売上が下がったでもその前に。新規集客よりキャッシュ対策が先な理由

財務改善

集客に関して、危ない共通の言葉があります。

それは、「●●しかない」という一言です。(●●はチラシでもホームページでも集客方法があてはまります)

この一言を口にしたあなたは気をつけた方がいいです。

わたしが見た中で、集客が成功した例はまずありませんでした。

これは、精神的に余裕がなくなり、てんぱってきている証拠です。

新規集客に投資する前に、お金が出る方を対策して、確実にキャッシュが残るようにしておきましょう。

それが気持ちの余裕を生み、冷静な判断につながります。

焦る気持ちで集客しても、上手くいく確率は少ないです。

失敗する経営者の口癖

商品の品質もいい、接客も悪くない、なのに売上が年々落ちてきている、そのくせ原因がよくわからない。

このような状態になれば、誰だって気持ちが焦ってくるものです。

それゆえなのですが、「何とか一気に売上が回復する方法がないか」を考えるようになります。

はい。本人はそのつもりはありませんが、一か八かのギャンブルです。

しかし、このような精神状態で描く集客プランが上手くいくはずがありません。

わたしも経験ありますが、その人にとってはまことに上手に描けた絵なのですが、一つ一つの前提が、「自分にとって都合がいいもの」に置き換わっている可能性が高いです。

「この商品は売れます。このチラシがスベったら終わりです」

「売上が落ちてます。●●の集客ノウハウなら実績があるから、これでホームページを作れば毎月たくさん集客できますよね?」

このような、根拠のあるようなないような論を基に、大金投じて一発逆転を狙います。

けれども結果は大惨敗で、外れることの方が多いです。

そしてこのようなギャンブルに走る人が口にするのが「●●しかない」なのです。

わたしはこの一言を聞く度に、とてもイヤな気持ちになります。

それは、気持ちに余裕がなくなって周りが冷静に見えてないのだなと、それで外れたらあいつ(大畑)が悪いの大合唱なのだなと、ありありと想像できるからです。

集客の計算が逆

そもそもが、です。

チラシでもインターネット広告でも、コンバージョン率1%だとか、1000枚投入で3人は集客したいだとかを考える前に、その媒体で最低何人集客すればトントンになるのか?その損益分岐点を計算する方が先でしょう。

仮に、一人集客できれば、平均1万円の利益が見込めるなら、新聞折込で採算が取れるのか、ポスティングで採算が取れるのかも計算できます。

B4、フルカラー両面印刷で、単価4円、新聞折込への単価が4円とするなら

・10000円÷(4円+4円)=1250枚

1250枚で一人集客できれば、採算がギリ取れることがわかります。

1250枚で一人反応が取れなければ、新聞折込は撤退した方がいい計算になります。

ではポスティングならどうでしょう?

通常、新聞折込よりポスティングの方が反響が取れます。

ならば、単価は高めでもポスティングで採算が取れる、ポスティングで攻める方が確実です。

ポスティング料金が1枚6円なら、

・10000円÷(4円+6円)=1000枚

1000枚で一人以上、お客様を獲得できるなら採算が合う計算です。

反響が1000枚で何人集客できたら採算が取れると考えるのは、発想が逆なのです。

一人集客できれば、平均いくら利益が上がるか、その一人を集客するためにはチラシを何枚投入するればいいのか?そう考えるからこそ、何で集客すればいいのかまでプランを建てることができます。

新規集客は後回しの理由

そして、このような計算を冷静にするためには、まずはキャッシュを確保する必要があります。

心の余裕のなさは、キャッシュに余裕がないのが原因です。

キャッシュを確実に残すには、売上アップより、経費削減や社会保険料対策など出る方の改善が先です。

社長の収入が増える社会保険料削減マニュアル

売上はコントロールすることはできませんが、出る方はコントロールが効きます。

そもそも、売上を上げるには、販促コストがかります。

ですから、仮に売上が上がったとしても、手元に残るキャッシュは思うほど残りません。

しかし、経費削減やキャッシュ対策なら、翌月からキャッシュを着実に残せます。

つまり、客数を増やす販促は、後回しにすべきなのです。

経費削減の王道は「固定費削減」

そのコスト削減も、売上げに対して変わる変動費よりも、毎月一定額かかる「固定費」から見直すのが常道です。

固定費とは、毎月一定額がかるコストで、固定費を削減できれば、損益分岐点は下がり、資金繰りが一気に楽になります。

単純な話、毎月の家賃20万円が15万円に下がれば、20万円を得るための売上のラインも下がりますよね。

仮に、粗利25%のビジネスなら、20万円を確保するために必要な売上は

・20万円÷25%=80万円

です。

しかし、家賃が15万に下がれば、15万円を確保するための売上は

・15万円÷25%=60万円

まで下がります。

こうなるといわゆる、「粗利が高いビジネス」に変化します。

中小・零細で潰れやすい企業というのは、「粗利の低い会社」です。

中小・零細は、売上アップの前に、粗利を確保することが絶対です。

売上げより粗利の確保が中小企業の生きる道

そすればキャッシュを確保しつつ、心に余裕をもって、次の売上アップの対策を冷静に打てます。

まとめ

もしあなたが「●●しかない」と思ったのなら、それは危ない兆候です。

立ち止まって、売上アップで頭がいっぱいになってないか、冷静になって下さい。

そして、新規集客の前に、経費削減やキャッシュ対策で、着実にキャッシュが残せる施策を優先して行いましょう。

経費削減でキャッシュを残し、気持ちに余裕ができたら新規集客の販促です。

順番を間違わないようにしましょう。

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