2019年4月より長時間労働の是正を目的として労働基準法が改正されます。

それにより以下のような内容が義務づけられます。

  • 有給休暇の取得義務化:2019年4月1日 義務化
  • 36協定で定める時間外労働の上限規制:2020年4月1日 義務化
  • 中小企業の60時間超の残業代引き上げ:2023年4月1日 義務化

企業には残業代削減や有給休暇の取得が義務付けられ、それへの取組みを求められます。

これに伴い労働時間改善への取組み導入を推進するため、国が助成金を支給してくれます。

それが「時間外労働等改善助成金」です。

国は働き方改革で労働者の労働環境を改善すると共に、生産向上性を上げ、人で不足でも事業が動くような取組みを支援しています。

企業にとっても、残業時間を削減して労働環境を改善することは、人材確保するための高アピールとなります。

時間外労働等改善助成金を活用して残業時間の削減に取り組みましょう。

時間外労働等改善助成金とは

時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む事業主に対して支給される助成金です。


時間外労働等改善 助成金の活用事例

新たに機械・設備を導入して、生産性を向上させたい。そのため労働能率を増進する設備・機器等を導入。新たな機器・設備を導入して使用するようになったところ、実際に労働能率が増進し、時間当たりの生産性が向上した。

始業・終業時刻を手書きで記録しているが、管理上のミスが多い、それを改善するため労務管理用機器やソフトウェアを導入。記録方法を台帳からICカードに切り替えたことで、始業・終業時刻を正確に管理できるようになり、業務量の平準化につ
ながった。

インターバル制度を導入するために、業務上の無駄な作業を見直したい。外部の専門家によるコンサルティングを実施。専門家のアドバイスで業務内容を抜本的に見直すことができた。

このように生産向上性を上げることにより、時間外労働の短縮につながった場合に助成金が支給されます。※上記は団体推進コースとテレワークコース以外の受給例です。

時間外労働等改善助成金の内容

時間外労働等改善助成金は5つのコースにわかれています。

  1. 時間外労働上限設定コース
  2. 勤務間インターバル導入コース
  3. 職場意識改善コース
  4. 団体推進コース
  5. テレワークコース

1・時間外労働上限設定コース

このコースは、⾧時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取組む中小企業事業主に支給される助成金です。

成果目標

支給対象となる取組は、以下の「成果目標」の達成を目指して実施する必要があります。

  • 事業主が事業実施計画において指定した全ての事業場において、平成31年度又は平成32年度に有効な36協定の延⾧する労働時間数を短縮して、以下のいずれかの上限設定を行い、労働基準監督署へ届出を行うこと。
  • 時間外労働時間数で月45時間以下かつ、年間360時間以下に設定
  • 時間外労働時間数で月45時間を超え月60時間以下かつ、年間720時間以下に設定
  • 時間外労働時間数で月60時間を超え、時間外労働時間数及び法定休日における労働時間数の合計で月80時間以下かつ、時間外労働時間数で年間720時間以下に設定
支給額

「成果目標」の達成状況に応じて、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を支給されます。

2・勤務間インターバル導入コース

このコースは勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るものです。

2019年4月から制度の導入が努力義務化されます。

成果目標

支給対象となる取組は、以下の「成果目標」になります。

  • 新規導入:新規に所属労働者の半数を超える労働者を対象とする勤務間インターバルを導入すること。
  • 適用範囲の拡大:対象労働者の範囲を拡大し、所属労働者の半数を超える労働者を対象とすること
  • 時間延長:所属労働者の半数を超える労働者を対象として、休息時間数を2時間以上延⾧して、9時間以上とすること。
支給額

「成果目標」を達成した場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部が 支給されます。

3・職場意識改善コース

厚生労働省は、ワーク・ライフ・バランス実現のため、週労働時間60時間以上の雇用者の割合5割減、年次有給休暇取得率70%の達成(2020年目標)を目指しています。

その目標達成をするため、生産性の向上などを図ることにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取組む中小企業事業主に助成金が支給されます。

成果目標

支給対象となる取組は、以下の「成果目標」の達成を目指して実施しする必要があります。

  • 年次有給休暇の取得促進:交付要綱別紙で規定する、特別休暇の何れか1つ以上を全ての事業場に新たに導入すること
  • 所定外労働の削減:労働者の月間平均所定外労働時間数を5時間以上削減させること
支給額

「成果目標」の達成状況に応じて、支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を支給されます。

4・団体推進コース

平成32年4月1日から、中小企業に時間外労働の上限規制が導入されます。

規制が導入されるにあたり、事業主団体等がその傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主(以下「構成事業主」といいます)の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組を実施した場合に助成金が支給されます。

助成金の活用事例
  • 構成事業主へ「働き方改革」の取組について周知したい。そのため労務管理などに関するセミナーを開催。その中で、36協定の作成の手順や、労働時間管理の方法などを教示。セミナー後にも相談窓口を設置し、構成事業主の取組を支援。セミナー資料を会報誌に掲載して、全ての構成事業主に周知。
  • 構成事業主の職場での、業務の効率化を推進したい。外部専門家による巡回指導や、好事例の収集・紹介を実施。外部専門家による巡回指導によって、個々の企業の 業務の見直しを図る。上記で得られた改善結果や好事例をとりまとめ、その内容を 他の構成事業主に周知したことにより、同様の例を横展開

このように労働時間等の設定改善推進に向け、環境を整備した場合に助成金が支給されます。

成果目標

支給対象となる取組内容について、事業主団体等が事業実施計画で定める時間外労 働の削減、または賃金引上げに向けた改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組又は取組結果を活用すること。

支給額

上記「成果目標」を達成した場合に、支給対象となる取組の実施に要した経費が支給されます。

5・テレワークコース

労働時間等の設定の改善※及び仕事と生活の調和の推進のため、在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に助成金が支給されます。

支給対象となる取組

いずれか1つ以上実施する必要があります。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用※パソコン、タブレット、スマートフォンは支給対象となりません。
  • 保守サポートの導入
  • クラウドサービスの導入
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
成果目標の設定
  • 評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる。
  • 評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を、1日以上とする。
  • 年次有給休暇の取得促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。または所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。
支給額

「支給対象となる取組」の実施に要した経費の一部を、「成果目標」の達成状況に応じて支給されます。

時間外労働等改善助成金の利用の流れ

  1. 「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出
  2. 交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施
  3. 労働局に支給申請

まとめ

時間外労働等改善助成金について解説しました。

長時間労働を行わせる企業はブラック企業として世間からの評価は低くなります。

もちろん実際に働く従業員も長時間労働を強いられることで、体力・気力が続かず、作業効率は落ちてしまいます。

長時間労働では結局生産性は上がらないのが現実です。

やはり短時間労働で今と同等、それ以上の作業成果を出せる仕組みを導入することが、企業の成長には必要です。

時間外労働等改善助成金を受給して、残業時間の削減に取り組みましょう。


<社長におススメの【資金繰りに役立つ】記事>

【2019年最新】働き方改革推進で活用したい助成金大特集

【消費税・社会保険料対策】知らないと怖い業務委託契約の事実

【緊急レポート】今すぐ節税・社保削減したい社長のための極秘マニュアル



<おススメサービス>

社会保険料最適化【無料相談】社会保険料の負担でお悩みの経営者に無料でご相談を承ります

銀行から見た「自社評価がわかる」格付け診断サービス

社長のキャッシュがザクザク増える社会保険料削減スキーム