人手不足の解消にアウトソーシング(外注化)を考える企業は増えています。

アウトソーシングを導入した企業へのアンケートによると、外注化を検討したきっかけのベスト3は、「人手不足」「業務効率化」「コスト削減」となっています。

人手不足が進行する中、人の採用もままならなくなっています。

それならば業務の外注化もやむを得ない選択です。

アウトソーシングとは

アウトソーシングは外部(アウト)からの調達(ソーシング)を意味します。

本来は企業が外部から購入するものはアウトソーシングとなりますが、一般的には、仕事を担う人やサービスを契約によって外部から調達し、社内の業務のを行ってもらう手法です。

社内に技術が不足している場合、コストカットや業務の効率化のためにアウトソーシングは活用されてきましたが、今は人手不足の解消にも利用されるようになりました。

ではアウトソーシング(外注化)とインソーシング(内製化)ではどのような違いがあるのでしょう?

それぞれのメリットとデメリットを見ていきます。

アウトソーシングのメリット・デメリット

自社のコアな業務に集中できる

毎月ルーティン作業となっている業務をアウトソース化することで、創造性が必要な作業に時間を割けたり、売上に直結するような業務に労力を集中できます。

たとえば給与計算などの事務ワークなどは外注化に適しています。

給与計算も大事な仕事ですが、それが利益を稼いでいるかといえばそんなことはありません。

これを労働分配率で考えてみましょう。

粗利益が3000万円の会社で人件費が1800万円、うち給与計算に関わる人件費が300万円だったとします。

現在の労働分配率は60%です。

・1800万円÷3000万円×100=60%

これを給与に関わる人件費をアウトソーシング化することで労働分配率は50%に下げられます。

・(1800万円-300万円)÷3000万円×100=50%

これまで給与計算に関わっていた従業員を配置転換することで、より柔軟に有効活用できます(あくまで理想はですが)。

ちなみに同じ人件費1800万円で労働分配率50%を達成するためには、3600万円の粗利益が必要です。

・1800万円÷50%=3600万円

業務の効率化や高品質化

アウトソーシングは、自社で不足している技術を補うことでも使われます。

自社より優れたノウハウや技術を持っている会社に業務をアウトソースすることで、高品質な商品やサービスを提供できるようになります。

これにより優秀な人材の確保が難しても、外部の専門家に依頼するこでクオリティの高いものを提供できすること、企業間競争にも役立ちます。

コスト削減になる

アウトソーシングすることで、自社で内製化するより、業務のコストを削減することができる場合があります。

またアウトソーシングする企業は、その業務全体を見直すことになりますので、アウトソーシング自体が無駄な業務の削減のきっかけになります。

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングしたノウハウが自社に蓄積されない

自社の業務の一部をアウトソーシングすることで、コストカットや業務の効率化を行うことができす。

しかしそれと同時にアウトソーシングした業務については、自社で行わないため、その業務のノウハウは自社に貯まらないことになります。

高度なノウハウを蓄積し、他企業との競争力の差をつけるといった経営戦略があるときは、その業務につて外注化は不向きだといえます。

自社特有の事情に対応できない

自社の業務が独自のノウハウで運用されている場合、外部企業の対応がむずかしくなります。

一般的にアウトソーシングを提供している企業は、その業務を標準化した手順に沿って行えるようにしています。

その標準化した手順から外れる場合は、そのすり合わせのためコストがアップしてしまいます。

自社独特の方法で行うような業務の場合は、アウトソーシングには不向きです。

業務フローにブラックボックスができる

自社の業務を他社にアウトソーシングすれば、その業務の中身をみることができなくなります。

仮にアウトソーシング先で無駄なコストが発生していたとしても、そのことを自社で把握することはむずかしくなるでしょう。

その結果、アウトソーシング化した業務に、ブラックボックスが生じてしまいます。

ブラックボックス化した業務の事態を把握できないというリスクがあります。

インソーシングのメリット

育てた技術やノウハウを蓄積できる

高度な技術やノウハウなど、育てたものを社内で蓄積できます。

技術やノウハウを育てることは、コストがかかったり、長い期間を必要とします。

しかしその分、高品質化された商品やサービスが企業の競争力となります。

人財という経営資源が蓄積され、技術も継承されることが内製化の強みです。

業務がスピーディーに行える

業務を外部へ委託、また外部から納品されるという工程を省略化できます。

システム構築や、自社のオウンドメディアの設計など、計画立案から実際の構築までのすべてを自社内で行えるのであれば、意思の疎通もその場ででき、業務をスピーディーに行えます。

費用対効果を得られる

専門性の高い業務をインソーシングできると、大きなコスト削減につながります。

専門性の高い業務を外部の専門家にアウトソーシングすると、業務の専門性が高ければ高いほど、予算を大きくとられることになります。

自社で行えるようになれば、そのコストをカットできます。

インソーシングのデメリット

技術者を育てるコストと時間がかかる

高度な技術やノウハウを現場で使えるようになるには、社内でそれを担う人材が必要になります。

人財を育てるには、コストや時間がかかります。

社内で業務をこなすことができないのに、外注化を辞めてしまえば、業務が滞ったり、最悪は取引中止といったことにもなりかねません。

人財を育てるため、雇用からはじまり訓練と、その間のコストと時間を割かなくてはいけません。

雇用コストが負担になる

人を雇用すればコストがかかります。

その負担は年々重くなっています。

給与はもちろん、最近では社会保険料もアップしています。

会社側の負担は労使折半ですので、給料の約15%になります。

20万円で人を雇えば、会社の負担する社会保険両は3万円になります。

これは大きな負担です。

さらに2021年4月からは「同一労働同一賃金」の法改正がスタートします。

パート社員・派遣社員・契約社員にも、同じ職務内容なら正社員と同じ賃金を支払うことが求められます。

ますます人を雇用するコストは増えることになります。

業務を内製化する場合、雇用しても利益が出る体制がより求められるようになります。

人件費の負担はこれから増える

アウトソーシングにもインソーシングにも、それぞれメリットとデメリットがあります。

ただこのまま人手不足が進んでくれば、アウトソーシングに頼らざる得ない状況も生まれてきます。

とくに資金的余裕のない企業にとっては、2021年4月施行の「同一労働同一賃金」の法改正がその契機になるのではないかと予想しております。

同一労働同一賃金のルール化により、企業が負担する人件費は間違いなく上がるでしょう。

上げたくなかったら正社員の待遇を下げなくてはいけませんが、労使で合意を得なくてはいけないことを考えれば、それは容易なことではないはずです。

これに加えて社会保険料の負担も企業の資金繰りを傷めます。

となると、人件費増大による資金負担に耐えられない企業は、おのずと外注化に走ることになるでしょう。

外注化がいいかわるかでなく、そうしないと生き残れないのですから。

今後はアウトソーシングを賢く利用しないといけなくなります。

まとめ

人手不足と人件費増大で、アウトソーシングする企業は増えるというのが、私の見解です。

利用せざるを得ないなら、アウトソーシングとインソーシングのメリット・デメリットを比較して、自社の経営戦略に合致しているかどうか検討して、どちらかを選びたいものです。


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