上債権回転日数が90日、棚卸資産回転日数が30日、仕入れ債務回転日数が30日だったとします。

このときのCCCは90日です。

月数にすると3か月です。

手元にお金が残らない!

CCCが3か月ということは、売上の3/12、1年間で25%の運転資金が必要ということです。

先ほどの例に挙げた企業の場合、粗利が30%しか残りません。

ということは、必要な運転資金を引いたあとは、5%しか利益が残らないということです。

ここで資金繰りを改善するなら、粗利益を増やすか、CCCを短縮しなくてはいけません。

改善策は2つ

上記の場合、仕入れ債務回転日数が短いことが挙げられます。

そこで仕入れ債務回転日数を60日に延ばすことができれあば、CCCは60日、月で計算すれば22か月になります。

そうなると、1年間の運転資金は約17%まで低下します。

したがって粗利から引いても、13%手元に残る計算です。

・30%-17%=13%

これにより、資金繰りも大幅に改善できることになります。

このように売上より粗利の方が資金繰りに影響していることがよくわかると思います。

単純なことですが、資金繰りを楽にしたければ、売上を増やすより粗利を増やすことの方が先決です。

まとめ

資金繰りと粗利益の関係について解説してきました。

運転資金まで計算すると、手元に残るお金がさほど残らないことに気づきます。

会社の存続はキャッシュで決まります。

売上高だけで資金繰りを考えると危険ということです。

資金繰りを詰まらせないためには、まずは粗利の確保が大事です。


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