借入残高の状況を正確に把握しておくことは、財務マネジメントにおいて大事です。

「借入はきちんと減っているのか?」「借入額が許容量をオーバーしてないか?」など把握しておくことが、リスク管理につながるからです。

財務をマネジメントできなければ高金利地獄に

返済で詰まらないためには、借入残高を返済可能な許容範囲に抑えておかなくてはいけません。

返済額が許容量をオーバーすると、元の借入を返済するために新たな借入が必要になります。

当然ながらそのような借入の金利は高く、さらなる利益の流出につながります。

最近では融資に比べ借りやすいファクタリングもあります。

しかしファクタリングは銀行融資より利息が高くなります。

仮に月利2%のファクタリングなら、12ヵ月×2%=年利24%の金利です。

完全に利息制限法の20%を超えています。

銀行融資の金利が4%だとしても、その6倍です。

100万円を借りたら24万の利息、この利益を稼ぐのに、あなたの商売はいくら売上を確保しなくてはいけませんか?

せっかく稼いだ利益も簡単に吹き飛びます。

しかもファクタリングの場合、売掛金が担保になっていますので、借りてしまうと翌月の収入がなくなります。

そうなるとまさに蟻地獄、また高金利のファクタリングで借りるしかなく、一度手を出すと抜け出せなくなる可能性があります。

借りやすいからと安易にファクタリングに手を出す前に、財務を見直して許容範囲まで借入額を圧縮する努力が必要です。

借入の中身を4分解する

まず返済で詰まらないためには、借入額の中身を4つに分解します。

借入額の中身は、

  • 正常運転資金の借入部分
  • 現預金の運用部分
  • 遊休資産売却による返済可能額
  • 要債務償還

の4つに分けることができます。

このうち1~3までは、返済額にカウントしなくても大丈夫な金額です。

大事なのは4の要債務償還の金額です。

この部分が完全な借金部分で、この額が減らないと借入も減らないことになります。

ではそれぞれについて解説していきます。

借入額の分解1・正常運転資金の借入部分

正常運転資金は

・売掛金(受取手形を含む)+棚卸資産-買掛金(支払手形を含む)

で求めます。

正常運転資金は通常の事業活動で必要になる資金のことですが、銀行にとっては売掛金や棚卸商品の販売代金が返済財源となることが明確で、業務に支障がない限りは安心して貸せるお金です。

しかし事業を継続するには、商品を仕入れて販売し、その代金を回収するというサイクルを続けなくてはいけません。

そのため正常運転資金分を返済しても、すぐに正常運転資金分のお金を借りるということ繰り返します。

したがって常に必要となる正常運転資金部分は、借入から除いて考えなくてはいけないのです。

借入額の分解2・現預金への運用部分

借入金のうち、現預金に回している部分です。

現預金はすぐに返済に回せるお金です。

そのため現預金が増えても実質的に借入が増えたことにはならないのです。

借入額の分解3・遊休資産売却による返済可能額

事業に使ってない遊休資産や株などの有価証券は、売却すれば返済に充てることができます。

したがって、借入額から除くと考えて良いのです。

借入残高が許容範囲を超えている場合は、収益を生み出してない資産は売却して借入額を減らさなくてはいけません。

それに経営のスリム化という意味でも、無駄な資産があると非効率です。

経営指標の中にROA(総資産利益率)というものがあります。

ROAとは事業に投下されている資産が利益をどれだけ獲得したかを示す指標です。

・ROA=当期純利益÷総資本

総資本に対して利益が高いほど、効率的な経営をしているということになります。

となれば、収益を生み出さない資産が大きくあると、無駄に総資産が膨れて、ROAの数値は落ちることになります。

それすなわち、非効率な経営ということです。

経営効率の観点からみても、収益を生み出さない遊休資産は早く売却してしまった方が良いのです。

借入額の分解4・要債務償還

借入額から1~3までの合計を引いたものが、完全な返済部分です。

要債務償還は完全な借入れ部分ですので、営業キャッシュフローによって返済しなくてはいけません。

営業キャッシュフローとは、フリーキャッシュフローとも呼ばれ次の計算式で求めます。

・当期純利益+減価償却費-運転資金の増減額

この数値より要債務償還の額が低ければ、問題なく返済していけるということです。

いい換えれば、営業キャッシュフロー内で返済していかなければ、いつまで経っても借入は減らないことになります。

逆に営業キャッシュフローより要債務償還の額が大きければ、毎年の利益で返済できないという意味であり、返済しきれない部分を新たな借入で回していかなくてはいけなくなります。

つまり借入が余計には増えるということです。

借入額が危険水準にある会社は、要債務償還を増加させないように徹底管理しなくてはいけません。


要債務償還の目安

要債務償還の目安は営業キャッシュフローの10倍以内が理想的です。

銀行の場合、債務償還年数という項目で点数が付けられます。

この場合も目安は10年以内です(最近では15年以内という場合も)。

銀行融資の8割が決まる「信用格付け(スコアリング)」を制する方法

したがって要債務償還は、営業キャッシュフローの10倍以内に収めるか、営業キャッシュフローを大きくして、要債務償還の10分の1になるようにするかの経営努力が必要になります。

具体例

では次のような財務状態の会社があった場合、どのように要債務償還が前期と当期で変化するか計算してみます。

借入額
  • 前期:6000+10300=16300
  • 当期:5000+8700=13700
正常運転資金
  • 前期:7500+3800-5500=5800
  • 当期:7500+3200-5500=5200
現預金
  • 前期:5000
  • 当期:3000
遊休資産
  • 前期:3500
  • 当期:3500
要債務償還
  • 前期:16300-5800-5000-3500=2000千円
  • 当期:13700-5200-3000-3500=2000千円

結論

借入金の返済は正常運転資金の減少と現預金の取り崩しでまかなったもので、要債務償還は減ってないということになります。

正常運転資金の減少は経営努力の効果で、資金繰り改善の効果はあります。

しかしこの会社の場合、現預金が大きく減っていますので、これまで貯めたお金で借入を返済したことがわかります。

これを当座比率でみると

  • 前期:5000(現預金)÷5500(仕入債務)=91%
  • 当期:3000(現預金)÷5500(仕入債務)=55%

となり、当期は55%とかなり、キャッシュが大きく流出して危ない水準であることがわかります。

一般的に当座比率は90%以上で安全圏、70%以下で短期の支払いに問題があるとみなされます。

それを大きく下回る55%はいかに危険かわかります。

売掛金や在庫を減らしキャッシュを確保する施策が必要になります。

まとめ

会社は借入をしても回していけるように財務をマネジメントしなくてはいけません。

返済に足りないお金を借りて返すといった自転車操業では、借入は減らないどころか増えることになります。

財務諸表の数値をみて、しっかり借入状況を把握しましょう。

財務マネジメントで借入をコントロールできる会社は、資金繰りで詰まることなく財務基盤を強化できます。


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