社長の手取りを増やすには、2つのルートがあります。

一つは、会社に残したお金を、いかに税・社会保険料のかからないルートで所得移転するか。

もう一つは、個人で購入していたものを、会社の経費で落とせないか。

この2つです。

この記事では、個人で購入していたものを、会社の経費で落とせないか、に焦点を当ててお話し致します。

会社の経費で購入する「真」のメリットを知れば、どれだけ経費で落とすことが社長の手取りを増やすことになるか、そのロジックを理解できます。

経費で社長の手取りが増えるロジック

社長が会社の経費で落としたがるのは、

  1. 法人の利益が圧縮され法人税の節税になる。
  2. 自分の財布から支出しなくて済む

主に理由はこの2つです。

しかし、実は会社で経費で落とすことの「真」のメリットは、それ以外にあります。

では、真のメリットとは何か?

それは、「個人でキャッシュを支出するより、用意するお金が少なくて済むから」です。

社長が個人で支出するお金は、所得税・住民税、社会保険料を負担した後のキャッシュです。

役員報酬で会社からお金を受け取る際、税金と社会保険料は必ず引かれます。

所得税は累進課税で、所得が多くなるほど税の負担は大きくなります。

仮に役員報酬が1800万円超社長なら、所得税の負担は40%、住民税も含めれば50%にも及びます。

加えてこれに、社会保険料の負担もあります。

社会保険料をプラスするとややこしくなるので、所得税・住民税だけでお話しさせていただきます。

仮に、年間役員報酬1800万円の社長が、100万円の車を個人で購入しようとしたら、負担は50%なので、役員報酬で用意すべきお金は200万円となります。

・200万円×(1-50%)=100万円

しかしこれが、会社で購入する場合はどうでしょう?

会社で使う車の場合、会社は必要経費で車を購入できますので、法人税の負担はありません。

となれば、です。

100万円の車を購入するときに用意すべきキャッシュは、ジャストぴったり100万円で済むことになります。

社長が個人で車を購入するとき、実際に用意しなくてはいけないお金(税金の負担前のお金)は200万円です。

これが会社で購入となると、税の負担がないので、100万円少なくて済むのです。

しかも、会社の経費ですので、実効税率30%で計算するなら、30万円の法人税の節税にもなります。

これこそが、会社の経費で落とす真のメリットです。

たしかに車の名義は会社ですが、外からは誰の名義かはわかりませんし、誰名義だって問題ないでしょう。

これって、めちゃくちゃおいしくないですか?

用意するキャッシュは少なくて済み、法人税は節税できて、自分のキャッシュは傷まない。

社長が所得税のマジックに気づいているかどうかはわかりませんが、このロジックを知ってしまえば、自分の財布からキャッシュを出すことがバカらしくなるでしょう。

経費の使いたい放題には税務署が黙ってはいません

とはいえ、だからといって何でも経費になるかといえば、そんなことは税務署が許しません。

あれもこれも認めてしまえば、税金を納める社長はいなくなってしまいます。

経費を経費として税務署に認めてもらうためには、「直接的であれ間接的であれ、売上をあげるために使っていなくては経費にならない」のです。

たとえば、店舗兼自宅があります。

この場合、水道料金や電気代が経費として認められるには、店舗部分として使った割合までです。

自宅部分は売上に関係ないので、経費として認められないのです。

しかし逆にいえば、売上に関係あることが証明できれば、経費として認められるということです。

それだけに、経費とは、非常にグレーゾーンが大きいのです。

隣の会社では経費と認められなかったものでも、あなたの会社では仕事に必要なものかもしれません。

これは経費でこれは経費ではありませんと、白黒はっきりつけられるものではないのです。

そしてここからが大切なのですが、経費として認められるかどうかは、それを経費に計上してみないとわからないということです。

実際に税務調査で指摘され、それが経費として認められるかどうかがわかるのです。

ならば、指摘されることと怖れて、無難なところまでしか経費として計上していなければ、「認められたはずの経費」さえも計上してないことになり、目に見えないとろこで、大きな機会損失を起こしているともいえます。

経費の使い過ぎは会社をピンチに追い込む

経費を上手に活用すれば、社長の手取り収入は増えます。

これまで個人で支出していたものを、法人の経費で落とすことができれば、その分、手元に残るお金は増えます(繰り返しますが、認められる範囲の話です)。

さらに、用意するお金も法人の方が少なくて済み、なおかつ法人税は節税できる、まるで夢のようなプランですが、それだけに、気をつけなくてはいけないことがあります。

それが、経費の使い過ぎです。

経費を使えば、それだけ会社はキャッシュアウトすることになります。

そうすると、たしかに利益が圧縮され法人税も減りますが、肝心のキャッシュが少なくなり、資金繰りを圧迫することになります。

仮に

  • 売上:1000万円
  • 経費:500万円
  • 法人税:30%

だとすると、残るキャッシュは

・(1000万円-500万円)×(1-30%)=350万円(法人税は250万円)

です。

これを経費を増やして700万円使ったとします。

すると残るキャッシュは

・(1000万円-700万円)×(1-30%)=210万円(法人税は90万円)

となり、経費が500万円のときより、140万円も減ってしまいます。

たしかに法人税は160万円節税できましたが、キャッシュが減ってしまっては、会社の財務体質は弱くなります。

1年だけならまだしも、毎年この調子なら、会社に自己資本が貯まらないので、資金繰りは苦しくなり、なおかつ貯金がないので、借入体質になってしまうという、ダブルパンチを喰らうことになります。

これでは、いったい何が何やら、目の前の利益に惑わされると、大事なことを見失ってしまいます。

キャッシュを生み出す会社が、キャッシュを生み出さなくなるばかりか、借入を増やしてしのがないと回らなくなってしまうのです。

この原因となるのが、経費の使い過ぎによる、無駄なキャッシュアウトにあるのです。

会社の財務体質を強くするには、あえて法人税を支払って、会社の貯金を増やさなくてはいけません(自己資本比率の増強)。

経費の使い過ぎは銀行融資の審査にも響く

経費の使い過ぎは融資の審査にも響いてきます。

端的にいえば、営業利益が減ると決算書での一次評価の点数が低くなってしまうのです。

銀行融資は決算書で8割が決まるといわれています。

決算書の数値が悪いと、それが即、資金調達に影響が及んでしまうのです。

銀行のスコアリングの点数が低くなるメカニズムはこうです。

経費を増やせば、損益計算書の営業利益は減ります。

営業利益は、スコリングの項目の

  1. 債務償還年数(有利子負債÷(営業利益+減価償却費))
  2. インタレスト・カバレッジ・レシオ((営業利益+受取利息+配当金)÷支払利息・割引料)
  3. キャッシュフロー額(営業利益+減価償却費)
  4. という3つの項目で使われる指標になります。

・銀行融資の8割が決まる「信用格付け(スコアリング)」を制する方法

そしてスコリング表の配点表を見てもわかるように、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオ、キャッシュフロー額という3つの項目は、全体の42%も得点の割合を占めるのです。※129点満点の場合

営業利益が小さくなるということは、それだけスコリングの得点が落ちるということなのです。

資金調達の観点からも、経費の使い過ぎはメリットがありません。

資金調達は会社にとって命綱でもありますので、いたずらにリスクを増長させるのはいかがなものかという話です。

まとめ

繰り返しになりますが、経費として認められるには、その経費が売上に関係していること、いい換えれば、課税逃れではないことをきちんと証明しなくてはいけません。

それが証明できれば、会社の経費で落とすこともできるようになります。

そうすれば、社長の手取りは増え、会社は節税することができます。

ただし、会社の資金繰りを圧迫するやり過ぎは禁物です。

会社の経費を制する社長が、個人の手取り収入を増やします。

所得税のロジックを理解して、賢い経費の使い方をしましょう。

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