オーナー社長はお金を貯めることが「命題」

オーナー社長にとってお金を増やすことは「命題」といっても過言ではありません。

事業を行っていれば運転資金の確保でお金は常に必要です。

さらに会社が万が一のことがあれば、個人資産からお金を投入せざるを得なくなります。

にもかかわらず、「稼いでもお金が残らない」、これが最大の悩みの一つです。

しかし、ご安心下さい、あなたはオーナー経営者です。

オーナー経営者は「法人(会社)」というキャッシュを生み出す装置があります。

この法人というキャッシュ増幅器を使えば、あなたのお金はサラリーマンなどと比べてみるみるうちに増やすことが可能になります。

オーナー経営者はサラリーマンよりお金の悩みは倍以上深いですが、それ以上のお金を増やす対策をいくつも打てることができることを忘れないでください。

ではオーナー経営者が法人を使ってお金を貯める仕組みについて解説していきます。

オーナー経営者だからできる最強のお金の増やし方

法人を使うとお金が貯められる理由は「税率を下げられる」からです。

個人の所得に課せられる税金は所得税です。

所得税は「超過累進税率」といって所得が高くなるほど、税率が高くなる仕組みです。

最高税率は45%で、住民税(10%)を加えれば所得の55%は税金で持っていかれてしまいます(これに社会保険料が約15%加わります)。

四公六民といわれた江戸時代より、現代の方が税金(年貢)ははるかに重いのです。

それに対し法人税は比例税率(課税標準の大きさに関係なく一定の比率を適用する税率のこと)になり、儲けが増えたからといって、急激に税金が増加することはありません(下記は資本金1億円以下の法人の税率)。

そして個人と法人では税率の差があり、個人の超過累進税率が一定の額を超えると、法人の税率の方が低くなります。

したがって、個人の所得が多くなるほど、会社にお金を残した方が、税金の負担は少なくなり、その結果としてキャッシュを多く残せるのです。

たとえば売上が5000万円、経費が2000万円のケースで考えてみましょう。

これが個人事業主の場合だと、所得が3000万円になり、税金は住民税も含むと、50%の1500万円になります。

その一方で法人の場合は、同じ条件でも手残りの額は増えます。

売上げ5000万円、経費2000万円で、残り3000万円を役員報酬として受け取った場合、「給与所得控除(非課税枠)」を受けることができます。

給与所得控除はサラリーマンの経費のようなもので、給与の額によって一定額の控除額が認められています。

3000万円の場合、受けられる給与所得控除は220万円となりますので、

・3000万円-220万円=2780万円(課税所得)

・2780万円×50%=1390万円(税金)

・3000万円-1390万円=1610万円(手取り)

となり、個人事業の場合に比べ、110万円も手取りが増えることになります。

次に3000万円の収入を個人と法人に分散したケースを考えてみます。

たとえば、役員報酬を2000万円、残りの1000万円を会社に残します。

法人の税率は33.8%になりますので、税引き後は

・1000万円-(1-33.8%)­=662万円

となります。

オーナー経営者の手取りは

・2000万円-220万円(給与所得控除)=1780万円(課税所得)

・1780万円×50%=890万円(税金)

・2000万円-890万円=1110万円(手取り)

となります。

法人と個人の手残りを合わせると、合計は1772万円になります。

・662万円+1110万円=1772万円

つまり法人に残した方がお金は増えるというわけです。


法人のメリット

さらに法人には次のようなメリットがあります。

1・役員給与を通じて所得分散できる

配偶者、両親、子といった同族関係者を役員にすることで、役員報酬を支給することができます(適正な範囲で)。

これにより所得が分散され、個人の超過累進税率が低くなっていきます。

仮に所得が2000万円の場合、所得税は40%にもなります。

しかし子と配偶者、自分の3人でこの2000万円の所得を分配すれば、個人の超過累進税率が緩和され、所得税を抑えることができます。

役員一人で2000万円の所得がある場合

・2000万円×40%=800万円

役員3人で2000万円の所得を分散する場合

・800万円×23%=184万円

・600万円×20%=120万円×2人=240万円

・184万円+240万円=424万円

一人で2000万円の所得があるよりも、3人で分散した方が所得税を半分近く減らすことができます。

※わかりやすくするため、住民税・給与所得控除・その他の控除は考慮していません。

2・役員給与に対する給与所得控除

先述した通り役員給与に対しては給与所得控除の適用を受けられます。

たとえば600万円の役員給与の場合、174万円の給与所得控除を受けられます(600万円×20%+54万円)。

給与所得控除は、給与に対する概算経費で非課税になります。

仮に役員給与600万円の役員が2人いれば、348万円(174万×2人)の非課税枠が得られます。

子や配偶者に役員報酬を支払うことで、所得が分散して個人の超過累進税率が緩和され、その結果、トータルの所得税を低く抑えられます。

社会保険料対策もある

しかし、子や配偶者に役員報酬を支払えば、それに付随して社会保険料も発生します。

社会保険料は労使折半で約30%にもなり、その負担はかなりのものです。

個人の負担は半分の15%になります。

たしかに所得の分散をすれば所得税は減るかもしれませんが、子と配偶者の社会保険料の負担が一気に増えることを忘れてはいけません。

ただし法人には法人ならではの方法で、社会保険料対策を行うことができます。

社会保険料は給与の総支給額で保険料が決まります。

仮に役員報酬が月額30万円なら報酬月額の欄で該当する範囲を見つけます(この場合290000円家ら310000円)。

これにより標準報酬月額の等級と月額が決まり、あとは決定した標準報酬月額に保険料率を掛ければ健康保険料と厚生年金保険料が求められます。

そして社会保険料には「賃金総額に含まれるもの」と「賃金総額に含まれないもの」の2つがあります。

このとき「賃金総額に含まれないもの」で受取れば、社会保険の対象にはなりません。

上記の例でいえば、役員報酬30万円とは別に、「賃金総額に含まれないもの」で会社から10万円の支給を受ければ、実質の総支給は40万円でも社会保険料の等級は27に上がらないのです。

その結果、社会保険料を抑えたまま所得を増やすことが可能になります。

<総支給40万円の場合>

・20295円(健康保険料)+37515円(厚生年金保険料)=57810円

<総支給40万円(内賃金総額に含まれないもので10万円支給)の場合>

・14815円(健康保険料)+27450円(厚生年金保険料)=42265円

両者の差額は

・57810円-42265円=15545円

となり、この分手取りが増えるというわけです。

年間にすれば186540円の差が付きます。

子と配偶者に役員報酬を支払う場合でも、こういったことを知っておけば、社会保険料を上げることなく所得分散することが可能になります。

問題は何をもって「賃金総額に含まれないもの」で支給するかになりますが、このとき使うのは生命保険です。

3・相続財産の増加の防止

個人の所得を会社に分散させることで、個人の金融資産の増加を防げます。

これにより将来の相続税が軽減されます。

また役員給与を子や配偶者に支給することで、預貯金を貯められることができ、そのお金で相続税の納税資金を準備できます。

事業承継を視野に入れるなら「持ち株会社」の設立も視野に入れるべきです。

4・借上げ社宅制度などを導入し個人負担を最小にできる

法人契約の社宅を役員・社員に貸出し、家賃の一部を負担(1割~2割程度)してもらうことで、最小の費用で住むことなど、個人の負担を抑えることができます。

家賃以外にもこれまで個人で負担してきたものを、法人の経費で計上することも可能になります。

たとえば、車にかかる費用、新聞・書籍代、通信費、固定資産税、家の修繕費など、事業に要したという名目が立てば、会社の経費として計上できるのです。

極端なことをいえば、1円の所得税を払わずに済んでしまい、会社と個人にお金をストックしていくことができます。

お金を増やす方法はたくさんありますが、どれも確実性はありませんが、「無駄な支出」をなくせば、お金は確実に貯まります。

法人で節税と社保削減を行うことで無駄な支出をなくし、確実にお金をストックできます。

このような対策を行うことで、法人にお金を「効率良く」貯めていくことができます。

お金を倍速で増やすには法人で運用

ところで、毎年法人にストックされていくお金はどうするべきでしょう?

手元にキャッシュとして置いておき、いつでも引き出せるようにしておくのは経営戦略として重要です。

これは「絶対に」しておかなくてはいけない経営課題です。

しかしキャッシュでストックしておく場合、

  • 簡単に使ってしまうことができる
  • 銀行に預けておいても増えない

というデメリットがあります。

手元に現金があれば気が緩んで使ってしまうのが人間です。

せっかく節税や社会保険料を削減して手元資金を増やしても、その傍からお金を使ってしまっては何の意味もありません。

また銀行に預けておいても、金利ではほとんど増えないのが現実です。

繰り返しますが、オーナー経営者は事業が順調でも、緊急時に備えてや、事業承継・相続時に多額のお金が必要になります。

また経営者個人の老後の資金も準備しておかなくてはいけません。

であるなら、お金が効率よく増える仕組みを取り入れることが大事だと思いませんか?

お金を増やす絶対法則

お金を増やす絶対法則に「複利」があります。

複利とは「当初預けた元本についた利息をどんどん元本に組み入れて新たな元本とし、利息を再運用する方法」です。

利息が元手を増やし、雪だるま式でお金が増えていくイメージです。

金融商品につく金利には「単利」と「複利」があり、複利の方が圧倒的に増えるスピードが速いのです。

ではどれくらい違うか実際に計算してみましょう。

「単利」とは、当初預けた元本に対してのみ利息がつきます。

利息を再運用することはしません。

<単利の増え方>

元本100万円を、年利7%で運用した場合

<複利の増え方>

元本100万円を、年利7%で運用した場合

単利と複利を比べると3年目では、複利の方が約1.5万円も得をすることになります。

この差が積み重なると、雪だるま式に差が出てくるのです。

100万円を7%で40年間運用した場合の、単利と複利の受取額を比較してみましょう。

単利の場合、7万円の利息×40年=280万円で元利合計(元本と利息を合わせた合計)は380万円に過ぎません。(約3.8倍)

一方、複利の場合、10年を過ぎたあたりから差がつき始め、利息部分が13,974,458円、元利合計で14,974,458円に増えています。(約14.9倍)

複利の方が得なことがよくわかると思います。

金利を味方につけ、さらに運用額が大きくなれば、同じ期間でもお金の増えるスピードも速くなります。

法人の方が運用に有利

そこでよく考えていただきたいのです。

法人に残したお金は、個人の所得税率と法人税率の差額の分だけ得しています。

2000万円を運用の原資にする場合を考えてみましょう。

個人では税率は50%なので、個人に所得移転して原資にできるお金は1000万円になります。

それに対し法人税率は33.8%ですから、1324万円残ります。

つまり、運用のスタートの時点で324万円もの差がついているのです。

さらにここから複利の効果が加わると、法人で金融資産を運用した方が圧倒的に有利であることがわかります。

もちろん運用するお金は余裕資金を投入することが前提です。

運転資金に回さなくても大丈夫なお金で投資する必要があります。

そして金融商品も株などの投機性のあるものでなく、元本を減らすことなく長期的にみてしっかり貯まるものを選びます。

たとえば株などの価格の乱高下の激しいものに投資してしまえば、会社の資産が大きく元本割れする可能性も出てきます。

それに何より、株価が気になって本業に集中できないとなれば本末転倒です。

会社にストックするお金は、緊急時や事業承継時、老後資金に必要なお金ですから、「勝つ」ことより「負けない」ことを重視するのが大切です。

ただし、会社に残ったお金は、「会社のためにしか使えない」という縛りがあります。

会社のお金を無理やりオーナー経営者に所得移転しようとすれば、「役員賞与」や「役員貸付金」となり、税金を思いっきり課せられたり、借金という形で負債を負うことになったりします。

このような事態を招かないためには、法人に残したお金を「どう個人へ所得移転するか」まで考えておく必要があるのです。

そこで利用するのが「役員報酬」です。

役員報酬を見直して手取りを最大化する

役員報酬を見直せば、低い所得税の税率で資金を移転することが、結果として手取りを増やすことができます。

それは5年で1000万円増やすことも可能です。

事実、

・社長(43歳)役員報酬:600万円
・妻(39歳)役員報酬:350万円
・ご子息:13歳、10歳

社保削減スキームと節税プランを組み合わせると、次のようになります。

社長の手取り収入:役員報酬を480万円に下げても、年間297万円増、5年間では1488万円増

法人とのトータルでは、年間約133万円、5年間では666万円の経済効果があります。

※手取り収入は条件によって変わります。ケーススタディは効果を保証するものではありませんので、あらかじめご了承下さい。

このようにして、役員報酬を見直して会社からオーナー社長個人へ所得移転することで、最も税負担の少ない形でお金を増やすことができます。

役員報酬の見直しが確実にお金を増やす社長の資産倍増法の第一歩です。

まとめ

個人への税負担は増え、社会保険料の支払いも重くなってきました。

オーナー社長がこれまで通りにやっていても、お金は増えないのです。

にもかかわらず、オーナー社長には仕事でもプライベートでも「お金を増やさないといけない」という命題があります。

そのためには法人を活用するのが確実にお金を増やす方法なのです。

最後まで長文にお付き合いくださり、まことにありがとうございました。


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