鳥取県で起業するなら知っておきたい資金調達方法

融資対策

会社の先行きも不透明になる中、「自分のやりたいことを実現させたい!」と、鳥取県内で起業を考えている人は多いでしょう。

しかしそこで一番のネックになるのが「起業資金」です。

事業の種類によっては、飲食店のように初期投資がある程度かかるものもありますし、初期投資こそ少額でスタートできたとしても、ビジネスが拡大していくにあたって追加資金が必要になることもあります。

売上アップは常にお金が先行して出ていくので、事業拡大には資金調達は付きものなのです。

いずれにせよ、起業当初は信用がまったくない状態なので、資金調達も限られてた手段となってしまいます。

そんな状態であっても、できれば自分に有利に資金調達を行いたいものです。

そこでこの記事では、鳥取県内で起業をお考えの人向けに、起業時の資金調達方法のメリット・デメリットを解説していきます。

自己資金で起業

起業のための資金として最も手近なのは「自己資金」です。

自己資金のメリットとは、支払利息もなく、返済しなくても良いお金ということです。

この点でいえば、強烈なプレッシャーがないので、安心して起業をスタートできます。

しかし安心・安全と思える自己資金にもデメリットは存在します。

最大のネックは、自己資金の量に限りがあることです。

手持ち資金が少なければ、投資案件も限られてきますし、そうかっといって投資に必要な金額を自己資金で用意するには、「時間」という資産を差し出さなくてはいけません。

また、一見すると無借金経営はベストに思えますが、そこはよく考えなくてはいけないでしょう。

たとえば事業が失敗して、自己資金がすべてなくなれば、手持ち資金は0円となってしまいます。

一方、借入で投資した場合ならどうでしょう?

自己資金を温存していれば、借入したお金が0円となっても、利息分は減っていますが、手持ち資金は残っています。

「どの道返さなくてはいけないお金では?」とお感じにあるかもしれませんが、それでも時間稼げます。

借入が悪だと決めつけてしまうのはもったいない話です。

鳥取県で起業するときの資金調達方法

親族、友人、知人からの借入

起業時の資金調達手段としてまず考えるのが、親などの親族からの借入です。

その次に、親しい友人や知人からの借入といったところでしょうか。

親族や友人からの借入は、銀行などの金融機関に比べると金利や返済条件は緩くなります。

借入でなく、出資という形をとる場合もあります。

親族や友人は近しい関係なだけに、なあなあとなりやすく、後々人間関係を壊してしまうトラブルに発展する可能性があります。

もし人間関係が壊れてしまえば、最悪事業が失敗したときに、親族(親以外の親族)、友人、知人の助けを得ることができなくなることを念頭に置いておきましょう。

プロパー融資

プロパー融資とは、銀行が全額貸出す融資のことです。

貸倒れのリスクを銀行自身が負いますので、通常の融資でも審査は厳しくなります。

それが実績のない起業家となりますと、ほぼ審査が通ることはありません。

創業時の融資の場合、民間の金融機関でなく、政府系金融機関や鳥取県が行う制度融資で融資をお願いするのが現実的です。

日本政策金融公庫

起業時の融資としても、最も現実的な借入先です。

このような政府系の金融機関は、利益を上げることを第一としては考えていません。

企業や個人事業主を資金面で支援し、国や地域の経済を活性化させることを目的としています。

そのため、信用力の低い起業家でも、新創業融資制度を利用すれば、無担保・無保証で融資を受けることができます。

とはいえ、投入されているのは税金です。

けっして貸倒もやむを得ずというスタンスではありませんので、審査には準備を整えて臨まなくてはいけません。

日本政策金融公庫のメリットは次の2つです。

  • 他の金融機関に比べて圧倒的に低金利
  • 他の金融機関でダメでも、日本政策金融公庫なら通る可能性あり

デメリットとしては、「審査に日数がかかる」ということが挙げられます。

日本政策金融公庫で融資をお考えなら、早め早めに計画しておくことが大切です。

鳥取県の制度融資(信用保証協会付き)

鳥取県が創業を支援してくれる「制度融資」も、起業家にとって借りやすい融資となります。

鳥取県が行う制度融資も、起業家を資金面で支援し、鳥取県の経済を活性化させることが狙いですので、創業時に借りやすい融資といえます。

また、政策的に支援していますので、メリットとしては

  • 融資が受けやすい
  • 金利が低い
  • 据置き期間が長い
  • 返済期間が長い
  • 利子や保証料の一部を負担してくれる

と、かなり起業家のサポートになります。

鳥取県の制度融資のデメリットとして、「融資実行までに手間と時間がかかる」ことがあります。

これは、鳥取県だけでなく、信用保証協会、銀行といったその他の機関が、制度上絡んでくるためです。

日本政策金融公庫と比べても実行までに長くなりますので、この点を織り込んで創業計画を立てる必要があります。

鳥取県が事業資金を融資!「制度融資」で借りる方法

補助金・助成金

創業を支援する補助金・助成金は多くあります。

経済産業省が行うもの、鳥取県、市町村、商工会議所が行うものなどさまざまです。

補助金・助成金のメリットは、何といっても「返済不要」のお金ということです。

しかしその反面、

  • 申請に準備と手間がかかる
  • 審査が必ず通るわけでない
  • 申請から受給までに3カ月や1年と時間がかかる

というデメリットあります。

さらに、補助金・助成金は、基本「後払い制」になります。

はじめに事業者の手出しが必要であり、その後に補助金・助成金が入って来る形です。

そのため、補助金・助成金は今すぐの資金調達の手段として使えません。

資金的に余裕のある起業家なら利用してもよいでしょうが、資金に余裕のない起業家なら、資金調達の手段としては不向きな面があることを認識しておきましょう。

鳥取県で雇用助成金の申請をお考えの中小企業必見!助成金完全ガイド

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットで不特定多数の人から、資金を募る方法です。

一般の人から直接ではなく、クラウドファインディングの会社を通じて出資者を募る方法がとられます。

クラウドファンディングを行うサービス会社で資金調達するメリットは、

  • 利用申込は無料で資格条件なし
  • 資金調達後の面倒な手続はなし
  • 調達したお金の使い道は自由
  • 返済や支払い利息も無し

ということが挙げられます。

デメリットは

  • 開業資金の全てを調達するのは無理
  • 入金までに1カ月くらいの期間がかかる

クラウドファンディングの場合、見ず知らずの人から資金を出資してもらうわけですから、起業を考えているビジネスにそれなりの魅力がないと、資金を集めるのはむずかしいといえます。

鳥取県が創業資金を支援する制度

鳥取県が起業家の創業を支援する制度をご紹介します。

創業支援金

創業等に係る事業の実施のため必要となる運転資金及び設備資金(新会社設立のための資本金、株式取得資金は対象外)

  • 融資期間:10年以内(据置2年以内を含む)
  • 融資限度額:1億円
  • 融資利率:年1.66%(変動金利)
  • 保証料率:年0.21%~0.58%
  • 申込窓口:商工会議所、商工会

創業支援資金

スタートアップ応援事業補助金

創業支援資金の最初の利払日(融資当日に発生する利子も含む)の属する月から起算して36か月以内の創業支援資金にかかる利子額を補助してくれます。(債務の不履行等により生じた延滞利息等は含まない)

対象となる利子の利息と補給率
  • 「創業支援資金」:年1.66%
  • 「新創業融資」:補給率年0.83%分

スタートアップ応援事業補助金

起業創業チャレンジ補助金

成長性の高い起業等の創業費等を支援してくれる制度です。

  • 創業(法人成り)前後1年以内に申請
  • 上限500万円

起業創業チャレンジ補助金

創業時の借入のメリット

借金と聞くと何かとんでもなく悪いことをしているイメージがあります。

しかし、本当に借入することは悪いことなのでしょうか?

実は借入しておくこともメリットがあります。

1・融資の実績ができる

創業当時は借入の実績はありませんが、日本政策金融公庫などで起業融資をしてもらうと、それが実績として残ります。

金融機関は、この実績をとても大事にしています。

起業時には相手をしてくれなかった地銀でも、日本政策金融公庫から借入実績があると分ければ、前向きに融資を検討してくれます。

事業を行っていれば、資金繰りに困るときも出てきます。

そんなときに借入実績があれば、資金調達に有利に働きます。

2・事業計画を立てられる

公的機関でも民間機関でも、起業時に融資をしてもらおうと思えば、事業計画を立てなくてはいけません。

このような事業計画を立てることによって

  • 起業プランが明確になる
  • どれだけ売上を上げれば収益が確保できるか見当がつけられる
  • 返済の見通しを立てられる

といったことが明確になるメリットがあります。

計画が計画通りにいくことの方が少ないでしょうが、金融機関のみならず、自分にとっても安心の材料になります。

資金繰りが安定する

起業スタート時に手元資金に余裕があれば、気持ち的に楽になります。

起業して1年間は、必要な売上を確保できないこともあるでしょう。

また商売は、基本敵に仕入れの方が早く、お金が先に出ていきますので、口座の残高の減りは早くなります。

そんなとき借入でも資金があれば、事業を継続できますし、何より心の余裕につながります。

経営者が資金繰りのことで頭がいっぱいになってしまったら、事業に専念することはむずかしくなります。

そうなると、ますますジリ貧になってしまいます。

そのためにも、借入でも余裕資金を持っておけることはプラスの材料です。

あまり借入を悪として捉えないで、冷静になって借入のメリットを知っておきましょう。

まとめ

鳥取県で起業をお考えの方向けに、創業時の資金調達方法について解説していきました。

実績のない起業家は、資金調達の手段も限られてきます。

しかしその反面、起業家を支援する、鳥取県の制度融資や日本政策金融公庫があります。

このような制度や機関を利用して、自分に有利な方法で資金調達を行いましょう。

あなたの起業の成功をお祈りいたします。

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