人手不足が深刻なトラック運送業界、それに付随して長時間労働も問題になっています。

物流業界は積極的に働き方を見直す時期に来ています。

そこで活用したいのが助成金です。

ここでいう助成金とは厚生労働省が支給する助成金のことで、新たな雇用を生み出したり従業員の労働環境の改善などを行ったときに支給されるお金です。

助成金を活用すれば会社の負担を軽減しつつ、従業員の確保やドライバーの労働環境の改善に取組めます。

クリーンな労働環境を提供することが、トラック運送業が成長するためには必要になっています。

トラック運送業が受給できる助成金

雇用に関する助成金

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、契約社員やパートタイマーや派遣労働者といった、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、労働環境の改善などの取組を実施したトラック運送事業主に対して支給される助成金です。

雇用以外にも非正規社員の処遇改善に取り組んでも助成金を受け取れます。

キャリアアップ助成金は正社員の待遇改善ではなく、非正規社員の雇用や待遇改善に使える助成金です。

非正規社員の待遇を改善して雇用を生み出すのが狙いです。

キャリアアップ助成金を活用を考えた方がよい場面とは

  • ドライバー経験者を採用したいが経験者の応募がなかった
  • ドライバーの採用に力を入れたいが資金に余裕がない

といったときです。

キャリアアップ助成金は次の7つのコースがあります。

1・正社員化コース

非正規労働者を正社員に雇用したときに支給される助成金です。

2・賃金規定等改定コース

非正規社員の基本給の賃金規定を2%以上増額改定し、昇給させた場合に支給される助成金です。

3・健康診断制度コース

非正規労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に支給される助成金です。

4・賃金規定等共通化コース

非正規労働者等に関して、正社員と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用した場合に支給される助成です。

5・諸手当制度共通化コース

非正規労働者等に関して、正社員と共通の諸手当に関する制度を新たに設け、適用した場合に支給される助成です。

6・選択的適用拡大導入時処遇改善コース

非正規労働者等について、新たに社会保険の被保険者とするため、その非正規労働者等の基本給を増額した場合に支給される助成です。

7・短時間労働者労働時間延長コース

雇用する有期契約労働者等について、週所定労働時間を5時間以上延長または労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を1時間以上5時間未満延長し、新たに社会保険に適用させることに加えて賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合に支給される助成金です

トライアル雇用助成金

トライアル雇用奨励金は、安定的な就職が困難な求職者を一定期間トライアル雇用(試行雇用)したトラック運送事業主に対して支給される助成金です。

トライアイル雇用した求職者を期間終了後、そのまま正社員へと雇用することもできます。

トライアル雇用の求職者を正社員に雇用することは義務ではありません。

トライアル雇用期間があるため、会社側は労働者の適性を判断することができ、労働者側は労働環境を理解することができるというメリットがあります。

トライアル雇用助成金には次のコースがあります。

一般トライアルコース

安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れた場合に助成されます。

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース

障害者を試行的・段階的に雇い入れた場合に助成されます。

特定求職者雇用開発助成金

高齢者の方や障害者、母子家庭の母等の仕事に就くことが困難であると判断される方を、管轄のハローワーク等からの紹介で雇用期限のない労働者として雇用した事業主の方に支給される助成金です。

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従業員のスキルアップに関する助成金

人材開発支援助成金

机上研修(OFF-JT)や実施研修(OJT)等を通して人材育成に励むトラック運送事業主に対して、職業訓練開発を実施した際の、訓練の経費や訓練中の賃金を一部助成する制度です。

キャリアアップ助成金に似ていますが、キャリアアップ助成金は非正規労働者が対象なのに対し、人材開発支援助成金は雇用保険の被保険者が対象という違いがあります。

人材開発支援助成金のコースには次の4つがあります。

1・特定訓練コース(雇用型訓練を除く)及び一般訓練コース

社員のために訓練を実施したい場合で、
OFF-JT(机上研修)のみに助成金が出ます。

2・特定訓練コース(雇用型訓練)

社員のために訓練を実施したい場合で、OJT(実地研修)とOFF-JT(机上研修)が組み合わさった研修コースで、両方の研修に助成金が支給されます。

3・教育訓練休暇付与コース(教育訓練休暇制度)

社員が自発的に訓練を受けるための教育訓練休暇制度を導入する場合で休暇の長さが数日間以上のときに活用できるコースです。

有給の教育訓練休暇を付与する制度であることが必要となります。

4・教育訓練休暇付与コース(長期教育訓練休暇制度)

社員が自発的に訓練を受けるための数か月以上の長期教育訓練休暇制度を導入する場合に活用できるコースです。

最低でも120日以上の休暇を付与する制度であることが必要となります。

職場・待遇改善関連の助成金

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人材確保等支援助成金

人材不足の解消のためには、事業主等による雇用管理改善等の取組みを通じて「魅力ある職場」を創出し、現在就業している従業員の職場定着等を高めることが狙いの助成金です。

1・雇用管理制度助成コース

トラック運送事業主が、新たに雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主のみ))の導入・実施を行い、雇用管理制度の適切な運用を経て従業員の離職率の低下が図られた場合に目標達成助成金が支給されます。

2・人事評価改善等助成コース

トラック運送事業主が、生産性向上のための能力評価を含む人事評価制度と2%以上の賃金のアップを含む賃金制度を整備し、実施した場合に制度整備助成金が支給されます。

2%以上の賃金アップや離職率低下の目標をすべて達成した場合は、助成金が上乗せされます。

3・設備改善等支援コース

生産性向上に資する設備等への投資を通じて生産性向上、雇用管理改善(賃金アップ等)を図る事業主に対して計画達成助成等が支給されます。

職場意識改善助成金

生産性の向上などを図ることにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取組むトラック運送事業主に助成金が支給されます。

支給対象となる取組

いずれか1つ以上実施しなくてはいけません。

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. テレワーク用通信機器の導入・更新
  10. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、業務研修も含みます。

※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標の設定

支給対象となる取組は、以下の「成果目標」の達成を目指して実施する必要があります。

1・年次有給休暇の取得促進

交付要綱別紙で規定する、特別休暇の何れか1つ以上を全ての事業場に新たに導入すること

2・所定外労働の削減

労働者の月間平均所定外労働時間数を5時間以上削減させること

助成金の活用事例

日報作成と、出退勤管理に重複が発生し、作業が非効率だった。そこで労務管理用機器や、ソフトウェアを導入。出退勤管理システムの導入により、重複していた作業が統合され、時短につながった。その結果、所定外労働の縮減もできた。

両立支援助成金

仕事と家庭生活の両立を支援するトラック運送事業主に助成されるものが両立支援等助成金です。

実際に育児休業や介護休業をとる社員がいる場合に利用できます。

コースは次の通りです。

1・育児休業等支援コース

「育児休業等支援コース」とは、「育休復帰支援プラン」に沿って、社員の育児休業取得、職場復帰を行ったトラック運送事業主に給付される助成金です。

2・出生時両立支援コース

「出生時両立支援コース」とは、男性が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場づくりを支援するためのコースです。

育児休業を取得する男性社員の人数が増えたり、その取得日数が増えることに応じて助成金が支給されます。

3・育児休業等支援コース

このコースは、育休復帰支援プランを作成し、プランに基づき労働者の円滑な育児休業取得、職場復帰に取り組んだトラック運送事業主に対して助成されます。

4・再雇用者評価処遇コース

妊娠、出産、育児または介護を理由として退職した者が適切に評価され、復職できる再雇用制度を導入し、希望者を採用したトラック運送事業主に支給されます。

5・女性活躍加速化コース

女性活躍推進法に基づき、自社の女性の活躍に関する数値目標や取引目標の達成に向けた行動計画を策定し、実際に職場環境の整備等に取り組むトラック運送事業主に支給されます。

まとめ

トラック運送業が受給できる助成金について解説してきました。

人手不足を解消するには、やはり労働条件の改善が必須になります。

長時間労働が常態化しているとブラック企業のレッテルを貼られ、集まる人材も集まらなくなりますし、何より企業のブランドイメージが失墜してしまいます。

どうせ行わなくてはいけない取組みなら、負担の少なくなる助成金を活用した方がお得です。

助成金を利用して企業の成長に役立てましょう。

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