集客の成功を握るのは、フロントとなる商品です。
フロント商品が反応の得やすいものだと、集客は楽にできます。
逆に反応の悪いものなら、間違いなく苦戦します(当たり前の理屈ですが、自分のこととなると、「売りたい」バイアスがかかってわからなくなります)。
ただ、集客しやすいものは、実際のところ広告を出してみないとわからないのが現状です。
そこで、どの商品が反応を得られやすいか、エクセルを使って事前に予測する方法をご紹介します。
この方法は、価格と販売数や客数との相関関係を見て、集客向きの商品・サービスかを分析する方法です。
※使用しているエクセルは2007
分析に必要な2つの条件
この分析ができる条件は、
- 販売実績があること
- データを採っていること
の2つが必要です。
まったく新規の商品・サービスで集客したいなら、この分析方法は使えません。
いずれにしても、売りっぱなしにしないで、データを採っておくことは重要です。
分析で見るのは「価格の弾力性」
エクセルのデータ分析で見たいものは、「価格に対する弾力性」です。
価格の変化に客数や販売数がつられて動くほど、その商品・サービスは集客商品向きと予測できるからです(価格を安くしたら集まりやすい)。
それをデータを使って分析します。
動画での解説はこちらから↓※動画で使用しているのはエクセル2016
エクセルで割り出す方法
商品Aの価格弾力性
では、次のような販売データの商品Aがあったとします。
この商品の販売価格と販売数量の関係を分析します。
1)最初に目で相関関係を確認できるように、「散布図」を作ります。
グラフにしたい範囲をドラックして選択し(この場合「B3:C14」まで)、「挿入」から「散布図」を選びます。
グラフが作成されました。
このグラフから、明らかに右肩下がりの「負の相関」が読み取れます。
2)販売価格と販売数量の相関係数を求める
グラフで見える相関関係を数値化(相関係数)して、どれくらい関係があるか具体的にします。
相関係数は、「CORREL関数」で求めます。
数式は「=CORREL(B3:B14,C3:C14)」。今回は「(B3:B14,C3:C14)」がセルの範囲です。※セルの範囲は、対象のデータ数によって変わります。
計算の結果、相関係数が「-0.86」と出ました。
相関係数は±1の範囲で表され、「1」または「-1」に近づくほど強い相関関係があること示し、相関関係が無いほど0に近づきます。
商品Aは「-0.86」なので、かなり強めの「負の相関」があることがわかりました。
つまり、価格を安くすると販売数も伸びる傾向があるので、集客商品向きといえます(価格の弾力性がある)。
商品Bの価格弾力性
では次に、商品Bも見てみます。
商品Bの販売データは下記の通りです。
1)同じように、最初に目で相関関係を確認できるように、「散布図」を作ります。
グラフにしたい範囲をドラックして選択し(この場合「B3:C14」まで)、「挿入」から「散布図」を選びます。
グラフが作成されました。
散布図は、塊になっていることがわかります。
2)販売価格と販売数量の相関係数を求める
「CORREL関数」で数値化(相関係数)して、どれくらい関係があるか具体的にします。
数式は「=CORREL(B3:B14,C3:C14)」。今回は「(B3:B14,C3:C14)」がセルの範囲です。※セルの範囲は、対象のデータ数によって変わります。
計算の結果、相関係数は「-0.33」と出ました。
0に近いほど相関関係がないことを表しますので、この商品Bは価格弾力性が低いことがわかります。
安くしても、客数が伸びない。
よって、割引で集める集客商品には不向きと分析できます。
もし、商品Aと商品Bで、どちらを集客商品にしようか迷ったら、以上の計算から、「商品Aを集客商品にした方がお客様を集めやすい」と予測できるのです。
商品Aの販売プランを計算する
ちなみに、商品Aを500円で販売。粗利益が30%で、広告代が10000円の場合、いったい何個売れば儲かるのでしょう?
この場合の損益分岐点の計算は、
です。
<計算>
・10000円÷30%=33333円
・33333円÷500円=66.66個
答え:67個
さらに、突っ込んで問題です。
10000円の広告費でリスティング広告に出稿した場合、仮にランディングページの成約率が10%で、目標67個販売するためには、1クリックの単価をいくらに設定すればよいでしょう?
1個販売するのに必要なアクセスは、成約率が10%なので10アクセスです。
・67個÷10%=670アクセス
ランディングページに670アクセス集めれば、目標の67個が販売できる計算です。
・670アクセス×10%(成約率)=67個
広告費10000円で670アクセス集めるには
・10000円÷670=約15円(クリック単価)
つまり、1クリック15円まで支払っても大丈夫という計算がです。
ちょっと計算すれば、儲けのラインも、予算の配分も算出できます。
見通しが立てばこそ、退くにしても進むしても、安心して広告を出稿することができます。
「これくらいだろう」などと感覚でやっていると、知らないうちに赤字になります。
まとめ
データで算出される数値は、あくまで予想値なので、絶対にその通りになるとはいえません。
しかし、「割引したとき、この商品は良く売れてた」といった記憶に頼っていては、判断を間違う確率は高くなります。
あなたの脳は、あなたにとって都合のいいように記憶を書き換えます。
直感や長年の勘が悪いとはいいません。
それに助けられた経験もあるでしょう。
しかし、勝つためには、裏付けが必要です。
データを分析し、集客で外れる確率を徹底的に排除しましょう。
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