飲食店を開業して運営していくには、店舗の家賃、店舗の改修、人材の雇用、食材の仕入れなど、必要な運転資金は多くなります。

この運転資金を自己資金や日本政策金融公庫や民間の金融機関などからの借入だけでまかなうには、やはり負担は大きいです。

そこで利用したいのが助成金です。

助成金は国から支給される返済不要のお金です。

助成金は少し前までは雇用関係のものがメインでしたが、働き方改革を政府が推進する関係で、今では設備機器を購入する場合でも支給されます。

飲食店は運転資金が多くかかる業種です。

助成金を上手に活用すれば、雇用したり設備機器を購入したりするときに、資金負担を和らげることができます。

助成金とは

ここでいう助成金とは、厚生労働省が支給するお金のことをいいます。

厚生労働省が管轄していますので、主に人を雇ったり従業員の待遇改善を行ったときに支給されるものがほとんどです。

助成金として受け取ったお金は返済不要です。

助成金と似たもので補助金がありますが、助成金と補助金は性質が異なります。

補助金は設備投資や販促費用などの一部を補助してくれるお金ですが、受給要件を満たしても審査に合格しないと支給してもらえないという特徴があります。

3分でわかる助成金と補助金の違い

その点助成金は、受給要件を満たしていればほぼ100%受け取ることができます。

したがって補助金と助成金では、助成金の方が受給しやすいといえます。

しかも助成金の場合、余ったお金については使い道自由です。

仮に助成金を50万円受け取ったとして、助成金を受けるための費用が30万円しかかかっていなくても、残りの20万円については何に使ってもよいのです。

ただし、その期の利益によっては助成金に法人税が課せられるので、使い道は会社の経費で落ちるものに限った方がよいでしょう。

補助金の場合は、申請したお金は申請した通りの額で設備を購入しなくてはいけないので、縛りも助成金に比べて厳しくなります。

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飲食店が助成金を利用するとき

飲食店が助成金を利用できるのは次のようなケースがあります。

  • 飲食店を新規開業するときの助成金
  • 新たに人を雇うときの助成金
  • アルバイトを正社員にするときの助成金
  • アルバイトの健康診断をおこなうときの助成金
  • 派遣労働者を飲食店の直接雇用に切り替えるときの助成金
  • 定年年齢を変更するときの助成金

飲食店が助成金を受け取れる条件

飲食店が助成金を受け取るには次の要件を満たさなくてはいけません。

  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
  • 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
  • 管轄労働局等の実地調査を受け入れること
  • 申請期間内に申請を行うこと

上記条件を満たせば助成金は支給されます。

それは個人事業主も同じです。

必ずしも法人を設立しなくても、条件を満たせば助成金は受給できます。

助成金の注意点

返済不要でお金の使い道は自由と何かと良いことばかり聞こえてくる助成金ですが、やはり注意点もあります。

それは後払いで入金までの期間が長期化するということです。

助成金を受給するまで、基本的に事業主が費用を先払いすることになります。

さらに助成金は申請から入金までスパンが長く、短くて6か月、長くて1年以上という期間がかかります。

そのため受給要件は満たしていても、資金的に余裕のない飲食店は助成金を受給できることがむずかしくなります。

飲食店が受給できる助成金

1・キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、パートタイマーやアルバイトといった、非正規雇用労働者を正社員化したり、処遇改善の取組を実施した事業主に対して支給される助成金です。

助成金には、「生産性要件」という項目もあり、生産性を向上させると助成金を割り増しで受け取れることもできます。

キャリアアップ助成金は次の7つのコースがあります。

  1. 正社員化コース
  2. 賃金規定等改定コース
  3. 健康診断制度コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 諸手当制度共通化コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. 短時間労働者労働時間延長コース
1・正社員化コース

パートタイムやアルバイトなどを正社員に雇用した場合に支給される助成金です。

また母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合には助成額が加算されます。

ただし正社員に転換前の給料より、転換後の給与が6か月間5%以上の増額していることなどの要件があります。

2・賃金規定等改定コース

パートタイムやアルバイトの基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に支給される助成金です。

3・健康診断制度コース

パートタイムやアルバイトなどの有期契約労働者を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に支給される助成です。

4・賃金規定等共通化コース

雇用するパートタイムやアルバイトなどの労働者に関して、正社員と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用した場合に支給される助成金です。

5・諸手当制度共通化コース

雇用するパートタイムやアルバイトなどの労働者等に関して、正社員と共通の諸手当に関する制度を新たに設け、適用した場合に支給される助成金です。

6・選択的適用拡大導入時処遇改善コース

雇用するパートタイムやアルバイトなどの労働者について、新たに社会保険の被保険者とするため基本給を増額した場合に支給される助成金です。

基本給の増額割合に応じて助成額が変わります。

7・短時間労働者労働時間延長コース

パートタイムやアルバイトなどについて、週所定労働時間を5時間以上延長、または労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を1時間以上5時間未満延長し、新たに社会保険に適用させることに加えて賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合に助成されます。

2・トライアル雇用助成金

職業経験の不足などから就職が困難な求職者を原則3カ月間の試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、常用雇用した場合に支給される助成金です。

事業者のメリットとしては、労働者の適性を確認した上で常用雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことができます。

正社員へ雇用することは義務ではありません。

3・職場定着支援助成金

雇用管理制度の導入などを通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して支給される助成金です。

さらに生産性を向上させた飲食店が、職場定着支援助成金を利用する場合、その助成額や助成率が割増しされて助成金が支給されます。

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4・特定求職者雇用開発助成金

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して支給される助成金です。

5・時間外労働等改善助成金

中小企業・小規模事業者が、生産性を高めながら残業などの労働時間の短縮等に取り組む事業主に対して支給される助成金です。

助成金を受給するためには「成果目標」を決め、それを達成する取り組みを行わなくてはいけません。

助成額は「成果目標」の達成割合によって変わります。

時間外労働等改善助成金で飲食店が受給できるコースは次の通りです。

1・時間外労働上限設定コース

働き方改革に伴い中小企業に時間外労働の上限規制が2020年より導入されます。

その長時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取組む事業主に助成されます。

飲食店の事例

自動食器洗い機の導入などにより作業効率を上げ、労働時間が短縮された。

2・勤務間インターバル導入コース

勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、スタッフの生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るもので、2020年4月から制度の導入が努力義務化されます。

それに伴い勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業事業主に助成金が支給されます。

飲食店の事例

インターバル制度を導入に際し、業務上の無駄な作業を見直すため、外部の専門家によるコンサルティングを実施して、業務内容を抜本的に見直すことができた。

3・職場意識改善コース

生産性の向上などを図ることにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取組む中小企業事業主に支給される助成金です。

飲食店の事例

エアレジシステムの導入により作業効率を上げ、帳簿管理作業も減り、労働時間が短縮で来た。その結果、従業員全員が有給休暇を取れる体制になった。

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まとめ

この記事では飲食店が受給できる雇用に関する助成金について解説してきました。

働き方改革の推進に伴い、雇用だけでなく機械設備などの導入にも助成金が支給されるようになっています。

このような状況を利用して、積極的に労働環境の改善に取り組みましょう。

飲食店はややもすると長時間労働のブラックのイメージがあります。

ブラック企業のイメージがつくと人材を確保するのに大きなハードルとなります。

助成金を受給して労働環境を改善するということは、国の認めたクリーンな基準をクリアしたということです。

これは人材確保に大いに役立てられます。

助成金を活用して、あなたのお店の成長に役立てましょう。

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