もしあなたのお店が、次のような乱高下のある売上だった場合、お店の売上は上がっているのか?下がっているのか?判断がつきづらくなると思います。
この売上のトレンドを正しく把握するにはどうすればよいか?
そこで使うのが、エクセルの「Zチャート」です。
Zチャートを使うことで、売上の変動を除去した推移を見ることができます。
3期分のデータを用意
まず、次のような売上データを用意します。
データは3期分用意します。
トレンドを正確に読む「Zチャート」
このデータを基にZチャートを作るわけですが、最初にZチャートは何かを説明しておきます。
Zチャートとは3種類のグラフ組み合わせたチャートのことで、ここで使う3種類のグラフとは、「月次売上」「月次累計」「移動年計」のことです。
売上の変動が激しい場合、月次売上だけを見ると売上の流れがわかりません。
そこで、数値を足してかさ上げをしてやります。
すると、数値が足された分、変動の波が小さくなるというわけです。
たとえば、100と500では5倍の開きがありますが、両方に1000を足してやれば、1100と1500になって、その差は1.04倍まで縮まります。
同じ原理で、月次売上を足して移動年計で見れば、グラフの変動が少なくなり、上げ基調か下げ基調かがわかるようになるのです。
月次累計を計算
Zチャートを作るために、年度ごとの「月次累計」を算出していきます。
Zチャートは2期分を作ります。
最初に「D15」セルに「=sum($C$15:C15)」と算式を入れます。左側は「$」を入れて絶対参照にしてください。
数式を入力し終えたら、オートフィルで2015年3月の「D26」セルまでドラッグして入力します。
次に2016年4月からの分を同じように入力していきます。
「D27」セルに「=sum($C$27:C27)」と算式を入れます。左側は「$」を入れて絶対参照にしてください。
数式を入力し終えたら、オートフィルで2016年3月の「D38」セルまでドラッグして入力します。
移動年計を計算
次に移動年計を求めます。
セル「E15」に「=SUM(C3:C14)」と数式を入れます。
数式を入れたらオートフィルでドラッグして「E38」まで入力します。
これですべての数値が入りました。
Zチャートを作る
データをZチャートにしていきます。
グラフにしたい範囲「B15」~「E38」までを選択し、「挿入」→「折れ線」→「マーカー付き折れ線」を選びます。
Zチャートが挿入されました。
データ分析に入る前に、2015年と2016年の境目に入った線を取り除きます。
行番号「27」を右クリックし、メニューから挿入を押して、空白の行を入れます。
空白の行が入ることで、Zチャートも2つに分けれました。
売上トレンドの読み取り
Zチャートは、まず上の線(移動年計)を見ます。
- 右肩上がりなら上昇傾向。
- 右肩下がりなら下降傾向
- 平行なら現状維持
ということになります。
このグラフから見るに、2015年は横ばいで現状維持、2016年は若干ですが右肩上がりの傾向がみられます。
まとめ
以上のように乱高下の激しいデータも、Zチャートを使えば、上昇傾向か、下降傾向か、それとも現状維持かを掴むことができます。
傾向を掴めばこそ、適切な対処が打てます。
上昇傾向なら広告費を投入しても元が取れる計算ですが、下降傾向なら投資は慎重にすべきでしょう。
そういう判断は、勘でやっては失敗する確率が高くなります。
やはり、数値というデータで客観的判断が必要です。
コメント