銀行から融資を受けるには、金額が大きいだけにさまざまな書類を用意しなくてはいけません。

そこでこの記事では、銀行融資の際に必要となる書類について解説していきます。

備えあれば憂いなし、事前にしっかりした種類を整え、審査に通す準備をしておきましょう。

借入申込書

銀行によって書式はそれぞれですが、所定の用紙に必要事項を記入します。

インターネットでもお申込みの場合は、申し込みフォームに記入します。

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決算書(2~3期分)

決算書は必ず提出を求められる書類です。

さらに、確定申告書、別表、科目勘定内訳書も一緒に提出しなくてはいけません。

決算書は、税務署に提出したものであることはもちろん、税理士が作成したものでないと正式な種類とみなされず、審査は通りにくくなります。

提出する決算書は、損益計算書と貸借対照表ですが、ポイントは次の通りです。

損益計算書

損益計算書でみられる項目は、営業利益と経常利益です。

要するに、本業で稼ぐ力があり、それが安定しているか、ということです。

したがって、株の売買益や、土地を売っての一時的な収入などは、利益があってもほぼ評価はされません。

そのため、特別利益と特別損失が加味される当期純利益は、銀行が知りたい指標として適当ではないのです。

1・売上高

損益計算書の売上高は、間近3期分で売上の推移をみられます。

売上が増加傾向、または安定的であれば評価されますが、減収傾向であれば、評価はきびしくなります。

2・売上総利益

売上総利益とは、売上高から売上原価を引いた数値で、粗利のことです。

売上総利益は、一般的に売上に比例して変化します。

商品を値上げした、仕入れを大幅値引きしてもらった、粗利率の高い商品が特に売れた、などの理由がない限り、売上が増えれば粗利も増え、売上が下がれば粗利も減るからです。

したがって、売上が減ったのに売上総利益が増えるのような相反する傾向があると、粉飾を疑われることになります。

在庫の水増しや期末の仕入れの未計上による利益調整、粉飾ではありませんが、減価償却費の未計上、これらは銀行員の見破るところです。

バレないと思っていても、実際はバレていると認識しておきましょう。

3・営業利益

営業利益は売上総利益から経費を引いた本業の儲けを表す数値です。

この数値が高いほど、本業の稼ぐ力があるということになり、銀行からの評価は高くなります。

営業利益が赤字ということは、本業で稼ぐ力がないということになり、銀行の評価委は低くなります。

ただし、「赤字だから融資が受けられない」というわけではなく、黒字化の見通しがあれば融資を出してもらえることもあります。

4・経常利益

経常利益は、営業利期から、受取利息、不動産の賃料、雑収入などを足し、そこから銀行に支払う支払利息、信用保証協会の保証料、雑収入を引いて、出てきた数字になります。

経常利益が黒字ということは、「通常の事業活動で利益を確保していて、支払利息もその利益の中から支払える」ということなので、銀行の評価は高くなります。、

経常利益が赤字ということは、支払利息も支払えないということです。

ですから、経常利益が黒の会社は融資可、経常利益が赤字の続く会社は融資不可となります。

貸借対照表

貸借対照表で最初にみられるのが「純資産」です。

純資産は「総資産-純資産」で計算れますが、これがマイナスだと債務超過(資産を全部売っても負債が残る状態)の状態となり、融資はほぼ見込めなくなります。

1・実質債務超過

銀行は中小企業の決算書の数値を信じているわけではありません。

仮に貸借対照表で資産があると数字が出ていても、実質本当に価値があるのかどうか、実態に基づいて再計算されてしまいます。

この再計算によって、「実質債務超過」になることがあります。

たとえば勘定科目内訳書で売掛金のチェックをし、同じ相手、同じ金額の売掛金が2期連続で続いていると、回収不能の売掛先ではないかと疑います。

その結果、その額を資産から除いて計算されます。

棚卸資産も同じです。

これまでの平均棚卸資産回転日数で計測し、在庫が不自然に増えていたら、「今期だけの特別に大きな仕入があった」などの納得できる説明がないと、不良在庫とみなされ資産から引かれて計算されます。

なお、建物などの固定資産があるケースで、利益調整目的で長年にわたって減価償却を計上してない場合は注意が必要です。

減価償却をしてないので、建物や有形固定資産が本来よりも高い金額でBS(貸借対照表)の固定資産に計上されるので、未償却分を引かれてしまうと、それだけで債務超過となってしまうこともあるのです。

このように実態で資産価値を再計算し、場合によっては実質債務超過と判定されてしまうこともあるのです。

もちろん実質債務超過と判定されれば、提出した決算書とは関係なく、融資は絶望的となります。

このため、日ごろから債務超過になれないよう気をつけなくてはいけないのです。

2・自己資本比率

自己資本額とは、貸借対照表の「純資産」のことを指します。

純資産を総資産で割った比率をいい、この数値が高いほど財務体質が健全で、銀行の評価も高くなります。

自己資本比率は25%以上が理想で、最低でも10%を超えるよう財務改善を行いましょう。

3・借入月商倍率

貸借対照表で次にみられるのが、借入の総額です。

借入の総額は、貸借対照表の、短期借入と長期借入を足した額で求めます。

この借入総額を月商で割ると「借入月商倍率」が出ます。

つまり、月商の何倍借入があるかということです。

たとえば、3億円の売上の会社で借入総額が8000万円あった場合を計算してみましょう。

・8000万円÷(3億円÷12か月)=3.2ヵ月

借入月商倍率は3.2ヵ月となります。

業種によってさまざまですが、銀行は借入月商倍率を次のような基準で判断します。

  • 2カ月以内:安全
  • 4か月以内:やや多い
  • 4カ月以上:多い
  • 8ヵ月以上:危険

例題は3.2ヵ月ですので、やや多いと判定されます。

事業計画書

事業計画書は、財務状態の良い会社のケースではそれほど重要にはなりませんが、業績が悪化している場合は事業計画が審査に大きく影響してきます。

ですので、今後の見通しが立てれる事業計画書が必要になります。

1・事業計画概要書

事業計画の大まかな内容と、現在の状況、これからの方向性を示す書類です。

書くべき内容
  • 経営理念
  • 将来の方針→どのような事業展開で、今後の収益を確保するのか?
  • これからの方向性→現在の置かれている状況と、自社の強みを踏まえ、今後どのように改善していくかの方向性
  • 改善の具体的方法→どのような方法で展開していくか?販売方法、財務改善の取組、他社との差別化など

事業計画概要書は、ダラダラ長く書くのではなく、要点をまとめて書き、具体的な数を入れて説得力を持たせます。

2・5か年損益計算書

5年計画の損益計算書を提出します。

融資を受けることで、今後どのような収益になるかを、5年間の経緯で示します。

事業計画概要書で述べた内容の、数値で表した具体的な根拠となります。

銀行のみる返済財源は

・税引き後当期利益+減価償却費

です。

この数値が、返済金額(元本部分)を上回れば、正常に返済していけるということです。

反対に、返済金額(元本部分)を下回れば、返済しきれないということになりますので、5か年損益計算書では、

・税引き後当期利益+減価償却費>返済金額

という図式になる計画ではないといけません。

この点を注意しましょう。

試算表

試算表は毎月作成して、最新の経営状態を把握するための書類です。

そのため、決算月から3カ月以上など、一定期間が空いてしまった場合、銀行も試算表から現在の会社の状態を知ろうとして、試算表の提出を求められます。

決算書は過去1年の数値なので、概要でも最新情報を知るためには、審査表が必要なのです。

そしてもう一つ大事なポイントが提出期間です。

試算表を提出するまでにどのくらいの期間がかかるか、そのスピードをみています。

試算表の役割は、融資のときだけに作成するものでなく、毎月毎月、経営者が財務状況や業績を把握するために作っておくものです。

その大切な資料が作成されてない、または作成に時間がかかるということは、経営管理をしっかり行っていない表れです。

そのような企業にお金を貸出すのは、銀行としては不安になります。

もちろん繰り返しますが、試算表は経営管理のために必要な資料ですが、その姿勢が、銀行からの評価を高めるためことにもつながるのです。

資金繰り表

資金繰り表を提出することで、より具体的な説得材料力になります。

利益と実際のキャッシュ流れは違います。

黒字倒産という言葉があるように、利益が出ていても、資金繰りに詰まってしまうことがあるのです。

そこで資金繰り表を使って、資金繰りが回ることを証明します。

たとえば、8月31日に仕入が必要。しかし手持ち資金で仕入をしてしまうと、資金繰りが苦しくなる。そこで、融資のお金で仕入をし、それを回避。さらにその仕入れで販売し、売上と利益を確保し、現金預金が増え、返済も問題なくできる。

このような流れを数字を使って説明します。

銀行を説得するための資金繰り表は、融資を受けることで、資金が回っていくという流れにしなくてはいけません。

融資を受けたのに、資金繰りが悪化するようなものなら、最初から融資をしない方がいいということになりますので、この点は注意してください。

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借入状況の一覧表

複数の金融機関から借入れがある場合は、借入の一覧表を作ります。

具体的には、「どこから借りたかの一覧表」「担保物件の一覧表」「いくらずつ返済しているかの一覧表」の3つです。

実際これのらの借入状況の一覧表は、銀行側でも作成するものですが、事前に作っておくことで、銀行担当者の作業を軽減でき、審査のスピードを速める効果があります。

それ以外にも、経営者が現状を把握できるという効果があります。

借入が複数になってくれば、どこからいくら借りて、利息は何%、毎月の返済はいくらかで、返済日は何日かなど、把握するのが大変になります。

しかし一覧表を作っておけば、それが整理され、経営者や経理担当者が把握することできます。

納税証明書

融資には納税証明書が必要になります。

税金を滞納している場合は、融資を断られてしまいます。

とくに政府系金融機関でこの傾向が顕著です。

税金は滞納しないようにしましょう。

見積書

設備資金の申し込みのときには、その設備がいくらか見積書を提出しなくてはいけません。

見積書には、日付の記入、見積もり作成業者の角印が必要になります。

この2つがないものは、無効とされてしまうので気をつけましょう。

その他の書類

  • 定款の写し(初回のみ)
  • 企業概要書
  • 法人の履歴事項証明書(明登記簿謄本)
  • 法人の印鑑証明(個人事業主の場合は個人の印鑑証明)

まとめ

銀行融資に必要な書類について解説してきました。

後で慌てないように、事前にしっかり準備しておきましょう。

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