お金を会社に残すべきか、それとも個人へ移すべきか、社長なら一度は考えたことのある問題です。

税率だけを考えたら、個人に移すより会社にお金を残した方が手元キャッシュは増えます。

最近では税に加えて社会保険料の負担も重くなりましたので、悲しいかな、個人にお金を移してもそれほど所得はそれほど増えないのが現実です。

とはいえ、売上が増えればこれまでの努力が実ったわけですから、役員報酬を増やしたいというのが人情です。

しかし役員報酬を増やした場合、税率だけでなく、「過大な部分は否認される」という問題が出てきます。

ただ単に役員報酬を上げても意味ないのです。

社長の手取りを最大化するなら、最終的な所得移転の方法まで考えておく必要があります。

高額な役員報酬のリスク

役員への報酬はいくら支払っても問題ないというわけではありません。

役員報酬を多額にすれば法人の利益も小さくすることができますし(その分個人の所得税で取られるわけですが)、税法上、高額の役員給与は損金にならないとなっています。

損金とならない役員給与は、あくまで「不相当に高額な部分」についてですので、高額な役員報酬全額が損金とならないわけではありませんので、誤解ないようにしておきましょう。

とはいえ、過大と否認された役員報酬は、損金に計上できませんので、法人側は法人税に加え過少申告加算税や延滞税が追徴されます。

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役員報酬が過大かどうかの4つの判定基準

では役員報酬が過大かどうか判定される基準はどんなものでしょう。

それは次の4つです。

  1. 役員の実際の職務の内容
  2. 法人の収入・利益
  3. 従業員に対する給料の支給状況
  4. 類似業種、同規模等の役員報酬の支給状況

この4つの基準に照らし合わせて役員報酬が過大かどうか決まります。

役員報酬額を大幅に増やしたいときは、役員の職務内容がその報酬額に見合うほどの特殊な何かがあるのか、従業員と比べ差額がありすぎないか、同業と比べてどうなのか、など、納得させる根拠が必要となります。

ちなみに、会社の利益が黒字か赤字かは関係ありませんので、黒字であっても赤字であっても、上記4つの基準で役員報酬が過大かどうかが判定されます。

部分的な最適解では失敗する

役員報酬を増額してはダメだということではないですが、しっかりした根拠を提示しないと、否認されて元の木阿弥どころかマイナスになってしまいます。

役員報酬を増額するときは慎重な判断が必要になるのです。

となれば会社と個人でどちらがお金が残るかも、部分的な最適解といえます。

個人にお金を残した方が有利な場合でも、役員報酬が否認されてしまったら、これは大きなリスクです。

そういう意味では、役員報酬以外の形で、いかに所得移転を行うかは、手取りを増やすうえで重要になります。

会社にお金を残して手取りを増やすスキーム

否認のリスクを考えると、役員報酬はある程度抑えて会社にお金を残し、それを上手に個人へ所得移転することを考える必要が出てきます。

一時的な所得がどうなるかということではなく、計画的に考えてトータルで所得を増やすということです。

ちなみに所得移転の方法は退職金を使います。

退職金は税額控除が大きいので、会社に残したお金を個人へ大きく所得移転するには最適です(というか、むしろ退職金を使うしかありません)。

会社の方が税負担も少ないわけで、資金効率の面から考えても、役員報酬で毎月所得移転するより手残りのお金は多くなります。

まとめ

役員報酬を高額に増やすには、否認のリスクも増大することを忘れてはいけません。

そのリスクも踏まえて役員報酬額を設定しないと、何の意味もなくなってしまいます。

会社にお金を残すか、それとも個人が取った方がお金が残るのか、そこだけ考えてもこれもまた意味のないことなのです。

社長の手元キャッシュを最大化するためには税法上のリスクも考慮しておかなくてはいけないのです。

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