【銀行融資】資金調達成功マニュアル

融資対策

資金調達は経営者の仕事

会社を経営している以上、借入はどうしても発生するものです。

資金調達は社長の重要な仕事です。

極端な話、売上や経費削減は社員と一丸になってできますが、資金調達は社長がやらないとできません。

黒字だろうがコストカットに成功しようが、資金がなければ会社は倒産します。

つまり、上からいわせてもらって申し訳ないのですが、資金調達ができなければ経営は失敗してしまいます。

ですから、経営の責任を負う社長にとって銀行からの資金調達は重要な仕事になるのです。

銀行からの借入のメリット

安易な銀行からの借入れはよくありませんが、会社が借金することは必ずしもデメリットだけではありません。

むしろ積極的に借入をすることも会社の防衛戦略となります。

借入をすることで得られるメリットもあります。

メリット1・いざというときのため

「震災にあって売上が急激に下がった」「取引先の経営状態が悪化して入金がない」など、急なアクシデントがあってもすぐに借りられる保証はありません。

いざというときにために、余裕資金を持っておいた方が賢い選択です。

ちなみに東日本大震災で生き延びた企業と倒産した企業の違いは、キャッシュを用意できたかどうかということも挙げられます。

キャッシュがなければ優良企業といえど倒産です。

メリット2・銀行に対する実績作り

銀行は返済を実績として評価します。

まったく融資を受けたことがない会社より、借入をして返済実績がある会社の方を高く評価します。

これは一般的な会社でも同じです。

取引のない会社と過去に取引のある会社では、どちらが安心ですかという話です。

借入の必要がなくても、あえて借りて返済実績を作っておくことも必要です。

メリット3・時間を稼げる

会社を立ち上げすぐに経営が軌道に乗るという企業は少ないでしょう。

多くの会社では、基盤作りや売れるまで時間がかかります。

この間、資金が尽きてしまえば廃業です。

そこで借入による資金調達で、その間の時間をつなぐことができます。

必要な借入金額を見積もる方法

銀行に申込む借入金額は、漠然と「これだけ」で決める社長は少ないと思いますが、そんな決め方ではいづれ資金繰りに苦しむことになります。

借入で後々困らないためは、計画的で無理のない返済計画を立てるべきです。

といっても、会社によって置かれている状況は様々で、一概に「これ」という判断はしにくいものです。

まず銀行からの融資を検討する場合、自社の借入限度額がいくらなのか把握することからはじめます。

その方法は下記記事を参考にしてください。

銀行融資はいくらまで?借入れ限度額を算出する4つの方法

設備投資の場合

借入の目的が設備投資であれば、会社の持つ返済能力を超えないよう、投資額から検討すべきです。

過大な設備投資は、資金繰りの悪化を招きます。

甘い投資計画は首を絞める元です。

借入資金の場合

すでに借入金額が限界値や異常値になっており、資金繰りをつなぐために借入れを行うケースは、借換えができなくなったときのことを考えて、できるだけ多く借入をしておきます。

いわば業績が改善するまでの、資金確保という考えです。

シミュレーションは忘れずに

そして必ず、銀行から借り入れた場合のシミュレーションを行いましょう。

シミュレーションは楽観的なものだけでなく、中立、悲観と3パターンで予測します。

もし仮に、今後赤字や貸し渋りが予想される場合は、保険もかねて、多めの借入金額で行った場合をシミュレーションしてください。

借入額を多くすれば利息の負担も多くなりますので、資金に余裕が出てきたら、順次繰り上げ返済をして利益確保に動きます。

借入は資金繰りが苦しくなってからと考えがちですが、後手に回るとよくないです。

健全なうちにしっかり計画しておきましょう。

銀行別営業スタンス

一口に銀行といっても、銀行には

  • メガバンク
  • 地方銀行

の2種類があります。

これに銀行以外では、信用金庫・信用組合が加わります。

それぞれの銀行によって営業スタンスがありますので、傾向と特徴をつかんでおくことは大事です。

メガバンク

メガバンクとは、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の、3大メガバンクのことです。

規模が大きいだけに

  • 業績の良い会社に対して、他がマネできない金利優遇
  • 融資までのスピードが速い

などの特徴があります。

その反面、規模の大きな案件を好み、融資申込額が小さい案件は敬遠しがちという傾向があります。

年商規模は10億円が一つの目安になります。

また、業績の悪い企業に対しては、金利を高く設定する、遠慮なく見切りをつけるなど、ドライな面があります。

地方銀行・信用金庫・信用組合

地方銀行・信用金庫・信用組合は、数千万単位の融資から、数百万単位の融資まで、こまめに対応してくれます。

企業からお願いすれば、担当者をつけてくれ、毎月訪問してくれます。

信用金庫・信用組合の場合は、フェイストゥフェイスを基本とし、一担当者あたりの営業範囲が狭いので、さらにきめ細やかな対応をしてくれます。

この金融機関は、地域に根付いて、共存共栄がスタンスですので、企業の業績が悪くなったからといって、メガバンクのように、すぐに見切りをつけたりはしません。

ただし、信用金庫の場合、融資取引ができるのは、原則として会員のみ。信用組合の場合も、原則組合員のみが対象です。

また、企業規模が大きくなると、信用金庫・信用組合のみの取引では、資金調達できないということもあります。

銀行から資金調達するための10ポイント

無策で申し込むという社長はいないと思いますが、銀行から融資してもらいやすくするために、いくつかポイントはあります。

今回は10個のポイントをご紹介します。

ポイントを抑えて、借入をしやすい状況を作っておきましょう。

ポイント1・銀行から借りやすい決算書を作る

融資審査において決算書が与える影響は大きいです。

決算書の内容が悪ければ、それだけ融資審査は不利に働きます。

(1)貸借対照表
【債務超過】

債務超過になってないかチェックされます。

債務超過の会社は、大きなマイナスポイントになります。

「総資産―負債」で計算され、これがマイナスだと債務超過です。

BS上は債務超過になっていなくても、中身のない資産は除外され「実態バランスシート」で評価されます。

【自己資本比率】

純資産の額が大きければ大きいほど、それだけ財務体質が健全とみなされます。

これを測る数値が自己資本比率です。

自己資本比率は20%、最低でも10%以上は確保したいところです。

【借入金月商倍率】

短期と長期を合わせた借入金額が、月商の何倍あるか見る指標です。

多ければ評価が下がります。

借入金月商倍率を見る銀行の基準は

  • 2カ月以内:少ないまたは丁度よい
  • 2~4カ月:やや多い
  • 4カ月以上:多い

これはあくまで基準であって、業種によっては当てはまらないこともあります。

(2)損益計算書
【営業利益・経常利益】

営業利益は会社が本業で稼ぐ力、経常利益は会社が継続的に稼ぐ力をみる指標です。

この2つの数値は、最低でもプラスであることが重要です。

簡単にいってしまえば、この数字が返済力になりますので、マイナスだったら怖くて貸せないでしょって話です。

逆にいえば、営業利益と経常利益が大きければ、稼ぐ力が大きく、融資審査には有利に働きます。

【売上高に対する利益率】

利益が大きい会社には余裕が出てきます。ですから売上に対する利益率、「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」もチェックされます。

売上高営業利益率は5%以上、売上高経常利益率は3%以上が理想です。

【保存版】銀行が融資したくなる決算書の作り方

ポイントン2・使い道と返済の財源を明らかにする

「何の目的でお金を借りて、そのお金をどう返すか?」を明確に説明する必要があります。

資金を借りる目的は、そのお金で事業を軌道に乗せ利益を上げることです。

利益を上げればこそ、返済も滞りなくしてもらえ、銀行も収益を確保できます。

それなのに、資金使途以外の目的でお金を使われてしまったら、返済が困難になるかもしれません。

銀行は返してくれることが一番心配なのです。

あなたも貸す側の立場なら、きっと同じことを聞くはずです。

ですから、「何の目的でお金を借りて、そのお金をどう返すか?」を明確に説明することが重要です。

融資審査には、決算書以外にも、資金使途は大きな影響を与えます。

資金使途を銀行に納得させることができなければ、財務内容が良い会社でも、融資がむずかしくなってくると心しておきましょう。

ポイント3・試算表を毎月銀行に提出する

銀行が取引相手として好むのは、情報開示してくれる会社です。

また、取引先の業績がどうなっているか知ることは、返済に不安を持つ銀行にとって安心につながります。

そのため、試算表を毎月提出すると銀行に喜ばれます。

それに、わざわざ試算表まで出してくれるということは、粉飾などしてないからできることであり、銀行との信頼関係を作る上で大きなポイントです。

粉飾してたら、試算表を出すことで思わぬほころびが出るかもしれませんので、やってたら出したくないでしょう。

ポイント4・銀行との普段からのお付き合いを大事にする

普段から定期的に銀行に訪問し、数値で自社の状況を伝えている会社は、そうでない会社に比べスムーズに融資を受けることができます。

ただしこれは融資をスムーズに受けるための、ある意味ビジネスライクな行動です。

逆に、情にほだされたり評価してもらおうなどと下心(実際は関係ない)で、銀行の別な営業(信託、証券、保険など)のカモにされないように気をつけましょう。

ポイント5・あえて銀行から借入れの実績を作っておく

銀行が返済実績を評価することは上述しましたが、それ以外にも実績があると、審査のスピードが速くなることが挙げられます。

実績がないと審査にも時間がかかります。

たとえば、保証付き融資だと面談も含め、遅いと2カ月かかることもあります。

資金繰りが厳しいときに2カ月も待たせられる、、、最悪倒産に追い込まれかねません。

しかし、1回目の実績があると、2回目の面談が省かれ、融資の実行までが短縮されます。

緊急時に早いことは大きな助けになります。

ポイント6・税金の滞納は解消しておく

税金を滞納しているということは、資金繰りが苦しい証拠です。

そのような会社の返済が滞りなく行われるとは考えにくく、銀行からの融資(プロパー融資)は厳しくなります。

それに税金は納税義務のある公的なものですので、滞納は社会的な信用を落としてしまいます。

ですので、もし滞納しているのであれば、ノンバンクなどから借りて税金の滞納を解消してからとなります。

ポイント7・関連会社とズブズブの関係を清算する

銀行が融資に慎重になるケースに関連会社があることが挙げられます。

  • A社とB社の代表が同じ
  • A社の代表の身内がB社の代表
  • A社とB社の住所が同じ
  • A社がB社の株式を多く所有している
  • A社とB社の大株主が同じ
  • A社とB社で資金の貸し借りを行っている

このようなケースだと、A社とB社は「実質同体」ではないかとみなしてきます。

関連会社があるとその実態が捉えにくく、それゆえ嫌われる原因となります。

とくに関連会社でお金の貸し借りをしている場合です。

仮にB社の業況が悪くなれば、「A社で借りてB社に流すのではないか?」

どこまでも疑り深いですが、貸す側にすれば否が応でも慎重になります。

資金の貸付の何が悪いかというと、貸付金そのものは利益を生まないからです。

繰り返しになりますが、銀行が返済財源としてみるのは本業の儲けです。

本業の儲けで返すことのできないお金なら、返済が危ういと感じるのは当然です。

そのような状況になると予測できるなら、融資に慎重になるのも当たり前です。

関連会社を作ることは、融資の受けやすさからいえばプラスにはならないのです。

もし作るのであれば、実質同体とみられないよう、経営を分離する必要があります。

ポイント8・ノンバンクはなるべく避ける

ノンバンクから借りている会社は、銀行・政府系金融機関からは厳しくみられます。

ノンバンクから借りている事実が銀行・政府系金融機関に知られてしまうと、後々借りようとしたときに、それが融資審査でマイナスに働きます。

ですから、ノンバンクで安易に借りるのは、基本は避けるべきです。

資金調達をしたいときは、ノンバンクからではなく、銀行・政府系金融機関を優先させましょう。

融資総額も、銀行・政府系金融機関に比べノンバンクは低くなりますし、反対に金利は高くなります。

民間・政府系金融機関は、審査も厳しく、提出書類もたくさんあり、それを嫌がるのもわかりますが、借りやすさからノンバンクを優先させることは得策とはいえません。

ポイント9・資金の動きの多い口座を開設する

普段のお金の流れがわかるようにしておくと銀行は喜びます。

融資にの際は、決算書だけではわからないことも多くあります。

その代表的なものがお金の流れです。

しかし、融資してもらいたい銀行の口座を、事業活動のメイン口座として設定しておけば

  • 取引相手の企業
  • 取引先からの入金額
  • 取引先への出金
  • 毎月動く資金の総額

などお金の動きが正確にわかるようになります。

このような決算書の情報では得られないを知ることができれば、銀行融資の審査の精度も上がるため、取引情報がない会社と比較すれば、融資が成功する可能性は高くなります。

だって安心でしょ、という話です。

ポイント10・銀行の業績にも注意する

昨今では銀行が安泰ということはありません。

潰れることだってあり得ます。

万が一メイン銀行が潰れれば、日常業務に支障をきたすどころか、資金調達できずに資金ショートを起こすことだって考えられます。

取引先銀行の経営状態が良いかどうか、こちら側も目を光らしておくべきです。

融資に近づく銀行員が聞きたい6つのこと

銀行の融資担当者が社長から聞きたいことがあるのをご存知でしょうか?

ただ単に世間話をしても、心証はよくなるかもしれませんが、融資担当者が聞きたいのは、「お金を貸しても返ってくるか」です。

そのためには、銀行員が知りたいことを事前に予測しておかなくてはいけません。

銀行の融資担当者に会ったときは、世間話の中にも、次の6つのことを話してください。

1・自分の業界の状態

あなたの業界の全体的な経営状況を話してください。

業界の先行きは、知識のない銀行員にとって貴重な情報です。

2・その環境でのあなたの会社の状態

その業界状況の中で、あなたの会社がどのような状況に置かれているかを説明します。

売上の動向、客数の変化、粗利益の確保など、いわば、現状での自社の経営環境の話です。

3・その結果、決算書の数値はどうなったか

前期の決算書と比較してみて、

  • 増収増益
  • 増収減益
  • 減収増益
  • 減収減益

の中から一つ、自社の状況を説明します。

「なぜそのような状況になったか?」も併せて説明します。

4・今の状況を踏まえ今後はどうするのか

1~3までの話を踏まえて、「今後どうしようと思っているのか?」を話します。

「ライバル店が進出してきて客数が減った」などと、現状を愚痴っていてはダメです。

担当者が聞きたいのは、その状況下で、売上を伸ばすにはどうすべきか、集客数を回復するにはどうすべきかです。

そのための具体的な施策を話します。

5・だから銀行にどうしてほしいのか

現状と今後を話したら、その結果、「銀行にどうしてほしいのか?」を話します。

借りたいのか、返済額を減額してほしいのか、銀行に求める行動です。

6・具体的な金額とその理由

ここで具体的な金額をいいます。

1~5までの話を総合して、「だからいくら必要なんだ」という金額を提示します。

ここで「いくらでもいい」などと述べれば、「数字のわかってない、未来へのビジョンのない経営者」の烙印を押されます。

これが銀行員の知りたい6つのことです。

「融資したら確実に返ってくるか」を知りたい融資担当者にとって、当たり前の情報です。

ただし、バラ色一辺倒では眉唾に見られますし、かといって悲観的過ぎては、「この会社大丈夫?」と思われてしまいますので、バランスが大切になります。

銀行へのアプローチ法

いざ融資をお願いしようにも、取引銀行がなくてはいけません。

また、銀行取引は単行より、複数あった方が、競争原理が働らいて借入金利が安くなったりして、借入条件が優位になるなどのメリットがあります。

では、新たに取引を開始するにはどうすべきか?

銀行へのアプローチ方法は大きくいって次の3つです。

  1. 飛び込み
  2. 紹介
  3. 銀行からの営業

新たな銀行との取引を開始するには、主にこの3つからになります。

飛び込み

飛び込みは簡単にできますが、3つの中で一番まずい方法です。

たとえば、いきなり「お金を貸してください」という社長が窓口に来たら、銀行はどう思うでしょうか?

「なぜいきなり来たのだろう?」

「もしかして取引銀行に、融資を断られたのでは?」

「この会社ヤバい?」

などと、コンピューター顔負けの連想ゲームを、驚くべきスピードで行い、警戒心を高めます。

この状態で融資OKですよ、などと、あっさり良い返事がもらえるわけがなく、成功率は限りなく低くなります。

もし飛び込みで行くとしても、手ぶらではなく、決算書、試算表、資金繰り表、会社案内、商品パンフなどを社長自ら持参して、信用してもらえるよう努めましょう。

紹介

知人の経営者や顧問税理士などの紹介で、銀行にアプローチする方法です。

紹介は、紹介者がいることで、銀行も安心する面があります。

やはり、何も知らない人と取引するより。○○さんからの紹介とあった方が安心感があります。

それだけに、紹介者によって影響される点に注意が必要です。

もし、経営状態の悪い会社の経営者から紹介されたら、あなたならどう思うでしょう?

2人で組んで、お金を引っ張る算段ではないか?と疑われるかもしれません。

紹介で銀行にアプローチするときは、「誰に紹介を頼むか」に気をつけてください。

信頼度の高い人からの紹介は、成功率も上がります。

銀行からの営業

最もスムーズに、取引をはじめられる方法は、銀行からのアプローチです。

こちらからお願いしなくても、銀行から来てくれるので、立場的にも優位に立てます。

ただし、待っているだけでは、銀行からは来てくれません。

そこで、

  • 銀行口座を開設する
  • 口座のお金を動かす

という2段階の方法を行います。

第1段階口座を開設する

銀行口座を開設すれば、そこで接点ができます。

接点ができても、口座を開設したくらいでは、銀行員から営業に来てくれるわけではありません。

しかし、口座開設という接点はできます。

そのとき、あえて、会社パンフや決算書を渡せばどうでしょう?

窓口担当が、営業担当の儀行員に渡してくれるかもしれません。

その資料を見て営業担当が興味を持てば、あなたの会社に訪問もあり得るでしょう。

第2段階口座のお金を動かす

口座を開設して、パンフや決算書を渡しても営業担当が訪れない場合は、預金口座のお金を動かします。

  • 売上を入金する
  • 支払の振込をする
  • 支払の引き落としをする

などのお金の動きをあえて入れます。

銀行の営業担当者は口座の動きをチェックして、業績の良さそうなところへのアプローチを考えています。

では、業績の良さそうな会社の口座とはどんな感じでしょう?

入金の出入りが大きく、活発に動いているところです。

そのような口座を見つければ、営業候補の一つに挙げられます。

こんな会社は潰れない

ちなみに自己資本率が40%を超えると、「会社は潰れない」といわれています。

自己資本率とは、借金ではない、自社で用意できるお金の率のことで、資本調達の何%あるかを示す数値です。

計算式は

・自己資本比率=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)

で算出します。

自己資本比率の小さい会社は、自分で用意できる資金が少なく、経営体質はもろいです。

その逆に、自己資本比率の大きい会社は経営的に安定しています。

自社のキャッシュが貯まっているので、仮に本業の儲けから借金を返せなくても、貯金から返していけるので、倒産しにくい会社になります(貯金のたくさんある家庭をイメージすればわかりやすいです)。

この自己資本比率は、一般的に70%以上なら優良企業、40%以上で倒産しにくいといわれています。

自己資本比率の高低は、融資の難易度にも関係しています。

自己資本比率の低い会社は、借金で会社を回しているような状態で、資金繰りが厳しいことが予想できます。

そうすると、何かのアクシデントで資金ショートを起こしやすく、銀行も融資に二の足を踏みます。

それとは逆に自己資本比率の高い会社は、借金に依存しなくても自己資金が豊富なので、倒産しにくい安全企業です。

銀行としては、喜んで貸したい会社です。

つまり、自己資本の小さい会社は融資の難易度が高くなり、その反対に自己資本の高い会社は、信用度も高く融資もされやすいというわけです。

あくまで理想論ですが、自己資本を高めることも経営目標の一つです。

まとめ

いざというときキャッシュがあれば、倒産回避をできます。

そのためには、銀行からの資金調達は重要な選択肢です。

銀行融資は、普段からの経営努力がものをいう部分が大きいです。

付け焼刃では上手くいきませんが、銀行が融資の際何を見ているかを知るのは、資金調達を成功させる上で大事です。

銀行融資のときは、10項目をチェックして融資をスムーズに引き出しましょう。

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