会社によっては昼食に従業員に賄いを提供したり、昼食代を金銭で支給したりするような場合もあります。

このような従業員への食事や食事代の提供については、注意しなければ給与扱いされるケースがあります。

その福利厚生費になるか給与になるかのポイントについて解説します。

福利厚生費で計上するには

従業員への昼食代は福利厚生費で落とせそうに思われるかもしれませんが、無条件に支給してしまうと給与扱いとなり、源泉徴収が必要となります。

福利厚生費とは、一言でまとめると「従業員の生活向上や労働環境改善のために支出される費用」のことです。

住宅手当や通勤手当などがこれにあたります。

しかし福利厚生費と認められるには、次の2点を「必ず」満たさなくてはいけません。

1・従業員全員にが受けられること

福利厚生費の基本要件の1つ目は「全従業員が受け取れること」です。

原則として、会社が負担した費用を受け取る機会が全社員になくてはいけないのです。

一部の社員だけを対象にしているような場合は、経費として計上できません。

2・妥当な金額であること

2つ目の要件は「金額の妥当性」です。

金額の上限が定められているわけではありませんが、常識を逸脱するほど高額である場合は福利厚生費として認められない可能性が高くなります。

福利厚生費として経費に計上するには、まずこの2点の要件を満たさなくてはいけません。

そのうえで昼食代を福利厚生費とするには、さらに2つの条件を揃えなくてはならないのです。

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昼食代を福利厚生費にするには

  1. 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
  2. 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。(食事の価額) – (役員や使用人が負担している金額)

引用元:No.2594 食事を支給したとき

この2つはどちらの条件とも満たさなくてはいけません。

どちらか一方では福利厚生費とならないので注意しましょう(厳密にいえば、全従業員が参加、妥当な金額であること、という2つを加えた4つです)。

※個人事業主本人に対するもの、一人会社の場合は、食事は食事、個人的な支出となります。

3500円は税抜き価格

基準となる3500円は消費税は「税抜き価格」です。

消費税が8%の場合は、3780円までならOKとなります。

会社が税込みの経理処理をしていても、3500円の判定は税抜き価格となりますので注意しましょう。

福利厚生費として認められる金額

では実際に福利厚生費で計上できる金額を計算してみます。

1か月6000円の昼食代を会社が支給していて、役員や従業員が3000円の負担をしている場合。

・6000円-3000円=3000円

  • 条件1・役員・従業員が半額以上負担している
  • 条件2・会社の負担する金額が3500円以下

上記の条件をすべて満たしているので、会社が負担した3000円は福利厚生費として計上できます。

なおここでいう食事の価額は、次の金額になります。

  • 仕出し弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
  • 社員食堂で会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

昼食を作るための人件費や、建物の家賃又は減価償却費、食器代や電気代などの経費は、昼食代には含めませんので注意しましょう。

給与扱いされる場合

1か月当たりの食事代が5000円で、役員や使用人の負担している金額が2000円の場合。

このケースでは、「役員・従業員が食事代の半分以上負担している」という条件を満たしていません。

したがって、食事の価額の5000円と役員・従業員の負担している金額の2000円との差額の3000円が給与として課税されます。

現金を支給した場合

現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり300円(税抜き)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。

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無料のまかないはどうなる?

飲食店などの場合は、従業員にまかないを出すことがあります。

このまかないを「自社で作ったものだから」と無料で従業員にサービスしたときはどうなるでしょう?

食事についての基本的な考え方は、食事は誰でも行うものですから、個人的負担が原則です。

ですから無料でまかないを提供した場合には、従業員の給与となります。

「まかないくらいサービスしてくれてもいいのに」と従業員からいわれたときは、給与扱いになるときちんと説明してあげましょう。

そうじゃないと、ただのケチと思われます。

消費税の取り扱い

会社が福利厚生の一環として従業員に対して食事の提供を行う場合、事業者の負担の仕方にはいくつかの方法があります。

それにより消費税の取扱いも異なり、次のようになります。

1・直営給食施設や委託給食施設において従業員に無償で食事を提供した場合には、対価の授受がありませんので資産の譲渡には該当しません。

したがって、消費税の課税関係は生じません。

2・直営給食施設や委託給食施設において代金を徴収して食事を提供した場合には、従業員から徴収する食事代金が課税資産の譲渡の対価に該当しますので消費税の課税の対象となります。

この場合、その食事代金が一般の市場価格に比べて安い価格になっているかどうかは関係ありません。

なお、上記1及び2の場合に事業者が負担することになる直営給食施設の維持費用、例えば原材料の購入代金や水道光熱費、委託給食施設の運営費は課税仕入れとなります。

ただし、直営給食施設の費用のうち施設の従業員に支払う給与は課税仕入れに該当しません。

3・外部の特定の食堂と契約し、従業員に対してその食堂で利用できる食券を無償で交付した場合には、従業員との間では対価の授受がないため消費税の課税関係は生じません。

一方、この食券を無償ではなく一部有償で販売した場合には、従業員から徴収した食券の代金が資産の譲渡の対価に該当しますので消費税の課税の対象となります。

ただし、従業員から受け取った食券の代金を預り金として処理し、契約食堂に支払う代金の一部に充当している場合には課税の対象とはなりません。

なお、事業者が契約食堂に従業員の食事代金の全部又は一部を支払っているときは、その金額は課税仕入れに該当します。

ただし、従業員から徴収した代金を預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となります。

No.6471 従業員の食事代の負担など

弁当代を会社が負担した場合などは、徴収した弁当代を課税売上とすることで、消費税額が控除されることになります。

食事代に関する福利厚生規定を作っておく

食事代に関する規定は、税務調査で給与認定されないためにも、福利厚生規程の中に規定を設けておきましょう。

規定通りに運用すれば、税務知識がない経理の方でも、税務条件を満たした運用ができるというメリットがあります。

まとめ

昼食代を福利厚生費として計上するための条件について解説してきました。

昼食代を支給すれば従業員には喜ばれますが、実際は上限を超えると給与扱いとなってしまいます。

昼食代も限度を超えたものは、福利厚生費とならないと覚えておきましょう。

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