助成金は国が支給してくれる返済不要のお金です。

資金調達が死活問題となる中小企業にとって、そんな助成金は大きな味方となります。

上手に活用したいところです。

この記事では中小企業が受取ることができる助成金について解説します。

助成金とは

助成金は主に厚生労働省が支給するお金で、雇用に関係する取組みを行った企業に対して助成されます。

地方自治体が支給するものにも助成金と名のつくものはありますが、助成金のほとんどは厚生労働省が管轄するものになります。

助成金の一番のメリットは返済不要のお金であるところです。

ただし助成金を申請してからお金が入金されるまで期間が長くかかります。

長いものなら1年を超えてきますので、その間の費用を事業主が立て替えなくてはいけません。

そのため助成金を資金繰りのあてにしてしまうと、逆に資金繰りが苦しくなります。

ちなみに助成金と似たものに補助金がありますが、補助金と助成金には違いがあります。

混同しないようにしましょう。

助成金を受給できる中小企業とは

助成金を受給できる条件に「中小企業であること」という項目があることがあります。

では助成金で規定している中小企業とはどんな定義をいうのでしょう。

助成金でいうところの中小企業の範囲は以下の通りになります。

資本金等のない事業主については、常時雇用する労働者の数により判定されます。

※ 常時雇用する労働者の数とは、2か月を超えて使用される者(実態として2か月を超えて使用されている者のほか、それ以外の者であっても雇用期間の定めのない者および2か月を超える雇用期間の定めのある者を含む。)であり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該事業主に雇用される通常の労働者と概ね同等である者をいいます

中小企業が受取れる助成金

中小企業が受取れる代表的な助成金をご紹介いたします。


1・雇い入れの関係の助成金

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、パートタイム・アルバイト・契約社員・派遣労働者などの非正規労働者などの、正社員化、人材育成、処遇改善といったキャリアアップを図る取組を実施した事業主に対して支給される助成金です。

この制度を利用すると、様子見でパート・アルバイトとして雇った方を、戦力で期待できそうだとなれば正社員として雇うときに助成金を受け取ることができます。※正社員化コースの場合

その反対に活躍が見込めそうになければ本採用しないということもでき、採用のミスマッチを予防することができます。

トライアル雇用助成金

職業経験や知識、技術が十分でなく安定した職業に就くことが難しい求職者を、ハローワーク等を通して一定の期間試用期間を設けて雇用した事業主が受給することができる助成金です。

トライアル雇用とは試用期間のことで、原則3か月と決められています。

トライアル雇用を利用することで、事業主側は労働者の適性を見ることができ、労働者側は仕事内容や労働環境の向き不向きを検討することができますので、雇用のミスマッチを防ぐことに役立てられます。

ただし1週間の所定労働時間が、原則として通常の労働者と同程度といった条件がありますので注意しましょう。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者、障がい者、母子家庭の母親、高校中退者、長期にわたり不安定雇用を繰り返す人といった方を新たに雇い入れる事業者に支給される助成金です。

2・雇用環境の整備関係等の助成金

障害者雇用安定助成金

障害者雇用安定助成金は、雇用する障害者の職場定着を図るため、障害特性に応じた雇用管理・雇用形態の見直しや柔軟な働き方の工夫、職場定着に困難を抱える障害者に対する支援、および労働者の障害や傷病の特性に応じた治療と仕事を両立させるための制度の導入に対して支給される助成金です。

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金とは、生産性向上や離職率の低下などを図り、人材の確保に努めることで支給される助成金です。

事業主は、生産性向上のために能力評価を含む人事評価制度を整備したり、定期昇給等のみだけではなく能力評価に基づいた、わかりやすい賃金制度を設ける必要があります。

人材確保等支援助成金を受給するために導入する制度により、能力が適正に評価されそれが給与に反映されることで、従業員のモチベーションアップ、離職率の低下、生産性のアップなどのメリットがあります。

しかしその反面、実施項目が多くて複雑、制度運営のためのコストが増えるなどのデメリットがありますので、受給にはメリットとデメリットのバランスを十分考える必要があります。

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金は、65歳以上の定年年齢を引き上げたり、高年齢者の雇用管理制度を整備したり、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換するなど実施した場合に支給される助成金です。

両立支援等助成金

両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立に役立つ制度を導入し、それを実施する企業に対して支給される助成金です。

実際に育児休業や介護休業をとる社員がいる場合に利用できます。

両立支援等助成金には次のコースがあります。

出生時両立支援コース

男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りに取り組み、実際に育児休業を取得させた場合に支給されます。

介護離職防止支援コース

仕事と介護の両立支援の推進する職場環境整備に取り組み、介護支援プランの作成及び同プランに基づく措置を実施し、実際に介護休業の取得や職場復帰のフォローなどを行った企業に支給されます。

育児休業等支援コース

育児休暇の取得を推進することや、育児休暇からの復帰後の社員の働きやすさを支援するための助成金です。

再雇用者評価処遇コース

妊娠、出産、育児、介護又は配偶者の転勤を理由として退職した人が就業できるようになったときに復職する際、従来の勤務経験、能力が適切に評価され、配置・処遇がされる再雇用制度を導入し、実際に再雇用を希望する人を採用した事業主に対して支給されます。

女性活躍加速化コース

女性労働者が活躍しやすい職場環境の整備等に取り組み、実際に当初に掲げた目標を達成した中小企業事業主に対して支給されます。

3・労働時間の改善の助成金

時間外労働等改善助成金

中小企業・小規模事業者が時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む事業主に対して支給される助成金です。

時間外労働等改善助成金には次のコースがあります。

時間外労働上限設定コース

⾧時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取組む中小企業に支給されます。

勤務間インターバル導入コース

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るもので、勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業に支給されます。

職場意識改善コース

生産性の向上などを図ることにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取組む中小企業に支給されます。

団体推進コース

中小企業事業主の団体や、その連合団体が、その傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主の労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組を実施した場合に、その事業主団体等に対して支給されます。

テレワークコース

在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業に支給されます。

助成金を受け取る流れ

助成金にはさまざまなものがありますが、ここでは代表的なキャリアアップ助成金(正社員化コース)の場合の手続きの流れを記載します。

  1. キャリアアップ計画の作成・提出(転換・直接雇用を実施する日までに提出)
  2. 就業規則、労働協約その他これに準ずるものに転換制度を規定
  3. 転換・直接雇用に際し、就業規則等の転換制度に規定した試験等を実施
  4. 正規雇用等への転換・直接雇用の実施
  5. 転換後6か月分の賃金を支給・支給申請
  6. 審査、支給決定

助成金申請時に必要な書類

助成金は種類によって用意しなくてはいけない書類が変わります。

詳しくは厚生労働省のホームページやハローワークなどに問い合わせて調べなくてはいけませんが、ここでは大まかな用意すべき書類を記載しておきます。

  1. 応募申請書
  2. 事業計画書
  3. 経費明細書
  4. 交付申請書
  5. 経費の相見積もり
  6. 実施報告書
  7. 経費を証明する書類
  8. 請求書

など

まとめ

中小企業が受け取れる助成金について解説してきました。

働き方改革の推進に伴い、中小企業が労働環境を改善することは一部義務化になっています。

これに対応するためには、制度導入などの新たなコストが発生します。

そんなとき助成金を活用すれば資金負担を減らすことができます。

ただし助成金は制度が統廃合されたり、要件が毎年変わったりするため、事前のチェックを怠ると助成金を受けられないこともあります。

また申請には書類をたくさん用意しなくてはいけないため多くの手間もかかります。

助成金をスムーズに受け取るためには、助成金の内容を理解して、効率よく準備することが大切です。


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