個人事業主・不動産オーナーが法人を設立するメリットは税金の抑制効果です。

税金の減る理由に、役員給与の支給による所得分散が挙げられますが、最近では社会保険料の負担も大きくなっています。

所得の分散効果を見る場合は、税金の負担だけでなく、社会保険料の負担も同時にシミュレーションしてみなくてはいけません。

しかしこの社会保険料、実は削減しながら所得を増やすことも可能なのです。

とくに家族で所得を分散する場合、その効果は大きくなります(もちろん法人の負担も同時に増えるのでただやみくもにスキームを実行しても意味ないですが)。

社会保険料を削減しつつ所得を増やす、これも法人ならではで使える方法です。

所得の分散で所得税を低く抑えられる

個人事業主・不動産オーナが法人設立で得られる大きなメリットは税金の抑制効果です。

富裕層が資産管理会社を設立するのも、税の抑制効果を最大限享受するためです。

法人による節税効果はいろいろありますが、その中に子や配偶者に役員給与を支払うことでの所得分散効果があります。

個人の所得税は「超過累進税率」です。

所得が増えるほど税率は高くなる仕組みです。

仮に所得が2000万円の場合、所得税は40%にもなります。

しかし子と配偶者、自分の3人でこの2000万円の所得を分配すれば、個人の超過累進税率が緩和され、所得税を抑えることができます。

役員一人で2000万円の所得がある場合

・2000万円×40%=800万円

役員3人で2000万円の所得を分散する場合

・800万円×23%=184万円

・600万円×20%=120万円×2人=240万円

・184万円+240万円=424万円

一人で2000万円の所得があるよりも、3人で分散した方が所得税を半分近く減らすことができます。

※わかりやすくするため、住民税・給与所得控除・その他の控除は考慮していません。

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役員報酬には「給与所得控除」という非課税枠がある

さらに給与には「給与所得控除」が認められています。

給与所得控除とは、 給与収入の額に対して一定の金額を差し引く仕組みです。

平たくいうとうと、サラリーマンの必要経費を自動計算する項目が給与所得控除です。

たとえば月額50万円の役員報酬なら年間で600万円の役員報酬を得られます。

これに対する給与所得控除は174万円です。

600万円×20%+54万円=174万円

この額をサラリーマンの必要経費として自動で控除してくれます。

600万円の174万円ですから、29%もの非課税枠があるのと同じです。

600万円の役員報酬を受け取る人が3人いれば、522万円(174万円×3人)も控除を受けることができます。

子への所得移転には役員報酬の方が贈与より有利

余談ですが、子に役員報酬を支払うことで、贈与より低い税率で所得移転を行う効果もあります。

贈与で所得移転を行う場合、年間110万円という非課税枠がありますが、この非課税枠の110万円を超えて贈与を行うと、所得税並みに高い税率が課せられます。

しかし法人を設立して子を役員にして役員報酬を支払う場合、贈与税は適用されず役員報酬に対する所得税の対象になります。

その結果、節税効果が生まれるのです。

たとえば1110万円をその年に贈与した場合、贈与税は275万円課せられます。

・(1110万円-110万円)×40%-125万円=275万円

これを1000万円の役員報酬で子に資金移転すれば所得税は約87万円になります。

ただし役員報酬1000万円には社会保険料もかかります。

このときの社会保険料は約98万円になります。

となると所得税と足しても185万円負担です(住民税は約65万円になり、トータルは250万円の支出)。

贈与で子に資金移転するよりも、役員報酬で行った方が圧倒的に資金移転効率が良いのです。

子や配偶者へ役員報酬を支払うと社会保険料の負担が発生する

話しは逸れましたが、子や配偶者に役員報酬を支払うことで、所得が分散して個人の超過累進税率が緩和され、その結果、トータルの所得税を低く抑えられます。

しかし、子や配偶者に役員報酬を支払えば、それに付随して社会保険料も発生します。

社会保険料は労使折半で約30%にもなり、その負担はかなりのものです。

個人の負担は半分の15%になります。

たしかに所得の分散をすれば所得税は減るかもしれませんが、子と配偶者の社会保険料の負担が一気に増えることを忘れてはいけません。

社会保険料を削減するには

ただし法人には法人ならではの方法で、社会保険料対策を行うことができます。

社会保険料は給与の総支給額で保険料が決まります。

仮に役員報酬が月額30万円なら報酬月額の欄で該当する範囲を見つけます(この場合290000円家ら310000円)。

これにより標準報酬月額の等級と月額が決まり、あとは決定した標準報酬月額に保険料率を掛ければ健康保険料と厚生年金保険料が求められます。

そして社会保険料には「賃金総額に含まれるもの」と「賃金総額に含まれないもの」の2つがあります。

このとき「賃金総額に含まれないもの」で受取れば、社会保険の対象にはなりません。

上記の例でいえば、役員報酬30万円とは別に、「賃金総額に含まれないもの」で会社から10万円の支給を受ければ、実質の総支給は40万円でも社会保険料の等級は27に上がらないのです。

その結果、社会保険料を抑えたまま所得を増やすことが可能になります。

東京都の社会保険料で比べてみます。※平成30年、40歳以下で計算 個人負担のみ

総支給40万円の場合 

・20295円(健康保険料)+37515円(厚生年金保険料)=57810円

総支給40万円(内賃金総額に含まれないもので10万円支給)の場合

・14815円(健康保険料)+27450円(厚生年金保険料)=42265円

両者の差額は

・57810円-42265円=15545円

となり、この分手取りが増えるというわけです。

年間にすれば186540円の差が付きます。

子と配偶者に役員報酬を支払う場合でも、こういったことを知っておけば、社会保険料を上げることなく所得分散することが可能になります。

問題は何をもって「賃金総額に含まれないもの」で支給するかになりますが、このとき使うのは生命保険です。

社長の収入が増える社会保険料削減マニュアル

ただし、ただ単に役員報酬の代りに保険料を支払っても所得を増やすことはできません。

なぜなら保険料の支払いが法人税務と関係してくるからです。

社会保険料の負担を避けながら、オーナー経営者とその子と配偶者の手元に戻すスキームを組むには、社会保険料と法人税務の知識が必要になります。

まとめ

個人事業主・不動産オーナーが法人を設立し、所得を子や配偶者に分散することで、所得税を低く抑えることができます。

しかしそれには、「子や配偶者のあらたな社会保険料の負担を生み出してしまう」という問題が起こります。

それを回避するには、やはりここでも法人を使ったスキームが有効です。

個人への税・社保の負担が大きくなる中、個人事業主・不動産オーナーが資産を残すには法人をしっかり活用することが必要です。

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