売上げは、曜日によって影響を受けます。
いい換えれば、売上に大きな影響を持つ曜日に販促企画を仕掛けることで、その効果をより効率的に大きくしていけるということです。
それによって広告を打つタイミングも変わりますし、在庫・予算配分にも関係してきます。
曜日による売上げの影響力を計測することは、売上げ拡大のみならず、少ない資金で大きな投資効果を得るためにも必要です。
売上げの波を見極める曜日指数の求め方
簡単に曜日ごとの影響力を測る方法に、「曜日指数」があります。
曜日指数は季節指数と同じ考え方、同じ算出方法です。
売上げは一定ということはなく、曜日によって売れる曜日と売れない曜日があります。。
曜日指数とは、この売れ行きの波を数字にして計測する方法です。
仮に次のような4週分の曜日別売上データがあったとします。※単位:万円
曜日ごとの傾向を求めるため、第1週、第2週、第3週、第4週と売上を足して、各曜日の売上げの合計を出します。
次に、それぞれの平均値を算出します。
・4週の曜日ごとの平均売上げ=4週の合計÷4
最後に、曜日指数を求めます。
求め方は、4週全体の平均値3289.5万円を7日で割って、1日の平均値を出します。
・3289.5万円÷7日=469.9万円
上記が4週中の1日の平均売上です。
その平均値で各曜日を割ります。
月曜日の場合:292.8万円÷469.9万円=62%
その結果が次の表です。
このお店の場合、金、土、日が平均値を超えて売上があることがわかります。
曜日指数で「適正」な売上げ目標を設定
この曜日指数を使って、目標売上を求めることもできます。
仮に1週間の目標売上を3500万円に設定した場合、各曜日にある波を考慮しないで決めてしまうと、「3500万円÷7日=500万円」となり、指数の低い曜日は無理な目標で、逆に指数の高い曜日なら軽々超えてしまう目標になってしまいます。
そこで曜日指数を使います。
求め方は、目標売上を7日で割って、平均値を出します。
・3500万円÷7日=500万円
その平均値を曜日指数で割ってやると、曜日ごとの売上の波を加味した売上げの目標設定ができます。
・月曜日の場合:500万円×62.3%=311.5万円
各曜日の目標売上を合計すると3500万円になります。
この曜日指数は、年単位、月単位、シーズンごとなど、目的に合わせて、そのときの売上の波を調べることができます。
指数を算出する意味
このような売上の波を知ることにどんな意味があるでしょうか?
わたしが考えるのは「売りやすさ」です。
これまで経験してわかったことは、
売りやすものは売れやすく、売れにくいもの売れにくい
ということです。
売りやすいものは、それほど手をかけなくても売れますが、売れにくいものは、いろいろと手を尽くしても売れないことが、これまでの経験でわかりました。
それは、時間や曜日、季節でも同じことがいえます。
売れるタイミングは楽に売ることができますが、いったんタイミングを逃してしまうと、同じ商品・サービスでも売りにくくなってしまうのです。
たとえば、チラシ集客ですが、閑散期のような人も商品も動かない時期にチラシを撒いても、反応は悪いです。
しかしこれが繁忙期になると、同じ閑散期に撒いて反応の取れなかったチラシでも、簡単に集客することができるようになるのです。
だからこそ、売上の波を知ることは大切です。
売れないタイミングに、売ろうとするのは、労力も費用もかかります。
しかし、売れるタイミングにもっと売ることは、労力も費用も半分で済みます。
いわば、ニーズがあるときに、ニーズのあるものをとことん売る、これが売上アップの王道です。
過剰在庫や機械損失を防げる
そして波がわかれば、売れ残りや機械損失を防げます。
動きの悪いタイミング(時・曜日・週・月)がわかれば、在庫を少なめにして、売れ残りを少なくすることに役立てられます
逆に、売れる時期がわかれば、在庫を多めにして、在庫不足による販売の機会損失を防げます。
これすべて、売上の波を予測するから準備できることです。
「だろう」のような勘頼りでは、間違う確率が高くなるだけです。
在庫から売上高を予測する計算法
ちなみに、在庫からも売上高を求めることができます。
数式は、
- 売上高=在庫×商品回転率
です。
これは要するに、在庫が何回転したかで売上高を算出する計算式です。
仮に、お店の在庫が1200万円で、これが年間8回転したとすれば
・1200万円×8回転=9600万円
が年間の売上高です。
当然ながら、同じ9600万円を売上げるなら、回転数が多い方が、在庫金額は少なくて済むことになります。
・9600万円÷10回転=960万円
それすなわち、投資効率が良いということです。
過剰な在庫や売れ残りは、お金にならないばかりか、無駄な利息まで発生させます(しかも、費用にならないので、税金まで増えます)。
数字によるコントロールは、非常に大切です。
まとめ
すべてがデータ通りとはいきませんが、過去のデータをみれば、傾向があることに気づきます。
その傾向には何かしら理由があります。
そこで仮説を立てて、売上げの波が「なぜそのタイミングで起こっているか?」の思考を積み重ねていけば、さらに予測の精度は上がっていくでしょう。
ビジネスを投資で考えるなら、少ない投資金額で大きな利益を得るのが正しい選択です。
曜日指数は、そのために役立てることのできる指標です。
しかっかり活用して、売上アップを目指しましょう。
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