設備投資は企業が成長する上で、なくてはならないものです。
設備投資で売上アップ、新しい技術でコストカットなど、技術革新と利益改善を繰り返し、企業は時代に合わせた形態に変化します。
最近ではAIの進化により、大きな変革が起こっています(メガバンクも大量の人員削減を発表しました)。
それ以外でも、古くなった車両の買換えなど、通常業務に必要なものもあります。
とはいえ、一般的に設備投資額は大きくなるもので、設備投資をすることで資金繰りの悪化を招くケースもあります。
会社の維持・成長のためとはいえ、設備投資には大きなリスクがあるのも事実です。
見通しの甘い設備投資資金の借入れは、会社を危機に陥らせます。
そこでこの記事では、設備投資に失敗しない、設備投資資金の借り方について解説していきます。
設備投資の借入を成功させる5つのポイント
ポイント1・利益が出ない設備投資は避ける
大前提ですが、設備投資を行うことで売上アップや収益の効率化など、利益が改善しなければ、逆に資金繰りは悪化します。
基本、設備投資で借入れたお金は、設備投資が将来生み出す利益で返していくことになります。
にもかかわらず、当初予定していた利益を実額が下回れば、当たり前ですが資金計画に狂いが生じます。
投資計画は辛めに見積もる、これが鉄則です(少なくとも自社内は)。
設備投資した設備や機械は、貸借対照表の固定資産に繰り入れられるわけですが、資産といえどすぐにお金になるわけでもなし、逆にバランスシートを悪くして銀行からの評価を下げます。
利益の出ない設備投資は避けましょう。
ポイント2・設備資金は全額借りる
金額の大きくなる設備資金は、全額を銀行から借入れるのがセオリーです。
設備資金の借入れ不足があると、それを運転資金でまかなわなくてはいけなくなるからです。
それが資金繰りの悪化を招きます。
仮に次のような貸借対照表の財務状況だった場合、「自社の現金」と「長期借入」で、1500万円の設備資金を用意した場合を比べてみます。
<自社の資金で用意した場合>
<銀行からの長期借入れで用意した場合>
財務指標を計算してみますと、自社でお金を用意した方が、すべての項目で指標が悪化しています(赤字が数値が悪くなった項目)。
このように、金額の大きな設備資金は、全額を借入るが基本になります。
ポイント3・無理のない返済期間にする
設備投資の借入れは、毎年の利益に見合った返済額にしないと、すぐに資金繰りに苦しむことになります。
返済額を無理のないものにするには、返済期間がポイントです。
短期で返済計画を組めば資金繰りは苦しくなり、長期で組めば資金繰りは楽になります。
そこで返済期間を決めるポイントが、債務償還能力です。
債務返済能力は
・債務返済能力=税引き後当期利益+減価償却費-1年間の返済金額
で求めます。
「税引き後当期利益+減価償却費」の範囲内に、設備投資で予定している借入額のうち、1年間の返済額が収まっていれば、資金繰りが苦しくなることはありません。
逆に「税引き後当期純利益+減価償却費」を、1年間の返済額(元本)が超えていれば、いずれ資金不足になり、再度どこからか資金調達してこなくてはいけなくなります。
要するに、債務返済能力を基準に返済期間を決めれば、無理のない返済計画を立てることができます。
仮に、
既存の銀行の年間の借入返済額が1200万円。
債務返済能力は1800万円
この場合、追加で返済できる余力は600万円となります。
そこに3500万円の設備資金を借りたい場合
- 5年での返済計画なら1年間の返済額は700万円
- 7年での返済計画なら1年間の返済額は約500万円
です。
5年で返済計画を立てたら債務返済能力の1800万円をオーバーし、毎年100万円不足するこになります。
この資金計画はアウトです。
それに対し7年なら、
・1800万円-(1200万円+500万円)=100万円
で、お釣りがくる計算です。
5年と7年、どちらを選択すべきか、もうお分かりですね。
余裕のある資金計画を立てるには、7年を選択すべきです。
このように、債務返済能力を基準に考えれば、無理のない返済計画を立てることができます。
もちろん、5年と7年では、トータルの支払い利息は7年の方が多くなるでしょう。
しかし、みすみす資金繰りが苦しくなるような返済計画に足を突っ込むくらいなら、少々金利を多く払っても、資金繰りに余裕のある計画を選ぶべきです。
ポイント4・耐用年数に近い長期の年数で借りるようにする
債務返済能力から返済期間を決めるとき、もう一つチェックしておきたいのが、耐用年数と減価償却費です。
理想は、返済期間が耐用年数程度あって、返済額も減価償却費に近い状態です。
こうなることで、資金繰りは楽になります。
減価償却費とは、現金の支出を伴わない費用です。
その分は、手元にキャッシュとして残っています。
ですから、減価償却費内に返済額が収まっていれば、資金繰りも正常です。
たとえば、1000万の設備投資を10年の償却期間で減価償却を行ったとします。
毎年費用計上されるのは100万円です。
しかし、設備資金1000万円を、7年の返済計画にした場合、年間約143万円の返済です。
減価償却費より、返済金額の方が43万円高くなります。
つまり、毎年オーバーした43万円分の、資金繰り悪化を招くというわけです。
債務返済能力のところでも書きましたが、短期の返済は減価償却費をオーバーするので、その分も資金繰りは悪くなります。
・債務返済能力=税引き後当期利益+減価償却費-1年間の返済金額
税引き後利益が500万で、設備資金1000万、減価償却費10年100万円の場合
<返済期間7年、年間143万の返済のケース>
・500万円+100万円-143万円=手元に残る資金457万円
<返済期間10年、年間100万円の返済のケース>
・500万円+100万円-100万円=手元に残る資金500万円
このように、減価償却費を返済額がオーバーすると手元資金が減ってしまいます。。
こうならないためには、なるべく「返済期間=耐用年数」に近づけておかないといけないのです。
ポイント5・運転資金で借りたお金を設備投資に使わない
運転資金で借りたお金を、設備投資に使うと資金繰りは悪化します。
運転資金の借入れは、短期間(長くて5年)の返済になります。
利率も設備資金に比べ高いです。
それに比べ設備資金の借入は、長期の返済です。
利率も運転資金と比べ、低くなる傾向です。
設備投資で返ってくるお金は、普通は長期間になりますので、返済を長くしないと、利益で返済することがむずかしくなります。
運転資金も短期の返済なので、それを設備投資に回してしまうと、利益より返済額の方が多くなるので、資金繰りが悪くなるのです。
さらに、運転資金の借入の枠をなくしてしまう可能性もでてきます。
信用保証協会の場合、運転資金と設備資金は別々の枠となります。
運転資金の保証は月商の3か月分までとの目安があります。
その枠を設備資金で借りてしまうと、通常の運転資金が必要なときに、借入れできなくなってしまいます。
かといって、運転資金を設備資金名目で借りることはできません。
設備資金は設備資金として借りた方が良いです。
銀行は設備投資の融資で何を見るか?
銀行が設備投資の融資で見るポイントは次の通りです。
設備資金の融資判断のポイントは、
- 計画内容の妥当性
- 収益見通しと返済の計画
- 担保
の3つにわかれます。
計画内容の妥当性
1・設備投資の目的は何か
新規分野への進出、新製品の開発、コストダウンなど、その設備投資の目的が何かをチェックされます。会社の業績に直接関係ない設備投資は、融資を断られる可能性があります。
2・投資を行うタイミングは適切か
自社の現状、業界の動向など、今投資を行うタイミングかを見られます。
3・投資規模は適切か
投資額、生産能力、販売能力などをトータルで見て、予定している設備投資の規模が過大になってないかチェックされます。過大であれば、返済に支障を来たす怖れがありますので、規模の縮小を打診されます。
4・投資効果はどうなるか
予想売上高や、毎年のランニングコストの前提条件は適切かを見られます。ここも予想が甘いと、投資計画そのものに疑問を持たれることになります。銀行が知りたいのは、「確実に返済されるかどうか?」です。そのため、予想した数字が妥当かどうか見られます。
5・計画が予定通りにならなかった場合どうなるか
計画が失敗したときどうなるかを見られます。万が一失敗したとき、その投資が会社の財務状況に及ぼす影響です。会社が傾くほど甚大な被害を受けるなら、投資の縮小を打診されます。
6・自己資金はどれくらいあるか
自己資金があるということは、失敗した際のリスクの軽減になりますので、自己資金が多いほど有利になります。ただし、多いからといって、自己資金で設備投資するのは、資金繰りを悪くする原因です。
7・借入の割合はどれくらいか
設備投資額の借入れと既存の借入があれば、借入依存度を見られます。借入依存度とは、会社の総資産のうち、有利子負債がいくらあるのか?その割合です。この割合が高いほど資金繰りが苦しいことになりますので、依存度が高ければ、銀行の評価は低くなります。依存度が、60%を超えると、銀行は赤信号とみなします。
・借入金依存度 = 有利子負債 ÷ 総資産 ×100(%)。
8・各金融機関の調達割合は妥当か
9・設備投資後の売上増加による増加運転資金の対策はどうか。
設備投資をした後、売上が増加したときの、運転資金が不足しないかをチェックされます。通常売上が増加すれば、それに比例して必要な運転資金も多くなります。その運転資金が不足しないか、不足するならそれを用意できるかの財務状況を見られます。
収益見通しと返済の計画
1・投資後の売上高と原価
設備投資後の、販売価格、生産コスト、生産能力がどれくらい改善できるか、また、その数字に妥当性はあるかを見られます。数字の見通しが甘ければ画に描いた餅になってしまいます。
2・販売管理費の妥当性
人件費や販売計画の妥当性を見られます。人件費を過剰に少なくしたり、過大な費用をかけた販売計画なら、見直しを迫られるでしょう。
3・営業外収支の検証
設備投資後の営業利益から、金利負担を引いて、きちんと利益(経常利益)がでるかをシミュレーションで検証されます。もちろん、銀行が見直した数字を基にです。経常利益が出ないようなら、その投資計画から返済を回収できる見込みは少なくなりますので、計画の見直し、または融資の白紙となります。
4・減価償却費の検証
減価償却の方法と耐用年数を見られます。耐用年数より、返済期間が短くなると、資金繰りはキツくなります。耐用年数と借入期間のシミュレーションで、資金繰りの状態をチェックされます。
5・キャッシュフローの検証
設備投資後のフリーキャッシュフローで、返済できるかを見られます。フリーキャッシュフローとは、「税引き後当期利益+減価償却費」のことで、実際に手元に残るお金のことです。この額が返済額以上だと、無理なく資金を回していけることになります。つまり、返済資金を確保できるということです。
担保・その他
1・不動産担保
担保は投資対象物件が原則ですが、不足する場合は追加の不動産を要求されます
2・融資金が資金使途通りに使われるように追跡する。
銀行は使途資金違反には厳しい態度で臨みます。設備資金と偽って他の資金に流用していたりすれば、一括返済を求められたり、今後融資が受けられなくなったりのペナルティがあります。そのため、実際に設備資金に使われたかどうか追跡調査されます。
3・金利収益等の取引メリットを検証する。
設備資金の融資に成功する事業計画書の作り方
これまでも説明してきたように、設備資金の回収はその性質上、長期になります。
長期になれば、その分リスクは増します。
失敗のリスクもありますし、基本的の長期の予測をするのはむずかしいので、銀行も融資の審査に慎重になります。
よって銀行を納得されるには、次の2点を抑えた事業計画書がポイントになります。
- 設備投資する妥当性
- 融資の回収の確実性
の2点です。
設備投資の妥当性
設備投資する妥当性とは、本当にその設備投資を行うことで、収益が改善するかどうかということです。
仮に、設備投資しても利益が望めないものや(本社の改修など)、思う程収益の改善を見込めない案件なら、返済の可能性も低くなってしまいます。
「店舗の改築によって客数の増加が見込めるか?見込めるのであれば売上はどのくらい増加するか?」
「クラウド会計システムを導入していくらコストダウンが見込めるか?」
お金を貸す側としては、いわばこれは担保となる計算です。
ここに納得させる具体性なり根拠がなければ、融資はしてくれません。
そして事業計画を組む際は、投資金額の回収期間が、その設備の「法定耐用年数以下」であるようにしなくてはいけないことにも注意してください。
法定耐用年数とは、税法で決められた、減価償却期間のことです。
法定耐用年数以内に、設備投資に出した金額(借入の金額)を回収できてないということは、買換え・更新の時期に、借金がまだ残っているということです。
これでは、返済計画として成り立ってないことになります。
設備投資の事業計画を考えるときは
・設備投資金額=回収期間≦法定耐用年数
・回収期間=設備投資の総額÷設備投資による年間キャッシュ
に当てはめて計画しましょう。
融資の回収の確実性
そして次に、肝心要の回収の確実性についてです。
要するにこれは、「設備資金の返済が終わるまで、この会社が利益を出しながら最後まで返済できるか?」という確実性です。
その指標になるのが、「債務償還年数」です。
債務償還年数とは、融資した設備資金に対し、設備投資後の会社全体で生み出すキャッシュフローすべてを返済にあてると、全額返済までに何年かかるかという指標です。
銀行はこの指標の目安を「10年」としています(許容度は15年といわれています)。
10年内なら安全に回収できると見込んでいるのです。
債務償還年数を出す数式は
・総借入額÷フリーキャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)
です。
無駄な節税は融資のマイナス要因
債務償還年数を求めるのに、上記の通り、「税引き後利益」が使われます。
これはつまり、経常利益(税引前の利益)が大きくなるほど、有利になり、小さくなるほど不利に働くということです。
となれば、無駄な節税をして、不必要に利益を減少させてしまうことは、設備投資の融資のマイナス材料でしかないのです。
もともと節税のし過ぎは、無駄なキャッシュアウトを生むだけなので、気をつけなくてはいけません。
債務償還年数は10年が目安
ちなみに、2014年の中小企業白書によりますと、中小企業の債務償還年数の平均は、10.9年。小規模企業になると、20.3年にもなるそうです。
銀行から融資を引き出すためには、債務償還年数が10年になるように財務改善を行うことが一つの目安になります。
それつまり、法人税を引いた後の利益が最大になるようにすることなので、簡単じゃないですが。
投資判断の指標となる財務指標
設備投資で失敗しないためには、財務指標で自社の状態がどうなるか計算してみなくてはいけません。
設備投資をして売上が回復基調なのに、借入が負担になって資金繰りが苦しくなるようでは、何のための設備投資かという話です。
そこで、設備投資の際は、次の指標で、設備投資後の財務状況を把握します。
借入依存度
・計算式:(有利子負債÷資産合計)×100
資産に対する借金の割合を見る指標です。低いほど良いになります。
借入金月商倍率
・計算式:(短期借入金+長期借入金)÷(売上高÷12カ月)
月商の何倍の借金があるかを示す数値です。低いほど良いです。
総資産回転数
・計算式:売上高÷総資産
売上高に対して、総資産が何回転したかを見る指標です。高いほど良いです。
有形固定資産回転率
・計算式:売上高÷有形固定資産
売上高に対して有形固定資産が何回転したかを見る指標です。高いほど良いです。
投資案件の収益と資金繰りをシミュレーションして、上記指標を求めます。
その結果を業界平均と見比べてみて(←これ大事)、大きなズレがないようなら、大きく間違うことも少ないだろうと予測できます。
NPVとIRRを使って投資を事前シミュレーションする
投資の判断基準に「IRR(内部収益率)」と「NPV(正味現在価値)」という指標を基にして求める方法があります。
詳しいことはリンク先を読んでいただければよいのですが、要するに
- NPVが0より大きい数値の場合、儲かる投資。
- NPVが0より小さい場合(マイナス値)、儲からない投資。
- IRRが割引率より大きい場合、儲かる投資。
- IRRが割引率より小さい場合、儲からない投資。
という判断ができる計算方法です。
このような指標を使って、投資を事前シミュレーションすることで、儲かる投資か儲からない投資かを判断できます。
ではさっそくシミュレーションしてみます。
<前提条件>
- 投資額:1000万円
- 融資の利率(割引率):5%
- 売上げ成長率:1年目から3年目まで150%。それ以降は伸びなし
- 売上げ原価:売上の30%
- 販管費:売上の50%。ただし、1年目と2年目は1000万円
- 法人税:34%
- 減価償期間:5年
- 売掛回転日数:45日
- 買掛回転日数:45日
- 棚卸資産回転日数:60日
以上の条件で、NPVとIRRがどうなるかを計算してみます。
すると、フリーキャッシュフローは以下のような状態になります。
そして、NPVとIRRは
- NPV:536
- IRR:12%
NPVは0以上、IRRも割引率以上です。
よってこの投資は儲かると判断できます。
投資を行うときは、このような計算式を使うことで、リスクをより軽減できます。
設備投資にリース契約は有りや否や
設備を購入する際は、融資以外にもリース契約を検討するときもあります。
以下、リース契約のメリットとデメリットをまとめてみました。
リースのメリット
1・設備投資のまとまった資金が不要
リースなら月々のリース料を支払えば済むので、設備投資時のまとまった資金がいりません。
したがって、手元の資金を減らさなくてよいというプラスの面があります。
また、融資の場合は担保を要求されますが、リースであれば担保を要求されることがありません。
2・定額のためコスト管理が簡単
設備を融資で購入した場合、減価償却費、固定資産税、支払利息などを計算しなければ損益計算ができません。
ですがリースなら、月々のリース料だけ把握すればよく、管理が簡単になります。
3・金利の変動リスクがない
リース料は一般的に定額です。
そのため、変動型の金利と比べると、高金利になったときのリスクがありません。
4・事務処理の簡素化
融資で設備を導入すれば、税金の支払いや購入手続きなど、事務管理が大変になります。
しかしリースなら、そのような事務処理をしなくて済みますので、人件費削減につながります。
リースのデメリット
1・中途解約できない
リース契約は原則中途解約できません。
それに対し融資なら、最悪リスケジュールで支払いの減額交渉ができます。
2・設備を差し押さえられる
リース会社への支払いが滞ると、リース契約を解除して、物件の引き上げを行い現金化に動きます。
それでも足りない場合は、その差額を契約である企業に請求してきます。
3・融資に比べて割高
リース料には、リース会社の手数料はもちろん、税金や保険料などの諸経費も含まれています。
そのため、融資に比べ総支払料でリースの方が多くなります。
4・物件を所有できない
リースの場合、物件の所有権はリース会社にあります。
リース期間終了後も物件を使用するなら、原則再リースとなります。
5・リース料が発生し続ける
再リースも含め。リース期間が続いている間はリース料を支払い続けなくてはいけません。
リースを利用した方がいい人の2つの条件
設備を丸々購入しなくても、月々の利用料だけで使用でき、手元資金を大きく減らさなくて済むというメリットもあります。
リース契約は、企業が利用するリース物件を、リース会社が購入し、その物件を企業がリース料を支払って利用するというものです。
リース会社は、リース期間中に利用料で購入資金を返済しますので、原則中途解約をすることはできません。
仮に解約できても、その後も支払いを続けたり、一括返済を求められることもあります。
要するに借金と同じで、分割で設備を購入しているようなものです(そのくせ所有権はリース会社)。
また、リース料は銀行融資と比べて割高になります。
リース料には、物件価格の他に、保険料などの付属費用と、リース会社の利益となる利息も上乗せされているので、リースの支払い総額は、融資で購入したときよりも高くなります。
そのため、リースを利用した方が良いケースとは
- 金融機関から融資が受けられない
- 他の融資のために枠を残しておきたい
の場合に限られてきます。
まとめ
設備資金は金額が大きくなりますし、長期の返済になりますので、これを見誤ると会社に大ダメージを与えかねません。
借り方にも、資金繰りを苦しくしてしまう借り方がありますので、気をつけなくてはいけないです。
そして何より、えいやあで進めてしまうのではなく、財務指標による診断、NPV、IRRとしった指標を使っての検証も必要です。
設備資金を借りるときは、失敗のリスクをとことんまで排除して、設備投資を行いましょう。
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