美容院・理容院は開業には設備投資や店舗費用など、多くのお金がかかります。

美容院・理容院の開業資金は日本政策金融公庫などからの融資もありますが、ここで利用しておきたいのが助成金です。

この記事では美容院・理容院が活用したい助成金について解説します。

助成金とは

助成金は厚生労働者が支給するものと市町村などの地方公共団体が支給するものの2種類があります。

ここで解説する助成金は厚生労働省が支給するものをいいます。

助成金は厚生労働省が管轄するものなので、主に新しく雇用したり、従業員の労働環境を改善したときなどに受給することができます。

助成金は融資などとは違い返済不要のお金でです。

設備投資に多くのお金がかかる美容院・理容院にとっては助成金は魅力的です。

また使い道に制限もなく、仮に助成金を50万円受け取ったとして、そのうち費用が30万円しかかかってない場合でも、残りの20万円の使い道については自由になります。

たとえば20万円でほかの設備を購入してもかまわないのです。

ちなみに助成金と補助金は違いますので混同しないようにしましょう。

助成金を受給できる美容院・理容院

助成金は誰でも受け取ることのできるお金ではありません。

受給するには次の要件を満たさなくてはいけません。

1・雇用保険適用事業所の事業主であること

助成金の財源は雇用保険から出されています。

そのため雇用保険加入の事業主であるこが第一条件になります。

2・支給のための審査に協力すること

助成金は公的なお金でもありますし、不正受給をする企業が後を絶たないため、申請した内容で間違いがないか厳しく審査されます。

そのための審査に協力することが必要になります。

  1. 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備、保管していること
  2. 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局から求められた場合に応じること
  3. 管轄労働局等の実地調査を行うこと

上記のことが求められますので、書類の管理などもしっかり行いましょう。

3・申請期間中に申請を行うこと

助成金には申請期間が設けられています。

この申請期間を1日でも過ぎると助成金を受給できなくなります。

申請期間はきっちり守りましょう。

個人事業主でも受給できる

助成金は会社を設立しないと受け取れないと勘違いしている人もいらっしゃいますが、助成金は個人事業主でも上記の要件を満たしていれば受給することが可能です。

助成金を受取るには、まずは受給条件が何のか確認することが大事です。


助成金を受取ることができない美容院・理容院

次のいずれかに当てはまる事業主の方は、雇用関係の助成金受給ができません。

  • 不正受給してから3年以内に支給申請した事業主、または支給申請日後から支給決定日までの間に不正受給をした事業主
  • 支給申請日の属する年度の前年度より前の、いずれかの保険年度の労働保険料(雇用保険料)を納入していない事業主
  • 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主
  • 暴力団関係事業主
  • 支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主
  • 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

助成金のデメリット

助成金は返済不要のお金でメリットばかりあるように聞こえるかもしれませんが、実際にはデメリットもあります。

それは大きくいって2つです。

一つは受け取るまでの期間が長いことです。

助成金は原則後払いで、申請から受給まで、短いもので3ヵ月~6ヵ月、長くなると1年を超えてしまいます。

その間の費用は事業主が負担することになります。

助成金は資金繰りの負担を少なくすることはできますが、資金繰りのあてにしてしまうのは間違いです。

費用を前払いする分だけ、負担が生じますので注意しましょう。

二つ目は制度を導入すると廃止したくても廃止できなくなることです。

助成金を受給するためには、賃金制度を変更したり、新たな就業規則を導入したりすることがあります。

それが受給の条件となっているため、後から廃止しようとしても廃止できないとったことが起こってしまいます。

助成金ありきで受給してしまうと、返って必要のない縛りを受けてしまうことになりますので、制度の運用と受給のバランスをよく考えなくてはいけません。

美容院・理容院が利用できる助成金

ここからは美容院・理容院が利用できる代表的な助成金をご紹介します。

1・キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、パートタイム・アルバイトなどの非正規労働者の、正社員化、人材育成、処遇改善といったキャリアアップを図る取組を実施した事業主に対して支給される助成金です。

キャリアアップ助成金には次の7コースがあります。

  1. 正社員化コース
  2. 賃金規定等改定コース
  3. 健康診断制度コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 諸手当制度共通化コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. 短時間労働者労働時間延長コース

以上のコースはパートタイム・アルバイトなどの非正規社員が対象ですので、正規社員の場合と混同しないようにしましょう。

2・トライアル雇用助成金

トライアル雇用奨励金は、安定的な就職が困難な求職者を一定期間トライアル雇用(トライアル期間は3ヵ月)した後、常用雇用契約に移行した事業主に対して支給される助成金です。

トライアル雇用期間があることで、事業主側は労働者の適性を見極められ、労働者側は労働環境や仕事内容が自分に合うかを判断でき、雇用のミスマッチを防ぐことができます。

3・特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者・障がい者・母子家庭の母親・広告の中退者などの従業員を新たに雇い入れる事業者に支給される助成金です。

4・人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、労働者の職業訓練開発に伴う経費・賃金の一部をが助成金として支給されます。

職務に関係した専門的な知識・技術を身につけるための職業訓練や人材育成を行った際に、費用や賃金の一部が助成されます。

キャリアアップ助成金はパートタイムやアルバイトが対象ですが、人材開発支援助成金は正規雇用労働者が対象となります。

5・時間外労働等改善助成金

生産性の向上などを図ることにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取組む事業主に支給される助成金です。

助成金の対象となった事例

労務管理用機器の導入:これまでタイムカードにより把握し、乖離の補正等を行っていたものを、出退勤管理用 IC カード及びカードリーダを導入することにより、労働時間管理の適正化・効率化を図った。

6・両立支援等助成金

両立支援等助成金は、働きながら育児や介護との両立ができる労働環境づくりのための助成金です。

事業主等が、労働者のために、育児や介護等と仕事の両立を行う為の制度の導入、利用しやすい環境づくりを整え、対象者が制度を利用した場合に助成金は支給されます。

コースには次の5つがあります。

  1. 出生時両立支援コース
  2. 介護離職防止支援コース
  3. 育児休業等支援コース
  4. 再雇用者評価処遇コース
  5. 女性活躍加速化コース

まとめ

美容院・理容院が活用できる助成金について解説しました。

美容・理容業は開業資金が多くかかります。

そのため手持ち資金が不足してしまうこともあります。

助成金は申請書類を用意したりして手間がかかりますが、それを上回るメリットもあります。

面倒だと思わずにしっかり助成金を活用しましょう。


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