集客のために無料試食会や無料体験レッスンなどを行う事業主がいらっしゃいます。
この試食会や体験レッスンなどのお試しは経費として計上することができるでしょうか?
結論からいえば、試食会や体験レッスンにかかる費用は「広告費」として計上できます。
無料の集客費用は経費になるか?
集客において「無料」は一つの武器になります。
たとえばいきなり有料の英語レッスンに申し込むのは、お客様にとってかなり高いハードルです。
やはりどんな教師がいてどんな雰囲気か、自分に身につけられそうかなどわからないのに、入会金○万円、月々いくらでございますなどといわれたところで、はいそうですか、とはなりません。
そこで無料のお試しです。
有料は警戒心が高いですが、無料なら警戒心も低くなります。
そこで1時間でも、1日でも、1週間でも、無料体験で通っていただければ、いろいろなことが分かり本申し込みもしやすくなるというわけです。
とはいえ、主催者側は集客の一環とはいえ、そこには必ず費用が発生します。
たとえばレストランが新メニューの試食会を開けば、原材料費はかかりますし、お友達にも配っていただくお土産なども必要になります。
英語教室だって料理教室だって、無料の体験レッスンを開催すれば、テキスト代や材料費、どこかの部屋を借りるのであれば部屋代も発生します。
試食会・無料体験レッスンの費用は広告宣伝費
このような費用は考えによっては、お客様を接待する交際費として処理するのが良いのかとも思えます。
交際費とは「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます」と規定されています。
これを見ると試食会や無料体験レッスンは、お客様をもてなしお土産などの贈答もあるので、交際費が適切と思えてしまいます。
しかし試食会の費用やお持ち帰り用のお土産は、接待することが目的でなく、広く「商品の良さを知ってもらう」ことが目的なので、広告宣伝費として経費にすることができるのです。
無料体験レッスンの場合も同じ考えが適用されます。
したがってテキスト代などは広告宣伝費として処理します。
ちなみに、交際費には損金に計上できる額に上限があります。
中小企業の場合、
- 年間800万円まで損金算入
- 飲食その他これに類するもの(接待飲食費)の50%が損金算入
の2択から選ぶことができます。
800万円の交際費を使う企業はよっぽどだと思いますが、試食会や無料体験レッスンの費用を広告宣伝費に計上できれば、交際費の枠を上限まで使いきることができます。
まとめ
試食会や体験レッスンを開催する費用は広告宣伝費として計上できます。
しっかり利用して自社の商品・サービスを広めましょう。
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