社会保険料負担は増え続ける
下の図は、社会保障費と国民負担をグラフにしたものです。
シュミレーションは年金問題に詳しい鈴木亘先生の試算ですが、今の負担率のままゼロ成長が続くと、国民負担率は20年後に60%を超え、60年後には100%を超えるのだとか。
そして、遅くとも20年後までに、年金会計は破綻すると締めくくられています(アゴラより引用)。
年金会計が破綻するとか破綻しないとか、それは一会社の力ではいかんともし難い話なので横におきますが、会社にとって問題は、すでに社会保険料が税金よりも重い負担になっていること、そしてその負担はさらに重くなるということです。
2017年の場合で計算すると、年収500万の家庭で社会保険料は約79.9万円(介護保険料は別)。
労使折半後がこの金額ですので、会社にも同等の負担があります。
ちなみに年収500万の家庭で、所得税・住民税は29万円弱。
この家庭の消費額が400万なら、消費税が10%になっても40万です。
所得税・住民税の合計と足しても社会保険料以下ということになります。
社長の役員報酬を考える上で、参考にるのではないでしょうか。
企業の社会保険倒産も現実に
それだけ社会保険料の負担が増えているということなのですが、このコストがどんどん増えていくことになると、社会保険料倒産ということも十分考えられます。
社会保険料は税金とは違い、赤字であっても免れません。
赤字だから保険料が減るということもありません。
毎月一定額掛かる固定費です。
固定費の増大は、利益の圧迫に直結しますので、下げることのできない社会保険料は、企業にとって、まさに命取りになりかねないコストです。
そういう意味で、利益の薄い安売り路線に走るのは、崖に向かって突っ走るようなのです。
- 販売は安くせずお店の適正価格で売る。
- リーピートと追加販売で、客単価を最大限伸ばす。
- 経費は絞れるところはきっちり絞り、利益を厚くする。
といった、とにもかくにも利益を多く残せる経営体質を目指すのが第一歩です。
中小企業は粗利の確保が絶対です。
建設業は社会保険料未加入で仕事を干される
そんな社会保険料ですが、保険料が高いという理由で加入しない企業もありますが、それも業界によっては通らなくなってきています。
たとえば建設業です。
建設業界では未加入の会社に対して、厚労省と国交省がタッグを組んで、ペナルティを与えると宣言しています。
簡単にいいますと、
「元請はもちろんのこと、下請けであっても社会保険が未加入の会社は、公共工事から排除していきますよ」
ということです。
それでもって
「平成29年までに、許認可業者の100%加入を目指します」
とこう高らかに宣言したわけです。
そしてその甲斐あって、社会保険加入の会社は、この5年間で19倍にも増えました。
【悲報】あらたに強制加入の業種が追加されました
そしてさらに、厚労省は社会保険の強制加入を加速させています。
平成29年3月には次の業種を重点的に指導すると発表しました。
- 飲食店営業
- 食品製造業
- 理容業・美容業
- 社会福祉事業
厚生労働省は来年度から厚生年金に加入していない企業への督促対策を強化する。保健所などの窓口に事業許可の申請に来た際に加入状況を確認する対象業種に飲食業と理容業を加える。未加入の場合は日本年金機構に通報する。国税庁から納税情報の提供を受ける回数も年2回から大幅に増やす。厚生年金の加入を促し、老後の生活の安定につなげる。
すでに厚労省は国土交通省と協力し、建設業の許可・更新時に社会保険の加入状況を確認する取り組みを進めている。指導しても加入しない場合は年金機構に通報し、機構が個別に訪問して加入を促している。
今回は取り組みの対象を飲食業や理容業にも広げる。両業種は他業種に比べて厚生年金の加入が進んでいないため、対策を強化する。厚労省と年金機構は国税庁から源泉徴収義務がある企業の情報提供を受け、厚生年金の未加入企業の調査を進めている。現在は年2回だが、来年度から大幅に増やす。29日に開く社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の部会でこうした対策の内容を示す。
厚生年金の適用事業所数は大幅に増えている。この5年間で約50万事業所が新たに加入し、昨年9月末時点で初めて200万事業所を超えた。未加入業者への対応は進んでいるが、年間10万件規模で増える新設の事業所の加入促進対策が課題になっていた。
日本経済新聞(2017.3.29)
この記事のとおり、今度は社会保険の加入が進んでない、飲食業、理容・美容行に指導の対象を広げると宣言しています。
こう宣言した以上、仮に社会保険が未加入で、厚労省から日本年金機構へその旨通達され指導が入れば、加入から逃れる術はないでしょう。
それは、この5年で社会保険加入事業者が19倍になったことからもわかります(2017年11月現在)。
今までは無関係だった業種も、これからは他人事でなく、高い保険料を抑えるための社会保険料対策を行わなくてはいけません。
社会保険料はこうして決まる
では肝心の社会保険料を下げるにはどうすればいいでしょう?
その前に、社会保険料を下げるには、その保険料の算出の仕方を知らなくてはいけません。
とはいえ、社会保険料の算出はむずかいしものではなく、実は簡単に求めることができます。
保険料は、「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」から求めます。※保険料は平成29年
保険料額表は、全国健康保険協会のホームページからダウンロードすることができます。
都道府県により保険料は違いますが、下記は東京都ものです。
仮に、あなたの給料が1カ月30万円だったとします。
そのときは、報酬月額という項目を見て、30万が該当する欄を調べます。
290000~310000だということがわかります。
これで、等級が「22」、月額が「300000」ということがわかりました。
後は、その横軸を見ていくと、毎月納める健康保険料と厚生年金保険料がわかります。
介護保険第2号被保険者に該当しないなら
- 健康保険料:14865円(労使合わせて29730円)
- 厚生年金保険料:27450円(労使合わせて54900円)
- 社会保険料合計:42315円(労使合わせて84630円)
になります。
上記の表からもわかるように、社会保険料を下げたいなら、算定の基準となる毎月もらう給料の額を下げるしか方法はないのです。
上記のケースなら、289999円にすると、等級が一つ下がり、毎月の社会保険料合計が「39494円(労使合計78988円)」に下がります。
たしかに社会保険料は下がりますが、しかしこれでは、収入まで少なってしまいます。
できれば、「収入を下げずに、社会保険料を削減したい」、こんな方法はないのでしょうか?
社会保険料を削減する方法
はい。実はあります。
従業員すべてとはいきませんが、オーナー経営者である社長なら、会社からのお金の受け取り方を変えるだけで、社会保険料の負担なく会社から所得移転することができます。
いいですか?
上記でも書きましたが、「給料」という形でお金を会社からもらうと、必ず社会保険料というゲートを潜らねばならないのです。
要は、給料以外の形で会社からお金をもらえば、社会保険料はかからないのです。
では、そんな都合のいい方法があるのか?
はい。あります。
あなたが知らないだけで、ちゃんとあります。
ただし、これからご紹介する方法は、従業員ではなく、オーナー社長のみ使える方法です。
旅費規程で社会保険料を削減
旅費規程を使うと社会保険料を増やすことなく、社長の手取りを増やすことができます。
旅費規程とは、会社の出張旅費の取り扱いに関して決めたルールのことで、「交通費」「宿泊費」「出張手当」のことをいいます。
旅費規程で支払われるお金は、給料に該当せず、社会保険料はかかりません。
※常識を超えた手当は、給料ろみなされる可能性があります。
しかも、旅費は経費になるので、法人税を安くする効果もあります。
出張が多い社長なら、この規定を決めておくことで、出張の度にポケットマネーが入ってくることになります。
もちろん、そのようなおいしい取り決めだけに、運用はきちんとしたルールで行わなくてはいけません。
詳しくは下記記事をご参考にしてください。
実はそれ以外にも、わたしの知っている限り17通りの方法があります。
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