
助成金は返済不要のお金です。
これは中小企業にとって魅力的なお金です。
ただしそこに付け込んで詐欺行為を働く詐欺業者がいるのも事実です。
助成金は虚偽の書類を申告するだけで犯罪に罰せられる可能性があります。
助成金詐欺業者の甘い言葉に惑わされないようにしましょう。
不正受給とみなされると悪意がなくてもキツいペナルティを受けます。
助成金詐欺のパターン
助成金詐欺のパターンは大きくいって3つです。
不正受給を促すパターン
助成金を受給する目的で、虚偽の書類を作成するなどして、とにかく助成金を受給させようとするパターンです。
「助成金に詳しく、たくさん受け取る方法や助成金を知っている」
「他の事業主はみんなこのように賢くやっている」
などとささやいて、事業主に詐欺の片棒を担がせます。
虚偽申告を知って協力していたならもちろん共犯ですが、知らなくてもいわれるまま書類を作成していたら不正受給に当たる可能性があります。
助成金には「より多くの助成金をうまくもらえる、かしこい方法」はないことを忘れないようにしましょう。
前金持ち逃げパターン
高額の着手金を受け取って、実際には業務には着手せず、そのまま何もしないで逃げてしまうパターンです。
抱き合わせ水増しパターン
助成金と抱き合わせで自社の商品・サービスを水増しで購入させるパターンです。
助成金の中にはコンサルに業務改善を委託することで受給できるものもありますが、たとえば実際には50万円しかかかっていないものを、80万円の水増しで業務を請け負った形にします。
その水増し費用を持って助成金を申請するというわけです。
こちらも協力して申請したなら共犯ですし、知らなくても不正受給とみなされる可能性があります。
詐欺業者の常とうセールストーク
詐欺業者のセールストークは、とにかく「簡単」であることが強調されます。
たとえば
- 雇用保険の対象者が1人以上いる
- 労働保険料を滞納してない
- 最近会社都合の退職者を出してない
このような簡単な設問を出して、「以上に当てはまらなければ助成金を受給できる可能性があります」と、いかにも助成金の受給条件が簡単だと思わせます。
上記の条件は間違いではありませんが、これだけで助成金が受給できるものでもありません。
助成金の受給要件はもっと細かく決められているので、受給できるかどうかは社会保険労務士などの専門家にきちんと確かめなくてはいけないのです。
ここでの詐欺業者の狙いは「これで受け取れるなら申請しないと損」と思わせることです。
業者とのコンタクトの後に、「助成金に詳しく、たくさん受け取る方法や助成金を知っている」などと甘い言葉で誘いだしたら、詐欺を警戒した方がいいでしょう。
詐欺業者の見分け方
詐欺業者の見分け方は、「助成金の受給は簡単」「助成金はどんな企業でも受け取れる」「助成金にはたくさん受け取れる方法(または助成金)がある」「助成金を申請すれば儲かる」など、耳障りの良い言葉を並べてくることです。
繰り返しますが、助成金には「より多くの助成金をうまくもらえる、かしこい方法」は存在しません。
存在しないものをあたかも存在するように謳うのが詐欺業者の特徴です。
このようなセールストークをする業者は、詐欺を疑った方がいいでしょう。
詐欺の片棒を担がされるか、前金を入金したとたんドロンされてしまいます。
助成金の受給は簡単ではない
助成金の受給は簡単ではありません。
最近では不正受給の増加を受け、助成金の審査は厳しくなっています。
従業員への聞き取り調査や、書類の整合性など細かいチェックを受け、そこから虚偽申告が発覚したりします。
さらに申請書類もたくさん用意しなくてはいけません。
その書類の一つ一つも、受給条件をクリアしているかチェックしなくてはいけないのです。
簡単に受け取れる助成金など存在しないことを知っておきましょう。
不正受給には重いペナルティがある
助成金の不正受給には重いペナルティがあります。
- 不正受給をした助成金の返還を求められる
- 事業所名が公表される(事業主の名称、代表者名、事業所の名称、所在地、不正受給の金額、内容)
- 3年間は雇用保険を財源としたすべての助成金を利用できなくなる
- 悪質とみなされると労働局により詐欺罪で刑事告発される
助成金の申請・書類作成代行ができるのは社会保険労務士だけ
助成金の申請書類の作成や申請の代行ができるのは、社会保険労務士だけです。
業者には「申請するのは社会保険労務士の先生ですか?」と、必ず確認するようにしましょう。
社労士資格のない業者自身が申請代行を行うと法律違反になります。
まとめ
助成金の受給に甘い話はありません。
「助成金の受給は簡単」「助成金はどんな企業でも受け取れる」「助成金にはたくさん受け取れる方法(または助成金)がある」「助成金を申請すれば儲かる」などといわれると、気持ちが揺らいでしまうかもしれません。
しかしそんなときこそ、「より多くの助成金をうまくもらえる、かしこい方法」は存在しないことを思い出してほしいのです。
不正受給といわないまでも、助成金を受取りたいがために、人事制度を無理やり変更したり、雇わなくてもよい人を雇ったり、社員に必要ない研修を受けさせたりすれば、会社の運営に歪が出ます。
これでは本末転倒です。
助成金は会社の経営を良くするために受けるものです。
詐欺業者の甘い言葉に惑わされないで、会社の成長のための助成金を役立てましょう。
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