人は見た目が9割と申しますが、それは何も人だけのこととは限りません。
あの銀行融資に必須の財務諸表でさえ、見た目を少し整えることで、印象がガラリと変わるのです。
ちなみにいっておきますが、見た目を整えるとは、粉飾決算のことではありませんので、誤解なきようお願いします。
粉飾が赤字を誤魔化す厚化粧なら、今回ご紹介する方法は、印象のみを変えるナチュラルメイクです。
銀行融資に強い「損益計算書」を作る
まず、金融機関が損益決算書で重視するのは、「営業利益」と「経常利益」です。
営業利益とは、売上総利益から販管費と一般管理費を引いた、いわば「本業の儲け」を表す数字。
経常利益とは、本業の儲けから本業以外の損益を加味した数字です。
なぜ金融機関がこの2つの数字を重視しているかというと、答えは単純。
「本当に返済能力があるか?」
を見ているからです。
要するに、本業が儲かっていなければ、お金貸しても高確率で返ってこないでしょって話です。
現に、融資を決める際の定量評価には(定量評価とは、資本金や自己資本比率などの財務指数を評価に換算するものです)、「債務返済能力」という評価項目があり
- 債務償還年数(円): 有利子負債÷償却前営業利益
- インタレストカバレッジレシオ :(営業利益+受取利息・配当)÷支払利息割引料
- キャッシュフロー額: 営業利益+当期減価償却実施額
指標となる数値を出す数式には、営業利益の名前が3つも出てきます。
これつまり、金融機関が営業利益をどれだけ大事に考えているかの証左です。
逆に考えれば、営業利益を改善できれば、損益計算書の見栄えもよくなるということです。
ただしかしです。
営業利益を無理やり増やすことはできません。
営業利益を増やすには、
- 売上を増やす(とくに高利益のものの販売数を伸ばす)。
- 原価を減らす。
- 経費を削減する。
の3つしかありません。
無いものを無理やり増やしたら、それこそそれは粉飾決算です。
そこで考えるのが、本業以外の営業外収益と売上原価、販管費及び一般管理費です。
本業以外の収益で、「売上」の部分に入れられるものは売上に移し、売上原価、販管費にある費用の中で、「特別なもの」は特別損失に入れてしまうのです。
つまり、収益は上の項目へ、費用は下の項目へと移動させるのです(もちろん、認められる範囲で)。
こうすることで、営業利益と経常利益は数字が大きくなり、金融機関が安心できる損益計算書へとナチュラルメイクできます。
損益計算書の営業利益を改善する方法
それではどんなケースで収入を上へ、費用を下に移動できるか参考例をご紹介します。※実行の際は必ず顧問税理士先生への確認を怠らないようにしてください。
ケース1・雑収入(営業外収益)
会社が家賃収入を得ている場合の処理は、雑収入(営業外収益)になっていることがあります。
しかし、会社の定款の事業内容に「不動産貸付」があるなら、不動産収入も立派な本業の売上といえます。
ない場合は定款を変更し、会社の目的に「不動産の管理・賃貸」を追加します。
そうすれば、これが本業として認められるため売上に計上することができます。
業務受託料、ロイヤリティなども、本業の売上に移動できないか検討してみてください。
ケース2・社宅の家賃収入(営業外収益)
会社が役員や社員のために賃貸物件を借りて、社宅として提供しているケースがあります。
このとき、役員・社員から受け取る家賃を雑収入(営業外収益)とするのではなく、役員・社員の自己負担負担を経費(地代家賃)として販売費及び一般管理費にマイナス計上します。
すると、営業利益の数字がアップします。
仮に次のような損益計算書があったとします。
営業外収益の雑収入1000000円のうち、500000円が社宅家賃から上がってくる収入だったとします。
その500000円を「地代家賃」として、「販売費及び一般管理費」にマイナス計上すれば、営業利益が4400000円から4900000円に改善できます。
ケース3・貸倒損失
ビジネスを行っている以上、取引先の倒産で売掛金が焦げ付くことがあります。
その場合、「販売費及び一般管理費」の「貸倒損失」で計上していませんか?
もしその貸倒が、「大口の貸倒」「臨時的だが大きな貸倒」などであるなら、「特別損失」に計上できなか検討しましょう。
販売費及び一般管理費から、大きな「貸倒損失」の額が消えれば(下に移動しただけ)、営業利益、経常利益とも大きく改善できます。
たとえば、役員退職金です。
役員退職金は毎年あることではありません。
そのため、特別損失に計上することができます。
いまだに役員退職金を「一般管理費及び販売費」で計上している会社はないと思いますが、役員退職金が発生した年は、特別損失に計上しましょう。
仮に特別損失に計上できれば、たとえ今期が赤字だったとしても、金融機関には「この赤字は今期だけの一過性のもの」と説明できます(後ろめたさもなく)。
以上のように印象を操作するだけで、金融機関が損益計算書に持つ見た目の印象がガラリと変わります。
架空の在庫を上げたりしてないので、粉飾決算とは違います。
銀行融資に強い「貸借対照表」を作る方法
貸借対照表は、右がお金の集め方(負債・純資産)、左が集めたお金の持ち方(資産)で表されます。
貸借対照表のポイントは、
- 左の「資産の部」は上に行くほど「現金化」しやすいものが並ぶ
- 右側の「負債の部」は上に行くほど「返済期日の早いもの」がくる
この2点です。
手元にキャッシュがたくさんあって、借金はすぐに返済しなくてもよい方が、資金繰りは安定します。
そういう経営状態の会社の貸借対照表は、資産の部には現金化しやすいものが多く並び、逆に負債の部の返済日の早いものは少なくなります。
キャッシュが潤沢にあって資金繰りに困ってない、まさにお金を貸す金融期間が好む貸借対照表といえます。
ですから、見栄えの良い貸借対照表(融資の通りやすい)とは、
「勘定科目の資産は上に、負債は下へ」
が基本的なルールになります。
ちなみに、金融機関の融資の可否を決める財務指標の一つに「流動比率」があります。
数式は
で求めます。
流動比率は100%を超えていれば、早期返済の借金より、手元資金の方が多いということなので、貸す方からすれば安心です。
要は、勘定科目を「資産は上に、負債は下へ」にしていけば、この流動比率が高くなるのです。
※資産と負債について、「流動」と「固定」と出てきますが、これは期間を基準に表す言葉で、流動が1年以内、固定が1年以上という意味になります。
中小企業では流動性比率は実態を表さない
中小企業の流動性比率は「実態を表さない」といわれています。
流動性比率を算出する数式は「流動性資産÷流動性負債」です。
上記の流動性資産の中には、「棚卸資産」が含くまれます。
仮に売れる当てのない大量の在庫がある場合、通常それは資金繰りを悪化させる原因で、本来の資産とはいえません。
しかし、貸借対照表上は、「棚卸資産」として流動資産に計上されます。
つまり、流動性比率は実際のお金の動きを反映していないのです。
実際の返済能力を計るなら「当座比率」の方が近いでしょう(一番ごまかしが利かないのは銀行口座です)。
より厳しくみるなら当座比率
流動性比率より支払い能力を厳密に見る指標に「当座比率」があります。
当座比率は
で求められます。
流動性比率との違いは、「棚卸資産」を含まないことで、流動性比率よりも厳しく短期的な支払い能力を見ることができます(すぐに現金化できる資産がより厳密に見れるということです)。
当座比率も流動性比率と同じように100%超えが望ましいのですが、厳しめに見ているので80%程度あれば安全といわれています。
会社の財務分析を行う場合でも、流動性比率は150%あるのに、当座比率が60%しかないなら、実際の返済能力に疑問がつくことになります。
それつまり、流動資産の在庫の割合が高く、すぐに現金化できないことを意味するからです。
もちろん、当座資産であっても、売掛金は100%回収できるわけではないので(倒産や手形の焦げ付きなど不測の事態)、絶対安全ということではないですが。
流動性比率をアップする方法
では、流動比率がアップする貸借対照表の作り方をご紹介します。※実行の際は、必ず顧問税理士先生に確認してもらうようにしましょう。
ケース1.短期借入金
社長の財布は会社と表裏一体です。
会社の資金繰りが苦しいときに、社長のポケットマネーから会社に貸付ということもあります。
社長が会社にお金を貸すことを「役員借入」といいますが、これを1年以内に返済しなくてはいけない「流動負債」の「短期借入金」に計上しているケースがあります。
仮に会社と社長の間で契約書を交わし、毎月の返済額が決定しているのであれば、1年以内に返済部分を「短期借入金」に、1年を超える部分を「固定負債」の「長期借入金」にします。
契約書もなく1年以内に返済する予定がないのであれば、「長期借入金」に記載してしまいます。
ちなみに、負債項目の振り替えを行わず、役員借入金を解消するには、次の2つの方法があります。
- 債務免除
- 純資産に繰り入れる
債務免除は借金を放棄することで、会社への借金を社長が免除することで、貸借対照表から負債の額が減ります。
ただし、債務免除をすれば債務免除益という特別利益が発生しますので、その期の利益は大きくなり、税金が発生するかもしれないので、この点に注意が必要です。
純資産に繰り入れるは、借金を免除ではなく、資本金などの純資産に繰り入れる方法です。
負債額が減り、純資産が増えるので、流動比率のみならず、自己資本比率もアップします。
ただこの場合も、法人税が発生するかもしれないので、顧問税理士の先生と相談しなくてはいけません。
銀行によっては、役員借入金を「みなし純資産」として、はじめから純資産と見てくれる金融機関もあります。
借金をチャラにしても銀行の評価はよくならない
会社に対する社長の債務を免除にすると、損益計算所の特別利益に債務免除額が計上されることになります。
これによりその年の損益計算書の見栄えはよくなるわけですが、しかし銀行が重視しているのは本業の儲け、あくまで「営業利益」です。
本業の儲け以外で損益計算書を黒字にしても、銀行の評価はあまり上がらりません。
本当の意味で銀行に評価されるには、本業で利益を出すことです。
ケース2・預り金
会社が賃貸物件を所有していて、入居者から資金や保証金を預かっている場合があります。
その会計処理を「流動負債」の「預り金」の項目に記載しているなら見直しポイントです。
敷金、保証金は返さなくてはいけないお金ですが、「1年以内のすぐに返すお金」という性質ではありません。
ですから、「固定負債」の「長期預り金」の勘定項目で処理してします。
そうすれば、流動性比率が改善します。
ケース3・前払費用
前払費用には短期と長期があり、1年以内に費用化するもので、家賃や保険料を短期の前払いで計上することがあります。
前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。
要するに、短期の前払費用に計上すれば、その期の流動資産が増え、流動比率がアップします。
たとえば、12月31日決算の会社が1年分として家賃120万円を4月1日に支払っとします。
その期に対応するのは、4月1日~12月31日までの9か月分の90万円です。
残りの30万円については、その期の貸借対照表に「前払い費用」として資産に計上されます。
30万円は翌期の1月1日に、費用として損益計算書に戻される(計上される)のですが、決算書は12月31日の状態が1年間通用します。
この場合だと、30万円流動資産が増えた状態になり、その結果、流動性比率もアップするというわけです。
このように、決算書の数値改善を意識した場合、「費用として出ていくものなるべく資産として計上する」というテクニックが効果的になります。
前払い費用に当てはまるのは、家賃や保険料などですが、実は広告費も前払費用になることもあります。
雑誌への広告の掲載や交通機関への看板設置など、1年以上の長期にわたる契約で広告料を前払いした場合、翌期以降に対応する部分は、いまだ提供されていない役務に対して支払った対価であるので、「前払費用」と処理します。
というようなケースもあります。
「もしかしたらこれは当てはまるかも」と思う広告費があるなら、顧問税理士の先生に相談しましょう。
金額が大きいと銀行が嫌う貸借対照表の5つの科目
ここまで頑張って、決算書を銀行が好むようキレイに整えても、実はある勘定科目が引っかかることで評価の上がらない決算書もあります。
ではその勘定科目とは何か?
それが
- 貸付金
- 仮払金
- 売掛金
- 棚卸資産
- 開発費
の5つです。
この5つの額が決算書に「大きく計上される」ほど、銀行からの評価は下がります。
融資を申し込む際は、これらの勘定科目を銀行の納得する形にしておかなくてはいけません。
貸付金が大きい
貸付金は、1年以下は短期貸付金として流動資産に、1年以上は長期貸付金として固定資産に計上されます。
貸付金はとても不明瞭で、回収のあてのないものが隠されているケースがあるので、銀行側は警戒します。
たとえば、期中に発生した売掛金の貸倒れ。
これを貸倒金として計上してしまうと、赤字になるので、とにもかくにも貸付金として載せて黒字になるよう誤魔化します。
これではお金は返ってくる見込みはありません。
ちなみにこのケースでは、架空の貸付利息まで損益計算書の営業外収入に計上して、利益を膨らますという念の入れようです。
そして貸付金で一番多いのが社長への貸付けです。
中小企業の社長の財布は、会社と個人でほぼ一体ですから、なおさら回収不能を疑われるお金です。
そのため、貸付金が決算書に計上されていれば、必ず「このお金の貸付先はどこか?」「どうやって解消するのか?」を聞かれることになります。
そのときに返答に詰まらないよう、きちんと説明できる準備が必要です。
仮払金が多い
仮払金とは、そもそもどの科目に入れようか困ったり、金額が確定してないお金で、一時的に仮払い金として計上するものです。
決算書上は資産になりますが、費用が確定した時点で経費として消えてしまうので、財産価値はありません。
ただその性格上、不明瞭な取引を隠すのに便利な科目なので、粉飾する際に重宝されます。
財産価値がないのに、粉飾の疑いあり。
それゆえ、銀行は仮払金が多いと警戒します。
仮にあった場合、銀行は「内容がよくわからない仮払金は資産の価値がない」として、資産から減額することをお忘れなく。
売掛金が多い
売掛金は、取引相手からいずれもらうことのできるお金ですが、この科目は粉飾によく使われることでも知られています。
よくあるのが、まだ納品をしてないのに、請求書だけを立てて、売上高と利益を水増ししたりするケースです。
それ以外にも、売掛金が貸倒れになるケースもあります。
売掛金が回収不能でも資産の計上されれば、売上に対して売掛金が占める割合が大きくなります。
そこで銀行は、勘定科目内訳書で売掛金の内訳をチェックします。
売掛金の内訳には、取引相手の名前と金額が載っていますので、仮に2期連続で同じ取引相手に同じ金額が記載されていれば、「これは不良債権ではないか?」と疑うことになります。
貸倒れは粉飾ではありませんが、回収不能に近いお金です。
ですから、売掛金が大きくなっていると、銀行は慎重な見方になります。
銀行の売掛金の見方
売掛先について、銀行は次のような見方をします。
- 各売掛先について:それぞれの売掛先が倒産してないか調べる
- ある取引先の売掛金が、前期と今期で同じ:その取引先から回収ができない事情があるのではないかと疑う。
- 売掛先の「その他」の欄の額が多い:その他の売掛先は架空の取引先ではないかと疑う。
棚卸資産が多い
棚卸資産の金額を、年間仕入れや年間製品製造原価を月平均にして、その何か月分あるかを銀行は見てきます。
そこで算出した数値が、業界平均に比べてどうなのかもチェックしてきます。
もし業界平均に比べ多ければ、その原因を探ってきます。
棚卸資産は売上の規模に応じて大きくなっているのであれば問題はありません。
それとは逆に、売上が減少している、または横ばいなのに、棚卸資産が増加している場合を銀行は警戒します。
この原因は、一つは粉飾して利益を大きく見せていることです。
棚卸資産は、部外者にはわかりにくくチェックしづらいので、粉飾によく使われます。
とくに「売上高が減少しているのに、粗利益が上昇している」と、粉飾のサインになります。
通常は、売上げが減少すれば、値引きでもなんでもして、売上を確保しようとします。
それなら粗利も一緒に減少するからです。
そしてもう一つは、売れずに残る、不良在庫の増加です。
不良在庫はあっても売れないので、棚卸資産に計上はされても、換金価値はありません。
よって、棚卸資産が変に増加している決算書を、銀行は評価しないのです。
ちなみに、急激な在庫の減少も、金に詰まっての投売りを疑われることになります。
まったくもって疑り深いのが金貸しという職業です。
開発費が大きい
開発費とは、新技術又は新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のために支出した費用と、小難しい言葉が並びますが、要するにこれは「すでに支出した費用の塊」で、換金価値があるわけではないお金です。
仮払金にしてもそうですが、よくわからない事業の活動費を、立替金、預け金などの科目の中に紛れ込ませ、赤字を誤魔化す手段に使われるので疑われる項目になります。
開発費もそれと同じ理屈です。
不自然に開発費が膨らんでいれば、銀行は評価を下げます。
ボロが出たらアウト。しっかり説明しましょう
貸借対照表を許される範囲で見栄えよく見せることは大事ですが、肝心なところでボロが出ていれば、融資したくなる決算書どころの話ではなくなります。
5つの科目をしっかりチェックして、もしそれがある場合は、銀行が納得できる説明が必要です。
銀行が決算書で重視する5つのポイント
銀行が決算書で重視するポイントは次の5つです。
- 本業の利益
- 債務超過
- 資金繰り
- 返済力
- 成長性
これは、何もむずかしく考える必要はないでしょう。
あなたが貸す側になったと仮定してみればわかります。
要は、
- 貸したお金が確実に返ってくるか?
- もし返済が滞ったときは、どうやって返すのか?
この2点です。
そこで、銀行は融資の審査では次の5つを重視するのです。
本業の利益
本業の儲けが、基本的な返済力とみなされます。それ以外の株で得た利益などは、ほぼ評価しません。
債務超過
債務超過とは、純資産より負債の額が大きいことをいいます。債務超過の会社には、原則融資しないのが銀行です。債務超過は帳簿上の価格でなく、実態に合わせた「実態バランスシート」で評価されます。
資金繰り
資金繰りに問題ないかも見られます。今回の融資で、資金繰りがどうなるかをです。資金繰り表で説明することになりますが、予測の段階で資金繰りが回らない計画なら、融資は出ないでしょう。
返済力
返済力をみられます。他の金融機関から借入、それを含めた資金調達余力。社長の個人資産など、会社と個人を合わせた総合的な返済力をチェックされます。
成長性
成長性は、本業の儲けに関係してくることです。仮に市場が衰退しているのであれば、そこからどう収益を上げられるのか、しっかり説明する必要があります。
まとめ
実は銀行は、中小企業の決算書をそもそも信じていません。
中小企業の決算書は、融資を引き出すために利益を過大に見せたり、その逆に節税のため利益を少なくしていて、粉飾の疑いがあるからです。
それだけでなく、費用が正しく記載されていなかったりで、それが意図的であるにせよないにせよ、元々数字の信頼性がないのです。
そこで、貸借対照表や損益計算書以外の情報から、真の実情を探ろうとしてきます。
たとえば、決算書の後ろについている勘定科目内訳書です。
そこに掲載されている売掛金の相手先がどこで、お金がどう動いたかなどをチェックし、焦付きや回収状況、粉飾がされてないかをチェックしてきます。
下手に粉飾などして、銀行の信頼を失うなら、最初から正直に決算書を作っておいた方がいいのです(すでに粉飾してしまっている場合は、徐々に軌道修正するなど処置が必要です)。
粉飾はだめですが、決算書は項目を並べ変える(許される範囲で)だけでも、見た目の印象が変わります。
本来なら「そうしていいもの」を、知らずに間違った科目に計上してしまうことで、決算書の数値が悪くなってしまうのはもったない話です。
許される範囲で決算書の印象をよくできないか、しっかり検討しましょう。
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