鳥取県に限らずですが、事業主が会社を設立すれば、社長、従業員を含めて社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。

この社会保険料、年々と負担は増えて、2018年現在では労使合わせて約30%の負担になります。

しかも、保険加入の対象者も拡大していて、事業主の社会保険料の負担は増すばかりです。

そして社会保険料は会社の業績に関係なく納めないといけないお金です。

赤字だと課税されない法人税とは違い、この点で会社の資金繰りを圧迫します。

ではこの社会保険料、安くする手段はないのでしょうか?

はい。あります。

社長、従業員共々、社会保険料を安くする方法は存在するのです。

鳥取県内の会社で「社会保険料が高い!」と感じていらっしゃる方に、社会保険料を安くする方法を解説します。

念のため、鳥取県だけでなく全国共通の方法であることは付け加えておきます。

鳥取県の社会保険料の決まり方

社会保険料を安くする方法の前に、鳥取県の社会保険料(厚生年金・健康保険料)の決まり方について解説します。

社会保険料は、毎月の給与の総支給の額で決まります。

下図は平成30年4月からの保険料額を決める一覧表です。

仮に毎月の給与の総支給が30万円の場合、報酬月額の列の30万円が含まれる行を探します。

30万円は、報酬月額の列の「290000~310000」の行にあたりまので、等級は「22」、標準報酬月額は「300000」になります。

この標準報酬月額の300000円を元に、健康保険料と厚生年金保険料が決まります。

ただし、健康保険料は40歳以上になると介護保険料の負担が増えるため、40歳以上と以下で保険料が変わります。

仮に35歳の人が30万円の給料をもらう場合、社会保険料の負担は次の通りです。

健康保険料率:9.96%
  • 労使合わせて:300000円×9.96%=29880円
  • 個人負担:29880円÷2=14940円
厚生年金保険料率:18.3%
  • 労使合わせて:300000円×18.3%=54900円
  • 個人負担:54900円÷2=27450円

となります。

  • 毎月の合計:14940円+27450円=42390円
  • 年間の合計:42390円×12か月=508680円

労使折半ですので、この社員にかかる会社の年間負担分も508680円です。

以上が鳥取県の社会保険料が決まる仕組みです。

健康保険料は都道府県によって変わります。

鳥取県:平成30年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

社会保険料を安くするには?

この仕組みからもわかるように、社会保険料を安くするためには、毎月の給料の総支給を下げるしかありません。

しかし望む方法は、手取り収入を下げないで社会保険料を下げる方法のはずです。

給与を下げないで社会保険料を下げる、一見矛盾するように思えますが方法はあります。

要は、給与の受け取り方を変えて、総収入が下がらないようにすれば、手取り収入は変わらず社会保険料を下げることができるのです。

社会保険料は労使折半ですので、従業員の負担も減れば、会社の資金繰りも楽になります。

従業員の社会保険料を安くする方法

「借上げ社宅制度」で社会保険料を安くする

従業員さんへの福利厚生の一環として「住宅手当」を支払っているところがあります。

この「住宅手当」を「借上げ社宅制度」に切り替えると、社会保険料の負担を減らすことができます。

賃貸物件にお住まいの従業員さんがいらっしゃるときには、この方法が使えます。

従業員さんもメリットがあり、住宅手当より借上げ社宅で支給される方が手取り収入が増えます。

住宅手当は給料扱い

「借上げ社宅制度」と似たものに「住宅手当」があります。

この2つの違いが何かというと、住宅手当で支給した手当は、全額「給与扱い」になるということです。

仮に30万円の給与に10万円の住宅手当を支給していたら、社会保険料率の基となる給与の額は、30万円ではなく40万円で計算されることになります。

これに対し「借上げ社宅制度」では、対象となる金額が「労働大臣が定めた現物給与価格」で求められます。

借上げ社宅の場合は、居住用スペースの「畳み一畳」につきいくらで決められ、鳥取県の場合は1110円(2018年)です。

もし居住用スペースが20畳の物件なら

・20畳×1110円=22200円

で、従業員が負担する家賃が10000円なら、社会保険料の対象となる金額は

・22200円-10000円=12200円

12200円のみになります。

その分、社会保険料が安くなるというわけです。

全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)

借上げ社宅制度の仕組み

借上げ社宅制度とは、役員・従業員が直接大家さんと賃貸借契約を結ぶのではなく、会社が大家さんと物件を賃貸借契約し、その物件を役員・従業員に社宅として会社が貸す制度です。

このとき会社は無料で貸すのではなく、相場家賃の10%~20%程度を役員・従業員から社宅賃料として受取ります(無料で貸した場合は給与とみなされ課税されます)。

残りの賃料は会社が負担します。

仮に10万円の家賃なら、2万円が役員・従業員の負担部分で、会社が残りの8万円を支払います。

住宅手当と借上げ社宅の社会保険料を比較

では、住宅手当と借上げ社宅でどれくらい社会保険料に差が出るか計算してみます。

給料30万円で、家賃10万円のケースです。※社会保険料は40歳以下で計算

住宅手当
  • 給料30万円+住宅手当10万円=社会保険料の対象となる金額40万円
  • 健康保険料:20418円
  • 厚生年金保険料:37515円
  • 合計:57933円
  • 手元に残る金額:40万円-10万円-57933円=242067円
借上げ社宅制度

会社負担分8万円、従業員負担分2万円、居住用スペース20畳で計算。

  • 給料30万円+※現物給与価額2200円=社会保険料の対象となる金額302200円(総支給は32万円)
  • 現物給与価額:(20畳×1110円)-20000円=2200円
  • 健康保険料:14940円
  • 厚生年金保険料:27450円
  • 合計:42390円
  • 手元に残る金額:32万円-2万円-42390円=257610円

住宅手当と比べると、役員従業員の手取りは

・257610円-242067円=15543円

増えることになります。

社会保険料は労使折半なので、会社の負担も同じように減ります。

また、会社の負担する家賃8万円は経費になりますので、法人税の節税になります。

借上げ社宅制度の詳しい方法については、下記記事を参考にしてみて下さい。

【保存版】手取りが増える社長の借上げ社宅活用ガイド

賞与の支給額を見直して社会保険料を下げる

次にご紹介するのは、社会保険料の標準報酬月額が決まる、報酬月額の「右端の数字」に着目した方法です。

要は右端の数字に給料の額を合わせることで、総収入を変えずに社会保険料を下げることができるのです。

それでは比較してみましょう。※40歳以下で計算

パターン1・月額給与30万円、賞与30万円を年2回のケース
月額給与に対する社会保険料
  • 健康保険料:14940円
  • 厚生年金保険料:27450円
  • 年間合計:508680円
賞与に対する社会保険料
  • 健康保険料:14940円
  • 厚生年金保険料:27450円
  • 年間合計:84780円

・トータル:508680円+84780円=593460円

パターン2・総収入は同じで月額給与を増やしたケース

次に総収入は420万円で、月額給与を33万円(実際は329999円に設定)、賞与を12万円の2回にします。

月額給与に対する社会保険料
  • 健康保険料:15936円
  • 厚生年金保険料:29230円
  • 年間合計:541992円
賞与に対する社会保険料
  • 健康保険料:5876円
  • 厚生年金保険料:10797円
  • 年間合計:33346円

・トータル:541992円+33346円=575338円

パターン1とパターン2の社会保険料の総額を比べてみると

・【パターン1】593460円-【パターン2】575338円=18122円

となり、総収入は同じでも、受け取り方を変えるだけで、18122円の削減効果があることがわかります。、

その理由は、月額給与を報酬月額の「右端」に合わせることにあります。

社会保険料は、等級23級の場合なら「310000円~330000円」までは社会保険料が変わらないことを利用するのです。※未満なので基準となる数字を含まないことに注意。このケースだと329999円に設定します。


4月~6月の給与を下げる

社会保険料は基本、4月~6月の給与の額で、「標準報酬月額」決まります。

つまり、4、5、6月に残業が集中したりして給与の総支給が高くなると、その後の1年間の社会保険料は高くなります。

その結果、会社の負担も大きくなってしまいます。

ですので、4、5、6月の従業員の給与を下げ、社会保険料の基準となる標準報酬月額が高くならないよう設定します。

その分を7月~3月までの給与で調整することで、総収入は変えずに社会保険料を下げることができます。

ただし、下げるのは「2等級以内」になるようにしましょう。

「2等級以上」の報酬変動は「随時改定」によって保険料を見直さなければいけなくなるからです。

また、給与の昇給も4月という節目にするのではなく、4、5、6月を避けて7月にすれば、従業員の昇給による社会保険料の負担を遅らせることができます。

多少でも増加分を遅らせることができれば、資金繰りが少しは楽になります。

社長の社会保険料を安くする方法

社長の社会保険料も安くすることができます。

社長の場合、従業員よりもその手段は多くあります。

むしろ社長だからこそできる方法といっても過言ではありません。

にもかかわらず世の中の社長は「社会保険料が高い」と嘆いています。

それはただ単に「知らないだけ」なのですが、要は知っているか知らないかだけの違いで、納める社会保険料の額は変わってきます。

社長の年金の行方

とくに社長の場合、厚生年金保険料は給付と支払いのバランスを良く考えて、支払っただけのものに見合うかよくよく考えた方がいいです。

というのも、政府は2020年までに「在職老齢年金」の制度を見直す方針を示しました。

在職老齢年金とは、年金が給付される60歳からでも、年金以外の収入が一定額ある人は、支給される年金も一定額停止されるという制度です。

現在の制度での対象は60~65歳未満が月28万円、65歳以上は46万円を超える人、65歳以上だと、給与に年金を足した年収が552万円を超える人が対象です。

この制度が廃止または縮小されると、社長のように60歳を超えても現役で役員報酬を得るような方だと、現役を引退するまでほぼ年金を受け取れない事態も十分に考えられます。

かといって、「事前確定給与届」を使ったスキームで月額の報酬を極端に減らした場合、たしかに年金は給付されるかもしれませんが、今度は退職金の問題が出てきます。

退職金の損金算入限度額の計算は

最終報酬月額×役員在職年数×功績倍率+功績加算

という計算式で求められるのが主です。

ご覧の式のように、「最終」報酬月額が計算式に組み込まれているため、極端に月の報酬が低いと、損金算入額もそれに比例して小さくなってしまうのです。

会社を一代で清算する場合でも、会社を後継者に承継する場合でも、退職金の税制優遇は大いに活用しなくてはいけません。

会社を清算する場合は、「みなし配当」で課税されるより税の負担が小さくなりますし、事業承継なら株価引き下げに退職金が役立ちます。

それが損金算入額が小さくなってしまうと、法人の税負担が増え、現経営者や後継者に大きな税負担が生じるリスクが強くなってしまいます。

現経営者は、引退が見えてきた年齢になれば、ある程度役員報酬を高くしておかなくてはいけないのです。

それゆえ、60歳から70歳までの間は、やむを得ず年金が支給停止される可能性が高く、それまでの60歳までに納める社会保険料が、それに見合うものか、しっかり考えなくてはいけないのです。

では社長の社会保険料を安くする方法とは?

その方法は長くなりますので、下記のまとめ記事をお手数ですがご覧ください。

社長の収入が増える社会保険料削減マニュアル

まとめ

この記事は鳥取県内の事業者で「社会保険料が高い!何とか安くならないか」とお悩みの方に向けて書きました。

たしかに人材を確保するためには、福利厚生が充実していることは大切です。

しかし、社会保険料が資金繰りを圧迫しているのは事実です。

従業員さんの理解を得られるのであれば、できる範囲で社会保険料を安く納めたいと思うのが本音ではないでしょうか?

社長の社会保険料であれば、社長の一存で何ともなります。

キャッシュがなくなってしまえば、会社を継続するのは困難になってしまいます。

ここで紹介させていただいた方法で、無駄な社会保険料を削減し、会社の資金繰り改善にお役立て下さい。


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